購入から25年経て今も現役。スノーピークの『焚火台』を使いこなす | 焚き火・火おこし道具 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.03.07

    購入から25年経て今も現役。スノーピークの『焚火台』を使いこなす

    私が書きました!
    フリーランスライター
    山本修二
    1963年東京生まれ、名古屋在住。自転車が得意なフリーランスライターとして、本誌を中心に25年以上東京で活動。2015年に名古屋へ移住し、スポーツバイクの輸入代理店でマーケティング広報を担当。2019年12月からライター活動を本格再開し、アウトドア遊びのパラダイス=名古屋からディープな情報をお届けします。著書『スポーツ自転車でまた走ろう』(技術評論社) http://yamabon.jp

    25年前に買ったスノーピークの『焚火台』。今も変わらず使い続けている。

    四半世紀前のキャンプブームを背景に生まれた焚き火台カルチャーとは? 

    振り返れば90年代中頃にも、大きなキャンプブームがあった。世はアフターバブルの時期。バブル全盛期には、会社帰りに夜な夜な飲み歩き、週末はゴルフ接待に明け暮れたお父さんたちが、景気悪化により経費を使った夜遊びがままならなくなってきたころ。それまでの罪の意識からか、家族と過ごす時間を大切にするため、RVを買い、週末になるとオートキャンプに繰り出す人が急増した。

    焚き火ができないキャンプ場が増えるなか

    そんな時代の勢いにのり、きれいに区画された高規格オートキャンプ場も増えていった。美しい芝生と電源があるサイトが増えたのはいいが、「直火OK」「焚き火OK」というキャンプ場が、徐々に姿を消していった。とはいえ、当時は今のように「キャンプ=焚き火」という人はまれ。多くの人がコールマンのツーバーナーを利用して、自宅のキッチンと変わらないスタイルで便利な調理を楽しんでいたから、大きな問題ではなかった。

    1996年に発売された『焚火台』

    そんななか、1996年に登場したのがスノーピークの『焚火台』だ。「これさえあれば、どんなキャンプ場でも遠慮なく焚き火ができる!」と衝撃を覚えたことを今でも思い出す。折りたたみができて持ち運べる焚き火台なんて、皆無だった時代。今のキャンプブームに繫がる革命的な商品が生まれたのだ。

    火床の位置を地面から離すことで、空気の循環が良くなり燃焼性能が高まる。と同時に地面へのダメージを大幅に軽減する効果がある。

    昔の取り扱い説明書を発見。そこに記されていたのは?

    そんな『焚火台』を大喜びで買いに行ったことは覚えているが、それがいつだったのかが思い出せなかった。ふと先日、この商品が入っていた箱の中にある当時の取扱説明書を見つけた。そこには、「株式会社 ヤマコウ」と記載されていた。当時、「Snow Peak」は、ブランド名で会社名ではなかった。96年になり「ヤマコウ」から「Snow Peak」に社名変更されたので、どうやらその年の製品であるようだ。製造から25年経た今でも、普通に使える『焚火台』。それだけで感動ものだ。

    「ヤマコウ」は、「Snow Peak」の前身。

    適度な重量感が所有感をくすぐる

    当時は、今のようにMサイズがなく、SとLの2サイズ展開だった。その頃の自分の焚き火スタイルは、小枝を集めて燃やして酒を飲みながら鑑賞するだけだった。だから、迷わず持ち運びやすいコンパクトなSサイズを買った。重量が5kgを超えるLサイズに比べ、1.8㎏というほどよい重量感も気に入っていた。山登りで使うわけではないので、この適度な重量感が、丈夫さの証のようにも感じられた。

    そして、この『焚火台』の素晴らしさは、組み立てが簡単なこと。ケースから取り出し、脚を開いて地面に置けばそれで完成。折りたたみも同様に瞬時にできる。

    発売当初のモデルには、こんなデザインのケースが付属した。現行モデルにも同じようなケースがつく。本体を瞬時に薄くたためるので、車内やコンテナボックスへの収納性もいい。

    本体は、サビにくいステンレス製。棒状のフレームに、4枚のプレートが溶接されている。溶接跡にも表情があり、「きっと職人さんがひとつひとつ丁寧に溶接しているんだろうな」と想像させる。基本的な構造は現行モデルに継承されているが、現行商品とは品番が異なるので、何らかの変更点があったのだろう。今回は、25年前の商品について語るので、現行商品との若干の相違があっても大目にみていただきたい。

    市販の薪を入れたときのサイズ感はこんな感じ。

    唯一の問題、飛び散る火の粉を抑えるには

    耐久性を含め、使用上まったく問題を感じないが、唯一、欠点があるとすれば、隙間から火の粉や灰が落ちること。サイズごとに専用設計されたオプションの『ベースプレート』を敷けば、直下に落ちる灰はキャッチできる。しかし、風が吹くと周囲に飛び散ってしまうので、後片付けに時間を使う。きれいな芝生のキャンプ場などでは、気が引けて使うことを躊躇したこともある。

    しかし、アウトドアショップで「ロゴス」の『たき火台シート』(税込1980円)を発見して、事情が一変した。80x60cmの耐火シートに『焚火台』を置いて使ってみると、このシートがほぼすべての灰をキャッチしてくれるのだ。たとえ焚き火台から火の着いた薪がこぼれ落ちても、シートは焦げるが、すぐに拾えば地面に影響はなし。今では、焚き火の際の必須装備となった。

    今は、この3点セットで使うことが多い。LOGOSの『たき火台シート』と、小さなメッシュのパネルは自作した調理器具を置くための台。

    焚き火で調理するための”ちょい足しアイテム”を自作してみた

    ここ数年は、今どきのキャンプスタイルを取り入れ、この『焚火台』を使って調理をする機会も増えてきた。純正オプションの『グリルネット』を買えば、スキレットやケトルを載せたり、串焼きなんかにも使える。でも、それを使うのもおもしろくないので、ホームセンターに出かけて、いろいろと探してみた。

    いいのがあるじゃないですか。カインズホームの「サイドメッシュパネルS」(税込598円)という商品が、サイズ的によさそうだったので、これを買ってみた。金鋸で適当なサイズに切って、切り口をヤスリで削ればできあがり。シンデレラフィットの調理台ができた。

    96年式の焚火台にシンデレラフィットとなったメッシュパネル。長辺の3ブロック目を切って、それを載せるだけで調理台となる。

    焚き火をいじりながら湯を沸かしたり、スキレットで料理を作ったり。楽しみがグンと広がった。しかも軽量で、純正のケースの中に一緒に入れられる。ただし、96年モデルの取扱説明書に記載されている製品サイズが、「270x270x210㎜」とあり、現行の商品とは少し違うようなので、ご自身で計測して丁度良い材料を探してほしい。

    メッシュのパネルを載せるだけで調理をする楽しみも増えた。ほかに、100均で売っている焼き網もジャストフィットする。

    トライポッドも作ってみた

    先日は、鍋を吊るすためにキャンプ場で拾った枝を使ってトライポッドを作ってみた。ご飯を炊くにも重宝するし、枝とロープ、そして、吊るし用のチェーンとS字フックさえあれば簡単に作れるので、これもぜひ試してほしい。

    自作のトライポッドは、テントサイトの雰囲気を一変させる効果もあり。

    使うほどに味わいが深まり愛着がわく。これぞ一生モノ 

    本体は使うほどに焼け跡の表情が変わり、いい味に育っていく。25年間、使わなかった期間もあるが、今もって買ったときと変わらず火を灯せる並外れた耐久性の高さこそ、この焚火台の最大の価値ではないだろうか。最初から完成された商品を送り出し、当時とほとんど変わらない製品を今も販売し続けるスノーピーク。その技術力の高さと先見性に感謝をしながら、また火を灯したい。

    25年前に作られたとは思えぬコンディション。これからもいろいろなシーンで焚き火を楽しみたい。

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