山とスキーを愛する夫婦が決めた終の棲家は長野県。移住のポイントは「夢と現実を見極めること」 | BE-PAL

山とスキーを愛する夫婦が決めた終の棲家は長野県。移住のポイントは「夢と現実を見極めること」

2021.05.21

はじめまして。昨年、東京都から長野県佐久市に移住したアウトドア好きライター、横尾です。最近はテレワークの普及で地方移住が注目されているようです。ここでは、私が移住の際に感じたことや知ったことなどをご紹介します。私の経験が一つの例として皆さんの参考になればうれしく思います。

浅間山の麓にある長野県佐久市は、のどかで住みやすい地方都市。

なぜ移住したのか?

八ヶ岳連峰を望む佐久市。市街地の近くにある里山、平尾山山頂で撮影。

東京から長野へ引っ越したと人に話すと、「ご両親がいるの?」などと聞かれることが多いです。私が「いえ、移住です!」と答えると、「なぜ移住したの?」と聞かれます。

移住の理由は、ズバリ「移住したかったから」です。

もちろん、移住された方の中には、ご両親が住んでおられるとか、転勤などお仕事が理由という方もおられるでしょうが、私の場合はまったくそんなことはなく、実家は神奈川ですし、仕事も東京の会社勤めでした。

そんな自分が長野県へ移住した理由は、ただ移住したかったから。長野という場所が好きだったからです。

ただのだった移住が現実に

街の雰囲気を知るために、自転車で土地を巡り下見したこともあった。

我が家は、夫と私の2人暮らし。お互いアウトドア好きという共通点があって結婚したこともあり、漠然と「東京は終の棲家ではない」「いつかは地方移住」という共通の夢がありました。でも、それはあくまでのようなものであり、私としては「時期は定年退職後かな」くらいに思っていたのです。

移住の直接的なきっかけとなったのは、ある週末に夫婦で訪れたショッピングモール。そのモールの隣にログハウスの展示場があって、ひやかし半分の気分で(すみません)のぞいたのがきっかけでした。展示場で説明を聞きながら素敵なログハウスを見ていると、具体的なイメージ(妄想?)がムクムクと膨らんできました。

「もっとこういう家がいいんじゃない?」「土地はこのあたりはどう?」と話をするうちに、「来週末はこういう家を見に行こう」「〇〇市へ下見に行こう」などと話が進んでいきました。

結局そのログハウスメーカーとはご縁はなかったのですが、それがきっかけで一気に移住の話が盛り上がり、そこから2年足らずで移住が現実になりました。

山とスキーに傾倒した生活が移住のベース

移住前からよく訪れていた東御市の湯の丸スキー場。標高が高く雪質もすばらしい。

私たち夫婦の趣味は、登山とスキー(私)・スノーボード(夫)。スキー場はもちろん、バックカントリーにも出かけます。東京に住んでいた頃は、冬は基本的に毎週末スキー場へ。土曜日は朝4時起きで、長野や福島などのスキー場へ足を運びました。特によく出かけていたのが、東京からのアクセスがいい長野県東信地方のスキー場。長野県に足しげく通う生活を何年も続けていたことが、移住のベースになっていたのかもしれません。

佐久市は、降雪量は少ないものの、本州でも指折りの寒さになる地域といわれています(最近は暖冬傾向でそうでもないのですが)。その寒さを体感として知っていたことは、移住の不安をだいぶ軽減してくれました。

また、佐久市には友人がセカンドハウスを持っていて、生活面での話をいろいろと聞いたり相談できたことも大きかったと思います。

仕事の目途を立てる

移住しても生活が成り立つように仕事の目途は立てておきたい。

移住の際にどうしても越えなければいけない壁が「仕事」です。私たちが移住を決めるときに大きな問題となったのは、やはり仕事をどうするかでした。

移住地を探すのと並行して、仕事についても夫婦で話し合いを進めました。私は出版社勤めでしたが、思い切って退職し、フリーランスの編集・ライターとして活動することを決めました。

いっぽう夫は、もともと(新型コロナとは関係なしに)週に23日ほどテレワークが認められている会社だったこともあり、移住したら週の半分くらい在宅勤務し、あとは東京にある会社に通勤すると決めたようです。

東京に通勤できる(そして山が近い)移住先を考えると、大きく3つのエリアに絞られました。東北新幹線を使った栃木県「那須エリア」。また、中央線を使った「山梨エリア」。そして北陸新幹線を使った長野県「東信エリア」です。このうち雪山へ最もアクセスしやすい東信エリアに移住することが決まったのは、自然の流れでした。実際に移住された方のお宅訪問も何軒かさせていただきましたが、佐久や軽井沢では新幹線通勤をされている方が多い印象を受けました。

夢と現実を見極める

こんな環境は素敵だけど、生活を考えると…?現実もしっかり見て移住地を決めよう

移住先(具体的な土地も含めて)を決める際に、私がまず葛藤したのが、夢と現実を見極めることでした。

移住計画がはじまった最初のうちは、「緑に囲まれた静かな一軒家のログハウスで、夏は鳥の声で目が覚めて、冬はスキー場にもすぐに行けて」などと妄想していました。そんな私に現実を突き付けてくれたのが、佐久にセカンドハウスを持っていた友人でした。

「緑に囲まれた一軒家って、街から離れた場所でしょ。歳をとったら買い物や通院が大変だよ。そういう場所はインフラも整備されていないことがあるから、水道も自費で引き込まなきゃいけないかもしれないよ」など、超現実的なアドバイスをくれたのです。

もちろん緑に囲まれた一軒家がダメなわけではありません。そういう場所で、家や庭の整備に手をかけながら住む方もいらっしゃいます。歳をとって車の運転ができなくなったら、街に引っ越す前提で住むという選択肢もあるでしょう。

要は「便利さと不便さのバランス」をどうしたいか、自分が何にどこまで手をかけるか、それを見極めることが移住の際に大切だと思います。スキー場が近くても、降雪が多いエリアの場合は、大雪の日はスキーに行く前に雪かきをする必要があります。マンションでなく一軒家に住むなら、それなりのメンテナンスも必要になります。そういったことをきちんと調べながら、夢を現実にしていったらいいのかなと思います。

ちなみに東京は、日本一便利な都市だと思います。特にインフラが充実しています。ほとんどの家に電気・水道・ガスが通っていて、道路や公園などに問題が起きれば比較的すぐに修理・改善されます。

しかし、全国的には、東京のような都市は少ないのです。私の住む佐久を例にとっても、都市ガスの供給エリアは一部で、プロパンガスの場所も多いですし、公園の草刈りなども住民が行ないます。東京に比べると、人口に対して土地が広すぎるので、どうしても行政だけでは手が届かない部分が出てくるのだと思います。

ちなみに、佐久市には浄水場が1か所しかありません。でも浅間山や八ヶ岳が近くにあり、湧き水や地下水といった水源が豊富なので、もともと浄水場が必要ないくらい水がきれいなのだそうです。私は、水道水は浄水場を通るのが当たり前だと思っていたので、移住したときにはちょっと驚きました。

完璧な移住地などなく、どんな土地もメリットとデメリットがあります。ですから、いろんな側面・視点から移住を考えてみてください。自分がどんな生活をしたいのか、それによってデメリットもメリットに変わるかもしれませんよ。

私が書きました!
編集者・ライター
横尾絢子
趣味は山登りやスキー(バックカントリー・テレマークなど)。登山やアウトドア系の出版社勤務を経て、2020年、東京都から長野県佐久市への移住をきっかけにフリーランスとして独立。冬は近場のスキー場で働くなど、大好きな山の近くで新しい生活を構築中。移住後の新しい趣味は畑仕事。作物がぐんぐん育つ様子を毎日眺めるのは楽しいし、なにより食べるのが楽しみ!
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