焚き火の基礎を確認!焚き火協会が主催した、第1回「焚き火検定」に終日密着レポ | 焚き火のコツ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2020.12.20

    焚き火の基礎を確認!焚き火協会が主催した、第1回「焚き火検定」に終日密着レポ

    12月6日(日)、日本焚き火協会が主催する第1回焚き火検定が行なわれた。1都3県を中心に20名が参加した今回の検定では、1人1台の焚き火台を使用。計6時間に渡って焚き火の基本と体験に臨んだ様子をレポートする。

    焚き火マイスターが教える、焚き火の基本知識

    日本焚き火協会会長の猪野さん。焚き火ヴィレッジ<いの>のオーナーでもある。

    検定は、日本焚き火協会会長の猪野さんの講義から始まった。講義といってもチェアに座って聞くことはほとんどなく、基本的には体を動かしながら、実物を見ながら進めて行くスタイル。

    会場となった泉自然公園は、通常は焚き火NG。春〜秋まではBBQ施設が営業している。

    焚き火マイスターとしてテレビや雑誌でも活躍する同氏は、随所にプロの小技を盛り込んでいく。まずは森に入って焚き付けを探すことから。今年に落ちた杉の葉と去年の杉の葉では燃えやすさが格段に違うのだとか。

    1人ずつ準備された基本的な焚き火道具。

    初心者が扱いやすいナイフは、持ち手部分までブレードの入った丈夫なタイプ。今回はモーラナイフが用意されていた。猪野さんの著書『焚き火の本』もテキストとして使用した。

    ムラコのサテライトファイヤーベースと、キャプテンスタッグのラウンドファイヤーピットの2種類で体験。

    広葉樹と針葉樹の薪の見分け方、重さの違い、目安となる燃焼時間など、薪の基礎知識を学び、何チームかに分かれて薪割りをスタート。

    斧での薪割りは初めてという方ばかりだったが、振り下ろす位置や、木の柔らかい部分の見分け方などもレクチャーしてくれるので、受講生は10分程度でコツを掴んでいた。

    筆記問題は15分。講義のポイントを記述で回答

    自分の起こした焚き火にあたりながら、問題に臨む。

    検定であることを忘れて、うっかり焚き火を楽しんでしまいそうになるが、講座の最後には10問の筆記問題がある。焚き火の必須三大要素など技術的な問いから、焚き火ストに必要な概念、マナーなどの知識までを出題。全て選択式ではなく、記入式での回答を求める。

    薪の中には、昨年の台風で被害にあった倒木も含まれていた。

    実際に焚き火を起こしながら講義が進むので、細かいポイントなどをメモする時間は少ししかないのが印象に強い。しかし、作業の合間に受けた説明の中にこそ、解答の重要なポイントが含まれている。

    筆記問題の様子を見学していると、1日焚き火を楽しんできた中で何が重要なポイントだったのか、再確認する意味合いもあるように感じた。

    合格者には、協会認定「焚き火スト」の資格認定証とステッカーが授与された。

    振るい落とすための検定ではないので、わからない問題は、質問すると再度解説してもらえる。焚き火スト(焚き火協会が認定する資格)の認定証は、後日郵送される。

    検定を入り口に、つながっていく焚き火仲間のコミュニティ

    受講者の家族やスタッフも含め、計30名で1日を過ごした。

    焚き火マイスターとして、焚き火の普及・啓発を目的に活動してきた猪野さんにとって、アウトドアは非日常ではなく、特に焚き火は、日常の延長にある身近なものだったそうだ。

    「焚き火の基本を学ぶことで、検定がアウトドアへの入り口となって、自信を持って焚き火にトライしてくれる人が増えれば、それだけで良いと思っています。今後は全国各地で検定を開催していきたいです」

    日本焚き火協会の焚き火スト20名と、会長の猪野氏・事務局長の三橋氏。

    「焚き火が好きな仲間・焚き火をみんなに広めたいと思っている仲間が集うことで大きな流れを作り出し、焚き火を気軽に楽しめるスポットを増やしていきたいです」

    と語るのは、猪野さんと一緒に焚き火協会を立ち上げた事務局長・三橋さん。焚き火を愛する「焚き火スト」でコミュニティを形成し、「焚き火と料理」「焚き火と音楽」など、一緒に楽しむイベントも考えているそうだ。

    焚き火上達はとにかく回数!初級も上級もなく謙虚に楽しもう

    焚き火台を並べるだけで、同じ目的に向かう人の一体感が感じられた。

    焚き火ストの活動の基本ルールは、(1)焚き火を愛する、(2)人に迷惑をかけない、(3)うるさいオヤジにならない、の3つだけ。

    焚き火ストには上級・中級・初級などのランク分けをあえて作らないのは、「焚き火を楽しむ者に上も下も作らない」という、日本焚き火協会のポリシーなのだとか。

    検定とはいえ、笑顔に包まれた雰囲気で受講者からも気軽に質問できる場。

    焚き火の技術は、回数や経験を積むことで上がっていくもので、いろいろなパターンに出会って、引き出しが増えていくのも焚き火の奥深い楽しみの1つ。

    苦戦しているポイントをみんなで共有、解説してアドバイスしてくれる。

    「ルール・マナーを守れない一部の人のせいで、焚き火に嫌な顔をされるのは悲しいです。焚き火スト資格を提示するだけで、安心して焚き火の場所を貸してもらえるような団体にしていこうと思います」

    と、猪野会長は語りかけていた。

    楽しみながら、基礎知識を確認できる検定

    20〜50代までの方が参加。9割が男性だった。

    千葉県内から参加されていた30代の男性はこう話していた。

    「こういう講習や検定は、周りと同じペースで作業を進めたりしなくてはいけなくて、焦ったり、気を使ったりして必死になってしまうことが多いですが、焚き火検定は自分のペースに合わせてフォローを入れていただけたので、ストレスなく楽しく受講できました。1人で参加されている方も多く、安心して過ごせましたね」

    マナーや安全さえ配慮できれば、ペットも一緒に受講できるとのこと。

    神奈川県から愛犬と一緒に参加された男性は、

    「思い切って受講してみてよかったです。自由に思う存分焚火を楽しむことができて、検定といえども堅苦しくない空気感。それでも、必要なポイントはきちんと押さえてくれますし、現代のマナーなども再確認できて、新しい気付きなども多かったです」と語っていた。

    次回も、今回同様20名程度の参加募集となるそうだ。興味のある方は、協会HPをこまめに確認して参加してみてはいかがだろうか。

    焚き火検定 イベント概要

    主催:日本焚き火協会
    試験内容:筆記(記述式)15問程度
    受講費用: ¥9,800円(税込)
    ※テキスト、会長著書「焚き火の本」代金含む。

    開催日などは、協会HPをご確認ください
    https://www.takibi-japan.jp

    文・撮影/安井直子

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