“黒い賢者”ワタリガラス。アメリカのアウトドア好きに親しまれる神話の鳥とは? | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.01.15

“黒い賢者”ワタリガラス。アメリカのアウトドア好きに親しまれる神話の鳥とは?

“黒い賢者”ワタリガラス。アメリカのアウトドア好きに親しまれる神話の鳥とは?
アメリカのユタ州を旅していると、赤い岩の上空をゆったりと円を描きながら飛んでいく真っ黒な鳥に出会うことがあります。その正体は…!?

知恵者として名高い「ワタリガラス(英名:Raven/Common Raven)」です。神話に登場し、アメリカのアウトドア好きの間では“黒い賢者”と表現されることもあります。

そこで今回は、ワタリガラスの魅力を4択クイズ形式でご紹介します。旅先でふわりと影が横切ったとき、ちょっと得意げになれる豆知識を楽しんでください!
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【動物ドッキリクイズ・その34】 ワタリガラスがもっと好きになる4問です!

第1問 ワタリガラスが飛んでいるとき、尾羽の形が特徴的です。どんな形?

a) ふんわり丸いボール型
b) V字型のくさび形
c) まっすぐ一直線
d) ハート型

人の生活圏内で頻繁に見かける鳥に、ワタリガラスによく似た、カラス(英名:Crow)がいます。最も分かりやすい違いは体の大きさで、ワタリガラスの方が一回り大きく、カラスは少し小柄な印象です。ただ、実際のフィールドでこの2羽が並んで飛ぶ場面に出会うことは、なかなかありません。

そこでユタの空を黒い影が横切ったとき、見分けるヒントになるのが尾羽の形です。さて、ワタリガラスの尾羽は、どんな形をしているのでしょうか?

駐車場に立ち、がっしりした体と力強そうな足で、歩道を歩く人を静かに見つめるワタリガラス。

答えは「b)V字型のくさび形」。ワタリガラスの尾羽は、飛ぶときにアルファベットの「V」を少し開いたような、くさび形になります。今回は尾羽がはっきり映る写真を撮影することはできませんでしたが、知っておくと観察がぐっと楽しくなりますよ。

第2問 ワタリガラスが神話の中で“創造の神”として語られている文化は?

a) 北米の先住民文化
b) 日本の北アルプスの山岳信仰
c) エジプト文明
d) スイスの民話

神話とは、自然と向き合って生きてきた人々が、世界の成り立ちや出来事を物語として伝えてきたもの。ワタリガラスの神話も、研究者によって民俗学資料として残されています。さて、どの地域の文化でしょうか?

ユタ州モアブに広がるデッドホースポイント州立公園。太古から変わらない風景は、ワタリガラスが神話の中で特別な存在とされた理由を想像させる。

答えは「a)北米の先住民文化」。北米の先住民文化では、ワタリガラスは単なる鳥ではなく、世界の始まりにかかわる特別な存在として語られてきました。高い知能と大胆な行動力を持つワタリガラスが、光や火を人間にもたらしたという神話が残っています。

ずる賢く、ときに失敗もする。それでも一つひとつの行動が積み重なり、結果として世界の流れを変えていく。そんな姿がワタリガラスの創造の物語と重ねられているのです。

第3問 とても頭のいいワタリガラス。実際に観察された行動として正しいのは?

a) クルミを道路に落として、車に殻を割らせる
b) バーベキューの火を器用に起こす
c) 人間の長い会話を再現する
d) 旅人のリュックを背負って飛べるほど力持ち

ワタリガラスを含むカラス類が、都市環境に適応する中で身につけた、人間顔負けの知恵。そのちゃっかりした知恵とは何でしょうか?

道路標識の上に堂々ととまり、行き交う観光客を静かに見下ろすワタリガラス。

答えは「a)クルミを道路に落として、車に殻を割らせる」。ユタの荒野に立つ標識の上で身じろぎもせず、視線だけを動かしながら周囲を眺める姿。通り過ぎる人の流れを把握しているのか、それとも次の行動を考えているのか?その落ち着いたたたずまいは、ワタリガラスが「知恵者」と呼ばれてきた理由を、そっと伝えているようです。

第4問 ワタリガラスの代表的な“渋い鳴き声”はどれ?

a) ピョエー
b) グロッ、グロッ
c) チュルルル
d) ビビビビビ

日本でおなじみのカラスの「カーカー」という澄んだ声に対し、ワタリガラスの鳴き声は低く、喉の奥で転がるような響きです。さて、どんな鳴き声でしょう?

駐車場で見せた大きなあくびのようなしぐさ。喉の奥から声を出そうとしている瞬間かもしれない。

答えは「b)グロッ、グロッ」。ワタリガラスの鳴き声は、「グロッ」と低く、渋く落ち着いた響きです。ユタの荒野の静けさに響く低く濁った一声が、存在感を高めます。

ユタ州の市街地や農地など、人の生活圏内でよく見られるカラス。

今回ご紹介したワタリガラスを含むカラス類の知恵は、日本でも身近に感じられます。

私の故郷・沖縄のやんばるで、父が道路の真ん中で飛び立たないカラスに出会ったことがありました。様子を見ると、小さな缶詰の中身を食べている最中。父が車に戻ろうとした瞬間、そのカラスは飛び立ち、頭上から缶詰をぽとり……。食事を邪魔された仕返しだったのかもしれません。

ところで、最後のカラスの写真以外はすべて、以前BE-PAL.netでご紹介したモアブの旅で訪れた、デッドホースポイント州立公園で撮影したものです。

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赤い岩の大地がどこまでも続くこの場所では、ワタリガラスが風に乗って、悠々と上空を舞う姿に出会えることがあります。

日本から気軽に行ける場所ではありませんが、もし旅のバケットリストに「ユタ」が加わったなら、空を見上げてみてくださいね。黒い影が静かに横切ったとき、尾羽の形や低く響く声に目と耳を向けることで、荒野の風景が、より立体的に心に残るはずです。

トロリオ牧さん

アメリカ・ユタ州ライター

2001年渡米、ユタ州ウチナー民間大使。アメリカでスーパーの棚入れ係やウェイトレス、保育士など、様々な職種を経験したあとアメリカ政府の仕事に就く。政府職員として17年務めるが、パンデミックをきっかけに「いつ死んでもOK!な生き方」を意識するようになり2023年辞職。夫婦でRVキャンプを楽しむのが最高の癒やし時間。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。「海外書き人クラブアウォーズ2026」グランプリ受賞。

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