これぞ本格派!「サイフォン」で至極のキャンプコーヒーを飲んでみよう

2021.02.10

私が書きました!
Old Lanterns Cafe
岸本考司
野外イベントやマルシェに出店してドリップコーヒーを販売する移動式コーヒースタンド「Old Lanterns Cafe」店主。 豆の仕入れから焙煎まで自ら手がけ、イベントではたまに自主企画のワークショップも開催する。年に一度、滋賀県でキャンプイベントも主催。通販サイトでオリジナルのコーヒー豆も販売中。 https://olc2013.thebase.in/

野点(のだて)サイフォンのススメ

みなさんは、キャンプでコーヒーを淹れる道具といえば何をイメージするでしょうか?

パーコレーター、ペーパードリップ、ネルドリップ、メタルフィルター、直火エスプレッソ、フレンチプレス、エアロプレス……でしょうか。しかし、忘れてはならない器具がコーヒーサイフォンです。昭和の喫茶店と言えばコーヒーサイフォンが定番でしたが、今では使っている喫茶店は少なくなりました。

昭和レトロな雰囲気のコーヒーサイフォンは、抽出の過程が見ることができ、非常に趣きのあるギアです。しかし、キャンプでは薄い耐熱ガラスのフラスコとロートを使うので割ってしまうリスクと、風によってアルコールランプの熱がフラスコに伝わりにくい状況が起こりやすいこと、そして使い方が難しそうという先入観から、アウトドアでは使う人も少ないです。

今回は、キャンプでサイフォンを使ってみたいという方に、サイフォンの仕組みと歴史や器具の構成、美味しい淹れ方の解説、そしてキャンプでの洗い方の注意点などをご紹介します。

コーヒーサイフォンの仕組みと歴史

コーヒーサイフォンは、気圧の変化を利用してコーヒーを抽出する仕組みです。フラスコ内のお湯がアルコールランプなどの熱源により沸騰し始めると、蒸気が発生しフラスコ内部に蒸気による加圧が始まり、お湯が上部のコーヒーの粉が入ったロートへと移動します。

熱源を止めると蒸気がなくなり、フラスコ内が真空状態になるので、今度はフラスコ側への吸引が起こり、この時にフィルターでろ過されてコーヒーと粉は分離されて、コーヒーだけがフラスコ内部に移動します。

では、コーヒーサイフォンはいつ頃から使われるようになったのでしょうか。

起源には諸説あって正確には分かっていませんが、1840年頃のイギリス・スコットランドで造船技師ロバート・ネイピアがサイフォン原理を使って発明したナピアー式コーヒー抽出機がコーヒーサイフォンの起源だとも言われています。

日本では、1923年に医療器具の輸出会社だった、島屋商会(現在の珈琲サイフォン株式会社)の初代社長の河野彬さんが発明し、1925年に「河野式茶琲サイフォン」として販売を開始しました。これこそが、現在のコーヒーサイフォンの元祖で、また商品名に「サイフォン」と付けられた世界で最初の製品なのです。

耐熱サイフォンも円錐形ドリッパーも、コーノ式で有名な珈琲サイフォン株式会社が世に送り出したのです。

コーヒーサイフォンの美味しい淹れ方

コーヒーサイフォンは一見難しそうに思われがちですが、手順を覚えてお湯の量と豆の量、挽き目、攪拌させる回数などが決まれば、味の再現性が高い抽出器具なのです。では、器具の構成からご説明しましょう。

ほとんどのサイフォンセットは、買うと必要な物は全て付属しています。ロート、フラスコ、スタンド、竹ベラ(マドラー)、アルコールランプ、ろ過器とろ過布、もしくはろ過ペーパーがセットになっていて、別で買う必要があるのは燃料用アルコールですが、これはアウトドアショップやホームセンターなどで簡単に入手できます。

ろ過布とろ過ペーパーの違いですが、ろ過布の方がコーヒーに含まれる油脂分も抽出してくれますので、まろやかでコクのある味になるのですが、手入れや保管に手間がかかります。

水に浸して空気に触れない状態で保管しないとろ過布についたコーヒーの成分が酸化して嫌な臭いの素になるからです。家やキャンプなど趣味でコーヒーサイフォンを楽しむには使い捨て出来るろ過ペーパーをオススメします。

それでは、コーヒーサイフォンの淹れ方をご説明しましょう。

※サイフォンは風に弱いアルコールランプを使用しますので、風を遮断できる場所で使うことをおすすめします。

まず、コーヒー豆は中細挽きで、1人分120mlなら豆は12g、2人分240mlなら24gで計算して挽き、ろ過器をセットしたロートに入れます。

フラスコには水を入れて沸騰させるのではなく、お湯を人数分入れて使いますが、先に少しお湯でフラスコを温めてから一旦捨て、120ml仕上がりにするなら145mlくらいのお湯をフラスコに入れます。

2人分なら290mlをフラスコに入れますが、自宅であらかじめ計量カップで145ml290mlを入れた水位を「このラインまで!」と標しておくか、覚えておくと便利です。

お湯を人数入れたフラスコに、コーヒーの粉を入れたロートを斜めに刺して、ゴムの角を引っかけてセットしておきます。フラスコに水滴が付いていたら、しっかり拭き取っておきましょう。

アルコールランプに火を着けてフラスコの中心の真下に置きます。93度Cくらいになると、ろ過器を固定している玉鎖から気泡が出てくるので、そのタイミングでフラスコにロートをしっかりと差し込みます。

フラスコ内の気圧が上がり、お湯が徐々にロート側に上がっていきます。

上がったら、粉にお湯を浸透させるために、コーヒーの粉を竹ベラの面で外側からロートの中心に向かって3〜4回押し押し沈めます。ただかき混ぜるのではないので注意しましょう。

粉が沈んだら、軽く掻き回して約60秒待ち(3杯分の場合は50秒)アルコールランプを外して火を消します。この時、ロートの中は上から泡(灰汁)と微粉の層、粒の大きいコーヒーの粉の層、抽出されたコーヒーの層と3つの層に分かれています。

火を外したら、気圧が下がりロート内て抽出されたコーヒーがろ過されてフラスコ内に落ちてきます。

落ち切る前に泡も落ちてきますが、目安として黄金色の泡だと抽出成功でクリアな美味しいコーヒーができます。抽出が上手くいかなかった時は、白い泡が出てきますので、黄金色の泡が出る様に撹拌方法や回数、時間を工夫してみてください。

使い終わったロートはコーヒーの油脂分が付着していますので、食器用洗剤を使ってスポンジでよく洗い流して下さい。

キャンプコーヒーをサイフォンで淹れて、本格的な味を堪能してみてはいかがでしょうか。

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