インドの秘境ラダックのスタクモ村で、日本語が通じる安心・快適なホームステイを体験しよう! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.10.14

インドの秘境ラダックのスタクモ村で、日本語が通じる安心・快適なホームステイを体験しよう!

インドの秘境ラダックのスタクモ村で、日本語が通じる安心・快適なホームステイを体験しよう!
インド最北部のチベット文化圏、ラダック。その中心地レーの街からさほど遠くない場所に、スタクモという小さな村があります。この村には、流暢な日本語を話すラダック人オーナーが経営するホームステイがあり、安心して快適な滞在が楽しめます。そのスタクモでのホームステイ体験を、ラダックでの取材をライフワークとする著述家・写真家の山本高樹がご紹介します。
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古き良きラダックの農村風景が今も残る、スタクモの村

インド北部、ヒマラヤの西はずれに位置する、ラダック連邦直轄領。その中心地であるレーの街は、周辺部も含めて5万人もの人々が暮らす大きな街で、さらには近年の急速な開発と観光化により、夏の間は大勢の観光客が外部から押し寄せるようになりました。

そうした喧噪から逃れ、静かな場所でゆったりとした滞在を楽しみたい人におすすめなのが、ラダックの農村でのホームステイ。最近は、ラダックでもあちこちの村でホームステイ客を受け入れる民家が増えてきましたが、設備やサービスにはかなりばらつきがあり、ラダックのような辺境の地での旅に慣れていない人には、ややハードルが高い面がありました。

そうしたラダック旅行初心者の方にも、安心しておすすめできるホームステイ先があります。レーの街から南東に20数キロ、車で約3、40分ほどの場所にある村、スタクモです。まずは、スタクモがどんな雰囲気の村か、写真を交えてご紹介します。

青々とした大麦の穂が風に揺れる。

スタクモは、ラダック南東部のシェイとティクセという2つの村の間を結ぶ道路の途中から、東に連なる緩やかな斜面を5キロほど上がった場所にあります。古くから農耕と牧畜を営んできたこの村では、品質のよい大麦が栽培されていて、その大麦を炒って粉にしたツァンパ(チベット文化圏で主食とされてきた麦こがし)は、ダライ・ラマ法王14世に献上されるほどおいしいと評判だそうです。

大きくて立派な古民家が、村のあちこちに残る。

現在、スタクモには4、50軒ほどの民家があり、2、300人ほどの住民が暮らしているそうです。幹線道路から離れた場所にあるので、車の往来も少なく、村の中を散歩していても、非常に静か。観光客がわざわざ立ち寄るほどの有名な観光スポットもないため、観光客の姿を見かけることもほとんどありません。逆に言うと、外部からあまり人が来ないこの閑静な環境こそ、スタクモならではの魅力になっているのです。

村の中に今も残る古刹、スタクモ・ゴンパ。

この村には、チベット仏教ゲルク派に属する僧院、スタクモ・ゴンパがあります。普段は、近隣の大僧院、ティクセ・ゴンパから来たわずかな僧侶によって管理されているこの小さな僧院の歴史は、実はティクセ・ゴンパよりも古く、15世紀前半に遡ると伝えられています。この僧院を創建した高僧チャンセム・シェラブ・サンポはスタクモの出身で、若くしてチベットに赴き、ゲルク派の開祖ツォンカパの弟子になったと伝えられています。この僧院の敷地に今も残るラカン・セルポというお堂は、ラダックで最初に建てられたゲルク派の寺院なのだそうです。

真言が刻まれたマニ石。

村の中を散策していると、あちこちに、チベット仏教のマントラ(真言)を刻んだマニ石が積まれているのを見かけます。ラダックで古い歴史を持つ村ならではの光景で、村人たちが代々受け継いできた敬虔な信仰ぶりが伝わってきます。

ヒドゥン・バレー・ホームステイで超リラックス滞在を楽しむ

ヒドゥン・バレー・ホームステイの外観。

スタクモの村には、ホームステイを受け入れている民家が何軒かありますが、特に日本人旅行者におすすめなのは、ヒドゥン・バレー・ホームステイ(Hidden Valley Homestay)。がっしりとした造りの、比較的新しい建物で、内部もきれいにリノベーションされています。

Hidden Valley Homestay http://www.hiddenvalleyladakh.com/

ヒドゥン・バレー・ホームステイのオーナー、プンツォク・ナムギャルさん。

ヒドゥン・バレー・ホームステイのオーナー、プンツォク・ナムギャルさんは、かつてデリーで日本の仏教関連の施設で働いていた経験があり、日本語が非常に堪能です。筆者とは20年近く前からの知り合いですが、レーの街で彼に初めて会った時、彼は日本人なのかな? としばらく勘違いしていたほど、流暢な日本語を話します。ラダックに慣れていない人が滞在する際、日本語でいろいろ相談できるのは、かなり心強いのではないでしょうか。ヒドゥン・バレー・ホームステイの建物は、ナムギャルさんの実家を改築したもので、家には今もナムギャルさんとそのご家族が暮らしています。

2階の広々としたリビングスペース。

ヒドゥン・バレー・ホームステイでの滞在は、基本的に朝食付きですが、村からどこにも出かけない場合、村の中には食堂の類はまったくないので、昼食と夕食も宿にお願いして作ってもらうことになります。苦手な食材があったり、おなかの調子などがいまいちだったりする場合は、ナムギャルさんにあらかじめ相談すれば、ある程度リクエストに応じたメニューを用意してもらえると思います。もちろん、ラダックならではの料理を味わってみたいという方は、トゥクパ(チベット風の煮込み料理の総称)やモクモク(チベット風の蒸し餃子モモのラダック語での呼び方)、タギ・カンビル(ラダックの伝統的なパン)などをリクエストしてはどうでしょうか。

ヒドゥン・バレー・ホームステイの2階の客室。

2階にある客室の一つに、数日滞在しました。ゆったり広々としていて、清潔、快適。居心地がよすぎる……。各部屋についているシャワー(もちろんお湯も出ます)とトイレの部屋も広くて、掃除が行き届いていました。ヒドゥン・バレー・ホームステイでは専用のWi-Fiも利用できますが、ここではあえてインターネットに繋がずにデジタル・デトックスをするのもいいかもしれません。

客室のバルコニーからの眺め。

スタクモでの滞在で、何より特筆すべきは、周囲の環境の静けさ。少し離れた場所を流れる、川のせせらぎの音。木々の梢が風に揺れる音。鳥たちのさえずり。たまに遠くから聞こえる牛の鳴き声。それら以外、まったく何の物音もしません。日本でのせわしない日々の暮らしから少し離れて、こういう場所に滞在すると、身体の緊張がすっかり解きほぐれて、五感のすべてが沈静化していくのを感じます。実際、夜は自分でもびっくりするほど、ぐっすりとよく眠れました。もちろん、昼の間の読書や昼寝にもうってつけです。筆者の滞在中、ベンガルールから来たというインド人の若い作家とその奥さんも一週間ほど滞在していましたが、確かに、文章の構想を練ったりするのにもよさそうな環境ですね。

以前から、「ラダックではどんな旅がおすすめですか?」と人に聞かれたら、「街から離れた村に滞在して、何もせずにゆったり過ごす」と答えるようにしているのですが、スタクモはまさに、そういう「何もせずにゆったり過ごす」のにうってつけの場所でした。特に、ラダック旅行のリピーターの方には、おすすめしたい滞在先です。

著者画像

山本 高樹さん

著述家・編集者・写真家

1969年岡山県生まれ、早稲田大学第一文学部卒。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとその周辺地域に長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、世界各地を取材で飛び回る日々を送っている。著書『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。近著に『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』(雷鳥社)、『流離人(さすらいびと)のノート』(金子書房)など。

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