2016.10.09

耕作放棄地を再生して米作り! 暮らしの実験室「やつだ開拓団」

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「ORGANIC FARM 暮らしの実験室」(がある茨城県石岡市八郷地区は、有機農業の町として知られる農村地帯だが、ちょっと目を凝らしてみると雑草に埋もれた田んぼや後継者不足で伐採された果樹園など、耕作放棄地は少なくない。そんな人の営みが失われた里山の自然に、暮らしの実験室の面々は目を付けた。

耕作放棄地を再生するために結成された「やつだ開拓団」

耕作放棄地を再生するために結成された「やつだ開拓団」

「田畑はもともと森林や湿地、草原だった場所に人が手を入れることで、作物を育てられるようにした土地ですが、人の手が入らなくなると、また元の自然に戻っていく。そういう意味で耕作放棄地は人と自然が最もせめぎあっている場所だと思うんです。そして、そこを再開拓することは、人類が長年かけて行ってきた歴史を追体験することになる。地形を読み解き、自分たちに有益な場所を自分たちでつくるって、言葉では表せない喜びがある」と語るのは暮らしの実験室スタッフの茨木泰貴さん。

耕作放棄地再生のスタートは草刈りと道づくり。沢に橋を渡す

耕作放棄地再生のスタートは草刈りと道づくり。沢に橋を渡す

かくして、2015年春、30年以上米作りがされていなかった耕作放棄地を再生すべく、茨木さん率いる「やつだ開拓団」が結成された。

ちなみに“谷津田”というのは谷にある湿地で、里山の代表的な景観だが、田んぼとしては機械化されにくく、耕作放棄地となっているところが多い。

開拓団が再生するのは、そんな耕作地としては非常にやっかいな場所である。

開拓は草刈りから始まり、水路の掘削、畔づくり、取水工事、田植えと、ほぼ人力でこなし、1年目の6月には何とか広い谷津田の一部に田植えができたものの、稲が穂をつけた頃イノシシに田を荒らされて万事休す。

森に囲まれた谷間の湿地。耕作には非常にやっかいな土地だ

森に囲まれた谷間の湿地。耕作には非常にやっかいな土地だ

1年目でなんとか道筋が見えた耕作放棄地の再生だが、今年3月から始まった2年目のテーマは「美しい谷津田の風景を復活させる」だ。

つまり、単に耕作放棄地の田んぼで米を作れるようにするのではなく、田んぼを含めた周辺環境全体に手を入れ、美しく、豊かな里山の生態系をつくるということ。

地域の自然を活用し、守ることでかつての里山の風景を取り戻すのだ。

谷津田の全景。田んぼを再生させることで、里山の生態系が作られていく

谷津田の全景。田んぼを再生させることで、里山の生態系が作られていく

2年目の田植え。大小15枚の田んぼに苗を植え付けた

2年目の田植え。大小15枚の田んぼに苗を植え付けた

9月少しずつ穂が垂れてきて間もなく収穫。復活していく谷津田を眺めて「開拓団がどんどん面白くなってきた」と茨木さん。

9月少しずつ穂が垂れてきて間もなく収穫。復活していく谷津田を眺めて「開拓団がどんどん面白くなってきた」と茨木さん。

春の田作り、初夏の田植え、夏の草刈りと、手間ひまかけて田んぼを管理し、稲はここまで順調に育った。
稲刈りの予定は、10月29日(土)、30日(日)。拓団の活動に興味があるという参加者大歓迎だ。

問い合わせ、申し込みはこちらから。
http://bit.ly/2c9UUQI

 『ORGANIC FARM 暮らしの実験室』
住所:茨城県石岡市柿岡1297-1
TEL:0299-43-6769
URL:http://www.kurashilabo.net/ 

文/和田義弥 写真/ORGANIC FARM 暮らしの実験室

 

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