「竪川」沿いで満喫する下町の水路散策の醍醐味【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY FILE.50】 | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

アウトドア・外遊び

2026.10.18

「竪川」沿いで満喫する下町の水路散策の醍醐味【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.50】

「竪川」沿いで満喫する下町の水路散策の醍醐味【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.50】
プロハイカーの斉藤正史さんが、独自の視点で東京23区内の緑道を「GREEN WAY」として捉え直し、実際に歩いた足跡を紹介します。身近なGREEN WAYでも四季折々の見どころがあり、街の意外な歴史にふれることができる、かもしれません。

今回も、前回に引き続き隅田川と旧中川を結ぶ竪川沿いを散策する「堅川セントラルGREEN WAY」です。
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50th ルート:堅川セントラルGREEN WAY

●前回はこちら

高速道路の高架下を流れる「竪川」の暗渠トレイル【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.49】 | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

今回は、前回歩き終えたJR亀戸駅付近からスタート。引き続き、首都高速7号小松川線の下を流れる竪川(たてかわ)沿いを歩きます。

といっても、竪川は暗渠になっているので、ほぼ高架下散策です。ともかく、今回は「堅川セントラルGREEN WAY」として歩きます。

前回紹介したように、亀戸駅から南に向かって路面電車の軌道跡を整備した亀戸緑道公園があります。この公園を真っすぐ南下すると、竪川に行き着きます。このあたりの川沿いというか暗渠沿いは「竪川河川敷公園」となっています。高速道路の高架下にあるので雨の日も遊べる場所として人気のようです。

川(暗渠)沿いの2.4kmを整備した細長い竪川河川敷公園。

それにしても暗渠のほとりも河川敷っていうのか?…と思いながら歩を進めていたら、カヌーやカヤック、水上アスレチックなどを楽しめるエリアがありました。もともとの竪川の水なのか、暗渠の上に新たに水路を設けたのかは不明ですが、高架下にある水上アスレチックって、なかなかおもしろい雰囲気です。

竪川はいろいろな事情があって暗渠になったのでしょうが、やっぱり水のある風景って良いよねと思いながら、竪川河川敷公園を通り抜けました。

水上アスレチック。

さらに竪川の暗渠沿いというか首都高速7号小松川線の高架下を進んでいくと、横十間川に行き当たりました。

横十間川

この連載のFILE.43で紹介した東京スカイツリーのふもとを流れる北十間川から分流し、南下した先で大横川とつながる約3.6kmの運河。川幅が十間(約18m)だったことが名前の由来だそうですが、現在はもう少し幅広く見えます。

十間以上の川幅がありそうな立派な運河です。

少し迂回しつつ横十間川をわたり、先ほどまで自分がいた対岸を振り返ると、竪川の暗渠らしきトンネルが見えました。竪川も横十間川も、江戸時代に開削された運河(水路)です。高速道路などなかった当時、2本の水路の合流点にはどんな風景が広がって浮いたのでしょうか。…といったことをぼんやり妄想しつつ、さらに竪川沿いを西に進みます。

やや分かりづらいですが、横十間川の対岸にトンネル(暗渠)の入り口が見えます。

横十間川をわたるとすぐに竪川第一公園があります。このあたりの竪川は暗渠ではないのですが、高い護岸があるのでほとんど水面を目にすることができません。それでも川沿いに細長い竪川第一公園が整備されているので、遊歩道を進んでいきます。

竪川第一公園を過ぎると川沿いの道が途切れたので、いったん迂回します。すぐ北側にJR錦糸町駅があるからだと思いますが、このあたりはいかにも繁華街の裏路地といった雰囲気が色濃く漂っています。

その先には大横川がありますが、直進できないのでまた迂回しました。大横川も横十間川と同じく、東京スカイツリーのそばを流れる北十間川から分流して南に向かって流れている運河です。先述したように、横十間川とつながり、さらに隅田川に合流しています。

いつか横北十間川や大横川沿いを南下するトレイルも歩きたいなと思いつつ、今は竪川沿いを西進します。三之橋をわたった先に元徳稲荷神社(げんとくいなりじんじゃ)がありました。

元徳稲荷神社

三河国の武士である河村徳右衛門が伏見稲荷大社から分霊し、自邸にまつったのが始まりという神社。その後、江戸に移住した際に稲荷神社も移設したそうです。そして、二代目の妻の腫物が稲荷様への祈願で治癒したことが評判となり、一般にも解放するようになったとか。そういえば前回紹介した平岩稲荷神社も徳川家康の家臣が自宅にまつっていたものがルーツでしたが、こういった例は多いのでしょうか(たまたま?)。

ところで、この神社がある場所の住所は墨田区立川(たてかわ)です。竪川と関係がありそうなのに、なぜ漢字が違うのでしょうか。同じ東京にある立川市(たちかわし)とも混同しやすいし、竪川の表記に統一すればいいような…。いや、通りすがりのハイカーが口出しするようなことではない気がしてきました。失礼しました。

元徳稲荷神社の少し先、住宅街の一角にはさらに小さな忍ヶ岡稲荷(しのぶがおかいなり)があります。こちらの詳しい由緒などは不明のようですが、上野恩賜公園に同名の稲荷神社があります。何か関係あるのでしょうか…。

文字通り忍ぶようにひっそりとある忍ヶ岡稲荷。

ふたつの稲荷神社の近辺は竪川沿いを歩けなかったのですが、西竪川橋を過ぎたあたりから再び川沿いを進めるようになりました。西竪川橋の次に竪川にかかる二之橋周辺には、小林一茶旧居跡、老舗料亭、桐の博物館などの見どころが目白押しです。とても書ききれないのでまるっとスキップして、先を急ぎます。

二之橋から千歳橋、塩原橋と続き、その少し先に江島杉山神社がありました。

江島杉山神社

鍼灸師の杉山和一(すぎやまわいち)が徳川綱吉の病気を治した功績で土地を拝領し、江ノ島の弁財天を勧請したことが起源という神社。境内には、杉山が鍼術を授かったという江ノ島の岩窟を模した岩屋などがあるほか、鍼灸あん摩博物館や治療所も併設されています。

江島杉山神社。
江ノ島の岩窟をモチーフにしたという岩屋。

江島杉山神社を過ぎると、竪川の「終点」も間近です。でも、残りわずかの区間にも見過ごせないスポットが満載なのです。ということで、竪川トレイルの続きは次回に持ち越しとさせていただきます。

今回歩いてきた竪川のすぐ北側には、亀戸、錦糸町、そして両国があります。さすが、江戸時代から多くの人でにぎわってきたエリアだけに歴史的な名所から意外な旧跡まで点在し、散策しがいがありました。しかも、川を軸に歩くと知っている街も違った視点で眺めることになるので、ひと味違った面白さが感じられて楽しかったです。

■今回歩いたルートのデータ
|距離約4.1km
|累積標高差約1m

今回のコースを歩いた様子は動画でもご覧いただけます。

●堅川セントラルGREEN WAY

著者画像

斉藤正史さん

プロハイカー

2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載。

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