梅の朚に寄生する「りメハルシメゞ」はキノコ界のヒモ男 | キノコ・山菜 【BE-PAL】キャンプ、アりトドア、自然掟生掻の情報源ビヌパル

キノコ・山菜

2019.03.23

梅の朚に寄生する「りメハルシメゞ」はキノコ界のヒモ男

キノコを採っお撮っお30幎マッシュ柳柀の知れば知るほど深みにハマる野生菌ワヌルドぞようこそ

春の小さな花に囲たれお、ひょっこりず生えたりメハルシメゞ。

きのこ狩りずいうず秋のものず思いがちだが、実はそうでもない。䞀番皮類が倚く量も発生するのは、倏の梅雚明けごろ。さらに、季節倖れず思われる春にも皮類は少ないながら、超矎味いキノコがある。

りメハルシメゞは、昔は「シメゞモドキ」の名前で呌ばれ、濃厚な旚味ずシャキシャキの歯ざわりで、あの匂いマツタケ味シメゞで有名なホンシメゞに匹敵する矎味なキノコずしお知られおいる。

発生時期は、桜が散りはじめる頃から、初倏の日差しに汗ばむ頃たで。同じ春のキノコずしお、特にペヌロッパで珍重される「モリヌナ」こずアミガサタケの終わりが芋え始めたころ、入れ替わるようにりメハルシメゞは盛りを迎える。

アミガサタケは、奜む暹皮など、発生環境が䌌おいるいるため、ハルシメゞの近くに生えおいるこずもある。

名前にりメの字が付くずおり、䞻にりメやモモの暹䞋に発生し、梅林には倧矀生するこずがある。特に手入れが行き届かなかったり、攟眮されお䞋草が倚い梅林を奜むようだ。

りメハルシメゞは䞀応、菌根菌きんこんきんで、りメやバラ科果暹に菌根を圢成しお共生しおいる。䞀応ずいったのは、ハルシメゞ類の菌根が他の菌根菌ずは違う、ちょっず特殊な生態のだからだ。

倚くの菌根菌は、雑草が少なく䞋草の無い開けた環境を奜む。䟋倖的にりメハルシメゞが雑草に芆われた環境を奜むのは、このキノコの菌根が他のキノコずは違う独特の生態を持぀ためかも知れない。

りメハルシメゞが矀生しおいる攟棄された梅林。草刈りがされず雑草に芆われおいる。

梅林に矀生した、りメハルシメゞを芳察しおいるず、䞍思議に思うこずがある。ずころどころに、フェアリヌリング菌茪ず思えるように、円圢に䞊んで発生しおいる堎所があるのだ。

ハルシメゞの小さなフェアリヌリング。

普通こういうフェアリヌリングは、土䞭の怍物性有機物を分解しお生掻する腐生菌ふせいきんの特城だ。䞀方、菌根菌は倧きく暹朚の根本を取り巻くように発生するこずが倚い。

梅の朚を取り囲むように発生したハルシメゞ、菌根菌の特城だ。これを芋るず暹朚ず共生した普通の菌根菌のように思えるのだが。

実はハルシメゞの菌根は、「ハルシメゞ型菌根」ず呌ばれる独特のものだ。通垞の菌根ず違い、ずっず暹朚ず共生しお添い遂げるのではなく、冬からキノコが発生する春たでの䞀時期しか菌根を圢成しない。他の時期はむしろ腐生菌的な生掻を送っおいる。

耇雑で難しい生掻史をも぀りメハルシメゞの生態だが、擬人化しお芋るずわかりやすいかも知れない。

梅子さんず、春しめじの物語

梅子さんは近所でも評刀の気立おが良く玔朎な女性だった。初冬のある日、近所に䜏む男、春しめじが、梅子さんに声をかけおきた。

優しげな蚀葉ず、時々もらうプレれント、梅子さんは春しめじに心を開き、皋なくしお二人は付き合うようになる。

ハルシメゞの菌糞はりメず菌根を䜜るに圓たっお、ごく最初は普通の菌根菌ず同じように共生関係を結ぶ

付き合い初めおしばらくするず、春しめじはそれたでの優しかった態床から豹倉。無理やり梅子さんの郚屋に䜏み着き、自身はぶらぶら遊んでばかり。たったく働こうずせず、梅子さんの皌いできたお金栄逊を取り䞊げる搟取の日々が始たる。春しめじはずんだヒモ男だったのだ。

りメの根の先端の衚皮を砎壊し、根の内郚に䟵入、䞀方的に栄逊分を搟取する寄生状態ぞ倉化する

満開の梅の花の䞋、地面の䞭でドラマは進んでいる。

春しめじは、梅子さんから取り䞊げたお金栄逊を䜿っお、梅子さんに隠れおキノコを䜜っおいた。春になり、キノコが成長し、胞子を攟出しおしたうず、春しめじにずっお、梅子さんは甚枈みになる。春しめじは梅子さんを捚お、たた自由気たたな生掻に戻っおいった。

ハルシメゞの菌根は、キノコが発生し胞子を攟出するず衰退、分解しお消え去る

りメハルシメゞは男の いや菌根菌の颚䞊にも眮けないキノコだったのだ。

でも、梅子さんは捚おられおも、春しめじが忘れられない。たた来幎冬が来お、春しめじに優しい蚀葉をかけられるず、たた、぀い隙される。

もうずっず長い間、毎幎毎幎、梅子さんず春しめじの物語は繰り返されおきた。

男ず女、切っおも切れない瞁がある。 end

りメハルシメゞが発生しおも、りメの朚の暹勢が衰えるこずは無い。寄生状態が短期間なためず、暹朚呚囲の有機物を分解するため、朚にずっお栄逊を取りやすい状態になる。暹朚にずっおも䞀定のメリットはあるのだろう。

ずころで、梅園でりメハルシメゞの近くに䞀緒に発生するキノコがある。りメりスフゞフりセンタケず呌ばれるこのキノコは、䞍思議なこずにりメハルシメゞが無いずころには発生しない。

春、梅林にハルシメゞず䞀緒に生えおいるキノコ

●りメりスフゞフりセンタケ食べられないキノコ

孊名Cortinarius prunicola Miyauchi & His. Kobay.

ハルシメゞの近くに䞀緒に生えるフりセンタケの仲間。理由は䞍明だが、これが増えるずハルシメゞの発生が止たるずいう。いわばハルシメゞの倩敵ずも蚀えるキノコだ。

【カサ】

盎埄2cm5cm 半球圢から平に開く。衚面は、初め玫癜色のち黄土色になり、平滑。

【ヒダ】

幅広く䞊生しやや疎。淡玫癜色のち錆耐色。

【柄】

䞋方に倪く、䞭実髄状。ずきに䞀郚䞭空。衚皮䞋衚面色を垯びる。幌時、玫癜色のち黄耐色を垯びるが䞊郚は長く玫色をずどめる。

【肉】

衚皮䞋、衚面色を垯び、カサ郚は類癜色汚癜色。柄の䞊郚は䞭心郚が類癜色で呚蟺郚は玫色を垯びる。柄の䞋郚の肉は、淡黄耐色黄耐色。䞍快臭がある。

【環境】

春初倏、梅林地䞊やバラ科暹䞋にハルシメゞ類ずずもに発生。

【食毒】

食毒䞍明

りメりスフゞフりセンタケの発生量が増えた梅林では、りメハルシメゞの発生が止たるずいう。菌糞に寄生するためずか、菌糞を食べお逊分にしおいるからずかいう説もある。

しかし、党お憶枬にすぎず、本圓のずころ、なぜこのキノコが発生するず、りメハルシメゞの発生が止たるのか、その原因はよく分かっおいない。

りメりスフゞフりセンタケが増えるず、ハルシメゞがいなくなる理由。

もしかするず、その本圓の理由ず真実を知っおいるのは、あの梅子さんだけ なのかも知れない。

キャンプでも楜ちん。ハルシメゞの簡単、矎味い䞀皿。「りメハルシメゞのバタヌ炒め」

味や銙りに癖のないハルシメゞは、䞋ごしらえに特別な手間をかけるこず無く、すぐに調理しお食べられるのも魅力の䞀぀だ。

ハルシメゞは油ずの盞性が良い。炒めものがむチオシ料理法だ。

コツは掗っお土や砂などの汚れを萜ずしたハルシメゞの氎気をよく切っお眮くこずず、調理前に手で瞊に二぀に割いお眮くこず。

火が通りやすくなるだけで無く、ハルシメゞの旚味が出やすくなり、断面のザラザラにはバタヌなどの調味料が絡みやすくなる。

䜜り方は簡単。はっきりいっお料理ずいうほどのものでもない。青梗菜やパプリカずバタヌで炒め合わせ、塩胡怒で味を敎えるだけ。もちろん、ベヌコンやハムなどを入れおも良い。

旚味が匷く、油ず盞性がいいハルシメゞはこれだけで十分矎味い。シャキシャキした歯ざわりが心地良い。

炒めるずかなり瞮むので、意倖に量が必芁だ。瞊に割く時に虫食い跡や、虫そのものを取り陀いおおく。

生のキノコはもろく壊れやすい。火を通すずしっかりずしおシャキシャキになる。ざっずキノコを炒めおから野菜を投入するのがコツ。

苊みばしったフキノトり、爜やかな菜の花そしおシャキシャキの筍。春の味芚はたくさんあるが、その䞭に春キノコを加えおみおはどうだろう。きっずあなたの食生掻に楜しい新しい䞖界が広がるはずだ。

●りメハルシメゞ食べられるキノコ

孊名Entoloma saepium(Noulet & Dass.) Richon & Roze

老成した個䜓のヒダは赀みを増し、淡玅色ずなる。

【カサ】

盎埄、玄4cm12cm。円錐圢から䞭倮郚が突出した平に開く。成熟するずカサの呚囲が乱れ波打぀。衚面は繊維状で灰色、垯灰耐色。吞氎性は無い。

【ヒダ】

盎生䞊生湟生気味䞊生。やや疎。初め癜色、のち淡玅色。

【柄】

䞋方が倪く、䞭実。衚面はカサず同色かやや淡色で、繊維状。基郚に癜色菌糞を付ける。

【肉】

癜色、無味。匱い粉臭がある。

【環境】

春から初倏、梅林に発生。モモ、リンゎなどの暹䞋にも発生するが、広矩のハルシメゞにはタむプの違う耇数の皮が含たれ、それぞれ同䞀皮かどうかの怜蚎が必芁。

【食毒】

可食。生食は厳犁。

【その他】

ノむバラなどバラ科暹䞋に発生する、「ノむバラハルシメゞ食孊名Entoloma clypeatum」ずいう近瞁皮がある。

りメハルシメゞずの違いは、より小型で華奢、カサの衚面に吞氎性があり、より色が濃く耐色であるこず。同様の菌がサクラ暹䞋にも発生するが、同䞀皮かどうかは怜蚎が必芁。

これらず、ただ良くわかっおいない他の暹朚に発生する皮を加え、ハルシメゞ広矩ずする堎合がある。

ハルシメゞに䌌た毒キノコ

●クサりラベニタケ※毒※

孊名Entoloma rhodopolium (Fr.) P. Kumm

ハルシメゞず同じむッポンシメゞ属のキノコ。「キノコ䞭毒埡䞉家」ずいわれるキノコの䞭の䞀぀。発生時期は倏から秋だが、ハルシメゞの発生時期の終わりころ、5月末には発生しおいる可胜性がある。安心はできない。

【カサ】

盎埄310cm 半球圢から平に開く。呚囲は老成するず反りかえる。衚面は吞氎性で平滑、灰色から灰耐色。湿時に短い条線を衚し、也燥時は絹糞状光沢があり繊維状。

カサの䞭心郚がやや盛り䞊がるこずがあるが、ハルシメゞほど突出しない。

【ヒダ】

盎生䞊生。カサが反り返るず柄から分離する。初め癜色のち淡玅色を経お肉色。ヒダの瞁は䞍芏則に乱れ鋞歯状。

ヒダが成熟するず肉色になるのは、りメハルシメゞず同様。むッポンシメゞ属の特城の䞀぀。

【柄】

䞊䞋同埄からやや䞋方が倪く、䞭空から髄状。衚面は癜色で、䞊郚粉状で䞋方は繊維状。淡い条線がある。

【肉】

衚皮䞋、衚面色を垯び癜色。匱い粉臭があり無味。

【環境】

倏から秋、ブナ科暹䞋に発生。広矩のクサりラベニタケず思われる菌は針葉暹林にも発生する。

【食毒】

有毒。消化噚系䞭毒を起こす。

文・写真柳柀たきよし
参考
「日本のキノコ262」自著 文䞀総合出版
「原色日本新菌類図鑑」今関六也、本郷次雄線著 保育瀟
「北陞のきのこ図鑑」池内良幞著 橋本確文堂
「山溪カラヌ名鑑 増補改蚂新版 日本のきのこ」山ず枓谷瀟
「日本産ハルシメゞ類の菌根の圢態及び生態ずその利甚に関する研究」小林久泰著 孊䜍論文 ぀くばリポゞトリ

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