費用は?どんな野菜が作れる?市民農園で初めての農活、11カ月間野菜を作ってわかったこと - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

農業・ガーデニング

2025.05.03

費用は?どんな野菜が作れる?市民農園で初めての農活、11カ月間野菜を作ってわかったこと



費用は?どんな野菜が作れる?市民農園で初めての農活、11カ月間野菜を作ってわかったこと
昨年4月にスタートした初めての市民農園生活。わずか12㎡の畑を借りて、11カ月の間に27品種の野菜を育てました。虫の害にあったり、真夏に何十日も雨が降らない日が続いたり。

それでもすくすくと育った新鮮な野菜の美味しいこと。今回は、夏を終え、冬を越した契約満了までラスト半年をまとめました。

夏野菜から冬野菜へ、難しかった植え替え時期の見極め

8月の畑
すいか、トマト、とうもろこしなどの収穫を終えても、まだまだ賑やかな8月の畑。

すいか、とうもろこし、枝豆、トマト、きゅうりなど、夏場には、ほぼ毎日、なにかを収穫して帰る日が続きました。暦の上で秋になっても、きゅうり、シシトウ、オクラが、どんどん採れ続け、長らく食卓を彩ってくれたのです。

9月の収穫
9月になっても夏野菜がたくさん採れました。
収穫した落花生
落花生は9月になってから収穫。

いったい夏野菜はいつまで収穫できるのか?

皆様も体感したと思いますが、2024年の夏は長く、いつになっても涼しさがやってきませんでした。そんなとき、「この気温が続くなら、きゅうりを育てられるのでは?」と考え、もう一度、種から苗を育て、植えてみることに。

10月に収穫したきゅうり
その濃厚な味が忘れられなくて再び苗を作って植えてみると、10月にもう一度、美味しいきゅうりが収穫できました。

9月になって植えた3本の苗は、暑さのためか1本は枯れてしまいましたが、残る2本はよく育ち、10月上旬から12月上旬までたくさんのきゅうりが実りました。

とうがらし
とうがらしも、たくさん採れました。

同じように、シシトウとオクラも、どんどん実をつけ、オクラは11月下旬まで、シシトウの最後の収穫は、なんと12月18日でした。いったい何百個採れたのでしょう?

きゅうり、ししとう
11月になってもきゅうり、シシトウがたくさん採れました。

遅すぎた冬野菜の植え付け時期

11月の畑
つるむらさき、きゅうりが元気よく育った11月の畑。

しかし、夏野菜を長く育て続けた結果、冬野菜を植える時期を逃してしまったようです。長ネギ、大根、ニンジン、キャベツ、ブロッコリーを植えたのは、12月になってから。大根とニンジンは、自宅で種から苗に育て、長ネギとキャベツは、苗を購入して植えました。

ブロッコリーの苗
10月にポットにまいた種がゆっくりと育ち、12月になってから畑に植えました。

12月になり、ようやく寒さがやってきたものの、またまた雨の降らない日が続きました。夏ほどの頻度ではありませんが、数日に一度は畑に通って水をあげることに。そのとき、スーパーマーケットで売られている野菜がなぜ高騰しているかが、よくわかりました。雨が降らないと野菜は育たないのです。

年末のすき焼きに入れようと種をまいた春菊も、結局は間に合いませんでした。新年を迎えても、野菜はあまり育たず。「果たして3月の農地返還日までに収穫できるのだろうか?」とかなり不安になりました。

サニーレタスの芽
種をまいてすぐに芽が出てきたサニーレタス。

ほかの人たちの畑を見ると、キャベツも大根もニンジンも、よく育っています。そう、皆さんは暑い日が続こうと、暦通りに苗を植え、冬野菜を育てていたのです。

うちは、完全に出遅れたことをそのときに悟りました。夏の間、すべての野菜が、日に日に大きく成長しましたが、冬野菜はそうはいきません。とにかく時間がかかるのです。

安定の収穫をもたらしてくれた二十日大根

そんなときに助けてくれたのが、二十日大根です。春、一番最初に収穫できた二十日大根を、妻が、またまた植えていました。春に冬に、畑へ行くたびにたくさん収穫できました。また、サニーレタスも年を越してからは、よく成長し、家計を助けてくれました。

救世主も二十日大根
短期間で手軽に収穫できる二十日大根。
サニーレタス
葉の厚みがあり、市販品とは別もののようだったサニーレタス。

そして、畑を返還する日がやってきた

市民農園最終日の収穫前の畑
最終日、収穫する前の畑の様子。

2月後半になってようやく、長ネギ、大根を収穫。そして迎えた最終日の3月14日。この日に畑をもとに戻して返却しなければなりません。

収穫した野菜
なんとか返還期日までに収穫できた、いい感じの野菜たち。

サニーレタス、ケール、二十日大根、ニンジン、キャベツ、長ネギ、ブロッコリー、大根、にんにくを残らず収穫しました。といっても、まだ成長しきっていない野菜もあります。

ブロッコリー
ブロッコリーは持ち帰り、プランターで大きく育ててから、いただきました。
キャベツ
球にならなかったキャベツ。無農薬栽培なので、安心して栄養価が高い外側の葉まで食べることができました。

キャベツ、ブロッコリーは、根から掘り出し、ビニール袋に入れて持ち帰りました。小さなニンジンとにんにくは、ドレッシングや調味料、炒め物にして余さず使用。育ち切らなくても美味しく食べられるのです。

ニンジン
小さくても味は素晴らしかったニンジン。
ニンニク
引き抜くと小さなにんにくが…。なんか、かわいいぞ。

持ち帰ったキャベツとブロッコリーは、日あたりのいいベランダですくすく育ち、美味しくいただくことができました。

ケール
妻がサラダとスムージー用に栽培したケールもいい感じ。

食卓はもちろん、心まで豊かにしてくれた市民農園生活

4月にスタートした初めての市民農園生活。振り返れば楽しくも美味しい11カ月でした。

知識や経験がなくても、たくさんの野菜が収穫できることや、土と触れ合う心地よさを知りました。夏の暑さ、秋の短さ、冬の入りの遅さ、雨の少なさなど、身の回りにおきる気候変動をダイレクトに感じることができました。

気候が大きく変動することで、野菜の収穫が難しくなるのは、市民農園に限ったことではありません。このような気候が続くと、農地で収穫される野菜は減少し、価格が高騰することがよく理解できました。

だからといってなにかできるのかといえば、なにもできません。しかし、貴重な食材を無駄なく使いきることはできます。誰かが大切に育ててくれた食料に感謝しつつ、無駄なくいただくことが、いかに大切であるかをあらためて学びました。

長ネギ
形がへんてこでも味は濃厚。自分で育てた野菜は最高に美味しかったです。

参考までかかった費用を報告します。農地の使用料、種や苗、農機具などを買った金額は合計25,538円。意外と低予算で楽しめることがわかりました。

元に戻した畑
11カ月間、楽しませていただいた畑をもとの状態に戻して終了です。いい経験でした。

実は、市民農園に今年も当選。春からはシーズン2に入りました。昨年の失敗を糧に、季節の変化を楽しみながら野菜を育ててみようと思います。

山本修二

ライター

東京生まれ、名古屋在住。自転車好きライターとして本誌を中心に東京で活動し、2015年に名古屋へ移住。東海エリアの食とアウトドア環境を満喫中。肩の力を抜いてユルく自転車に乗りたい人のためにまとめた著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)、好評発売中。

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