
それでもすくすくと育った新鮮な野菜の美味しいこと。今回は、夏を終え、冬を越した契約満了までラスト半年をまとめました。
夏野菜から冬野菜へ、難しかった植え替え時期の見極め

すいか、とうもろこし、枝豆、トマト、きゅうりなど、夏場には、ほぼ毎日、なにかを収穫して帰る日が続きました。暦の上で秋になっても、きゅうり、シシトウ、オクラが、どんどん採れ続け、長らく食卓を彩ってくれたのです。


いったい夏野菜はいつまで収穫できるのか?
皆様も体感したと思いますが、2024年の夏は長く、いつになっても涼しさがやってきませんでした。そんなとき、「この気温が続くなら、きゅうりを育てられるのでは?」と考え、もう一度、種から苗を育て、植えてみることに。

9月になって植えた3本の苗は、暑さのためか1本は枯れてしまいましたが、残る2本はよく育ち、10月上旬から12月上旬までたくさんのきゅうりが実りました。

同じように、シシトウとオクラも、どんどん実をつけ、オクラは11月下旬まで、シシトウの最後の収穫は、なんと12月18日でした。いったい何百個採れたのでしょう?

遅すぎた冬野菜の植え付け時期

しかし、夏野菜を長く育て続けた結果、冬野菜を植える時期を逃してしまったようです。長ネギ、大根、ニンジン、キャベツ、ブロッコリーを植えたのは、12月になってから。大根とニンジンは、自宅で種から苗に育て、長ネギとキャベツは、苗を購入して植えました。

12月になり、ようやく寒さがやってきたものの、またまた雨の降らない日が続きました。夏ほどの頻度ではありませんが、数日に一度は畑に通って水をあげることに。そのとき、スーパーマーケットで売られている野菜がなぜ高騰しているかが、よくわかりました。雨が降らないと野菜は育たないのです。
年末のすき焼きに入れようと種をまいた春菊も、結局は間に合いませんでした。新年を迎えても、野菜はあまり育たず。「果たして3月の農地返還日までに収穫できるのだろうか?」とかなり不安になりました。

ほかの人たちの畑を見ると、キャベツも大根もニンジンも、よく育っています。そう、皆さんは暑い日が続こうと、暦通りに苗を植え、冬野菜を育てていたのです。
うちは、完全に出遅れたことをそのときに悟りました。夏の間、すべての野菜が、日に日に大きく成長しましたが、冬野菜はそうはいきません。とにかく時間がかかるのです。
安定の収穫をもたらしてくれた二十日大根
そんなときに助けてくれたのが、二十日大根です。春、一番最初に収穫できた二十日大根を、妻が、またまた植えていました。春に冬に、畑へ行くたびにたくさん収穫できました。また、サニーレタスも年を越してからは、よく成長し、家計を助けてくれました。


そして、畑を返還する日がやってきた

2月後半になってようやく、長ネギ、大根を収穫。そして迎えた最終日の3月14日。この日に畑をもとに戻して返却しなければなりません。

サニーレタス、ケール、二十日大根、ニンジン、キャベツ、長ネギ、ブロッコリー、大根、にんにくを残らず収穫しました。といっても、まだ成長しきっていない野菜もあります。


キャベツ、ブロッコリーは、根から掘り出し、ビニール袋に入れて持ち帰りました。小さなニンジンとにんにくは、ドレッシングや調味料、炒め物にして余さず使用。育ち切らなくても美味しく食べられるのです。


持ち帰ったキャベツとブロッコリーは、日あたりのいいベランダですくすく育ち、美味しくいただくことができました。

食卓はもちろん、心まで豊かにしてくれた市民農園生活
4月にスタートした初めての市民農園生活。振り返れば楽しくも美味しい11カ月でした。
知識や経験がなくても、たくさんの野菜が収穫できることや、土と触れ合う心地よさを知りました。夏の暑さ、秋の短さ、冬の入りの遅さ、雨の少なさなど、身の回りにおきる気候変動をダイレクトに感じることができました。
気候が大きく変動することで、野菜の収穫が難しくなるのは、市民農園に限ったことではありません。このような気候が続くと、農地で収穫される野菜は減少し、価格が高騰することがよく理解できました。
だからといってなにかできるのかといえば、なにもできません。しかし、貴重な食材を無駄なく使いきることはできます。誰かが大切に育ててくれた食料に感謝しつつ、無駄なくいただくことが、いかに大切であるかをあらためて学びました。

参考までかかった費用を報告します。農地の使用料、種や苗、農機具などを買った金額は合計25,538円。意外と低予算で楽しめることがわかりました。

実は、市民農園に今年も当選。春からはシーズン2に入りました。昨年の失敗を糧に、季節の変化を楽しみながら野菜を育ててみようと思います。