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その答えは「d)鳴かない」です。ヒナの時は声が出せますが、成長すると発声器官が退化していくため鳴けなくなるのだとか。そのため上下のくちばしをカタカタカタ…と高速でカスタネットのように打ち鳴らしてコミュニケーションを取ります。
第3問 暑い時期、ヨーロッパコウノトリの脚が白くなるのはなぜ?
a) 暑さで脚が乾燥するから
b) 泥の沼地にいるから
c) 自分の脚に排泄するから
d) カビに感染しているから
答えはなんと「c)自分の脚に排泄するから」でした。夏の暑い時期になると、コウノトリは上昇する体温をクールダウンさせるべく、脚に自分の排泄物を頻繁にかけてその気化熱で体を冷やすため、脚が白くなるのです。これにより脚の体温を6℃ほど下げることができるそうですが、その“ヒンヤリ効果”は2分半しか持続しないのだとか。
ミニ携帯扇風機をプレゼントしてあげたいです…。

第4問 現在、アフリカ大陸で越冬をしないヨーロッパコウノトリが増加している理由は?
a) 運動不足で体力が低下したため
b) 地球温暖化のため
c) 横着な個体が増えたため
d) アフリカに住む他の鳥たちとの関係が悪化したため
答えは「b)地球温暖化のため」。コウノトリは渡り鳥なので、通常なら秋の深まる頃になると、温暖な地域であるアフリカ大陸まで越冬のため移動し、翌年2月半ば~3月半ば頃までアルザス地方には戻ってきません。
しかし昨今の地球温暖化により、ヨーロッパコウノトリたちの習性が変化しています。一年中アルザス地方に留まる個体や、南欧など近い地域で越冬する個体が増えているのだそう。
かつてヨーロッパの冬といえば、長く厳しく、積雪量も多かったのでコウノトリたちは凍てついた地で餌が見つけられませんでした。しかし今は暖冬であることもあり、1年中食べるものに困りません。そのため命の危険を冒して遠くまで越冬移動する必要性がなくなってきているのです。
結果的に長距離移動で命を落とす個体も減り、現在ヨーロッパコウノトリの数は増加中なのだとか。

とはいえ、ヨーロッパコウノトリが絶滅の危機に瀕していた時期もありました。1960年代~1970年代がそうで、例えば1974年に生息していたアルザス地方のコウノトリはわずか9組のペアのみ。そこでヨーロッパコウノトリの再導入プログラムが開始され成功、再び多くのコウノトリたちがこの地で見られるようになりました。
フランスの鳥類保護団体LPO Grand Est(LPOグランテスト))の調査によれば、2024年には1600組以上のペアがアルザス地方で確認できたそうですよ!








