はじめての実戦的ロープワーク~エイトノットフォロースルーの結び方と支点の確保~

2020.08.05

私が書きました!
山小屋スタッフ
山岸周平
東京都最高峰の雲取山の山腹、標高1,103mにある温泉付きの山小屋「三条の湯」のスタッフ。前職は東京消防庁の消防士として約10年勤務。奥多摩消防署異動を機に、登山、トレッキング、クライミング、ケイビング、バックカントリー、ヒルクライム、ラフティングなどを楽しむようになる。ブログ:山ちゃんの小屋番日誌  

急斜面もロープワークで安全に登りましょう。

ロープワークで支点の確保をしてみよう

1回目(https://www.bepal.net/know-how/ropework/103728)、2回目(https://www.bepal.net/know-how/ropework/103740)で、ロープとスリングの使い方を紹介しました。今回は、それぞれを組み合わせて、「支点」の確保をやってみます。

「支点の確保」とはどういうこと?

ロープを使って登ったり下りたりするときには、人の重さに耐えられる程度の支えが必要になります。その支えとするものを「支点」(アンカー)と言います。人がロープやスリングを持って相手を支えようとすると、とっさに引っ張られたときに、自分自身が引き落とされてしまう危険があります。いわゆる二次災害を防ぐためにも支点の確保は必要になります。

(1)支点の選定
立ち木にせよ大きな岩にせよ杭にせよ、強く押しても引いてもビクともしないもの、足場が安定している支点を選びましょう。(もし適した支点が見つけられない際は、ロープを使った登り下りは諦めましょう)

(2)支点の作成
スリングとロープで作成してみます。スリングを立ち木に回し、輪の中に端末を通します。これを「カウヒッチ」と言います。

カウヒッチを作る

スリングの輪っかに安全環付カラビナをつける

スリングの輪っかに安全環付カラビナをつけます。別途用意したロープの端末にダブルエイトノットを作り、安全環付カラビナでスリングと結合します。これで「支点」が確保できました。

スリングを使わずロープのみで支点に巻きつける方法もあります。立ち木の径に合わせ、端末から十分な距離をおいてエイトノットを作ります。

エイトノットを作る

立ち木に端末を回し、はじめのエイトノットに逆の順で沿わせ、最後に抜けないように止め結びをします。これを、「エイトノット フォロースルー」と言います。

1つ目の輪っかの間をくぐらせます。

本線をくぐらせ、2つ目の輪っかの間をくぐらせます。

上部2本のロープをまたぎ、3つ目の輪っかの間をくぐらせます。ここで1度緩みがあるところを全て締め上げていきます。

端末を本線に一回しします。

回して空いた間に端末を差し込み締め込みます。

エイトノットフォロースルーが完成!

以上のロープワークとスリングの組み合わせで、降下や登攀、確保をするための支点を取ることができました。しかし実は、もう1つ実戦で大事なことがあります。

ロープワークと同じくらい大事なのが、コミュニケーション

それは「必ず相手とコミュニケーションを取り合うこと」です。

食料を渡そうとロープを投げたのに、相手は勘違いしてロープを掴んで登ろうとして、2人とも谷底まで落ちてしまった……なんてこともありえます。「きっと分かるだろう」ではなく、聞こえなかったり伝わらないときは身振り手振りでも構わないので、これから自分が何をするか、何をしたら危険か、どこにいたらいいか、先にしっかり伝えてから行動してください。

アウトドアに限らず、自然災害や交通事故の際もロープがあるだけで、できることは広がります。何でも社会やお店に頼ってしまいがちですが、「できる限り自分で対処する」という意識は後々自分や家族、仲間を守る力に繋がります。誰にでもできることなので、是非この記事を機に初めての方もロープを触って練習してみてください。

ロッククライミングや沢登りでも、上下間で常に声を掛け合っています。

次回は、ロープで斜面を安全に登り降りする実戦編をお伝えします。

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