
じつは私、今まで日本、オーストラリア、ドバイで見たことがあります。はい、「猛禽類ハンター」ならぬ「猛禽類ショーハンター」。笑
「猛禽類ショー」と言ってもただただトレーナー(訓練士)のまわりを飛び回るものもあれば、観客席に向かって頭上スレスレを飛ぶ大迫力のものもあります。日本国内の「那須どうぶつ王国」のショーは後者で、本当にオススメ!
で、先日は【海外書き人クラブお世話係・柳沢有紀夫の「世界は愉快」】シリーズの取材でヨーロッパのオーストリアに行ってきたのですが、「猛禽類ショーの練習風景」を取材することができました。
そこでいろいろ興味深い話を聞けたので「番外編」として【動物ドッキリクイズ】にしてみました!
ということで、オジロワシに関わるクイズ4問です!

寿命は自然の中では15~16年から20年くらいですが、飼われているものだと30年ぐらい生きる個体もいるのだそうです。
さてこの「動物ドッキリクイズ」、通常は4択問題が多いのですが、第1問は自由回答にしましょう。
第1問 世界で最も速い動物は?
「チーター!」と元気に答えたあなた! はい、わかりますよーその気持ち!
そうです、チーターは「地上」ではいちばん速い動物。でも空に目を向けるともっと早く移動する鳥がいます。それがオジロワシ…というわけではありません。オジロワシはオオワシとともに世界最大級の猛禽類と言われているので、そこまでスピードは出ません。
ではどの鳥が最高速かというと「水平飛行」に限ると「ハリオアマツバメ」で、時速170メートル。でも「垂直降下」を含めると「ハヤブサ」で時速389キロメートル。「チーター」の最高速度が時速120~130キロメートルですからその3倍くらいです。
ただこのハヤブサ、体長が35~50センチメートルくらいと猛禽類の中では小柄なので、ショーで頭上スレスレを飛ばれてもあまり迫力がない。
一方、今回紹介するオジロワシ(「ホワイトテールドイーグル)はデカいので大迫力です。



ちなみに今回訓練を見せてくれたアルバートくんは1歳で、人間で言えば4~5歳といったいたずら盛りなんだとか。スレスレ飛行のふりして金具をぶち当ててきたのはヤンチャだったのかな? 笑
というわけで第2問はオジロワシの大きさは…と言いたいところですが、写真である程度見当がついてしまいますよね。はい、全長は70~100センチメートルで、翼開長(翼を広げた長さ)は180~240センチメートルです。
ほかにフィリピンワシ、アメリカ大陸のオオギワシ、アフリカ大陸のカンムリマタカ、日本を含む東アジアに生息するオオワシも同様の大きさ。ちなみにオジロワシはユーラシア大陸や日本に広く生息しています。
この巨大なオジロワシの体重は果たして?
第2問 大人のオジロワシの体重はどれくらい?
a)1キログラム
b)5キログラム
c)10キログラム
d)20キログラム
「大きい、大きい」と煽りましたが、空を飛ぶ鳥の体重は、その大きさに比して意外と軽いものです。庭などで亡くなっていた野鳥を土に埋めてあげようと手にしたとき、その思わぬ軽さに逆にビクッとしたりします。

というわけで第2問の正解は「b)5キログラム」です。翼開長が人間の背丈ほどもあるのに本当に驚くほど軽いですよね。
ちなみに今回訓練を見せてくれたアルバートくんはまだ成鳥にはなっていないので4キログラム。人間の大きめの新生児レベルでだっこするのもラクラクですから、たいして重くないように思えるかもしれません。

「でも曲げた腕や肩の位置まで上げて腕にずっと乗せていないといけないのですごく大変なんですよ」とのこと。確かに。
第3問 オジロワシはどのくらい上空に上昇できる?
a)100メートル
b)500メートル
c)2000メートル
d)5000メートル


オジロワシは上昇気流に乗ると1000~2000メートル上昇することができるそう。よって正解は「c)2000メートル」です。
このショーの訓練を見せてもらった場所が標高約2000メートルですから、アルバートくんは標高4000メートルくらいのところを飛ぶこともあるんですね。
高山病、ないのかな? ちょっとうらやましい。笑
第4問 1羽のオジロワシを何人のトレーナー(訓練士)が見る?
a)オジロワシが飽きないように5~6人のトレーナーが交代で
b)オジロワシが懐けるように2~3人で
c)あくまでも1対1で
d)特に決まりはない
じつは今回これがいちばん驚いた話。オジロワシだけでなく1羽の猛禽類は1人のトレーナーにしか懐かないのだそうです。つまり正解は「c)あくまでも1対1で」。
いや、「懐く」というよりも彼らは自分たちがボスで、自分がやりたいことを決めるという形なんだとか。いずれにせよ1人のトレーナーとパートナー関係になるということですね。
それでふと気になることがあったので、一つ質問してみました。「もしも自分のトレーナーが不幸にも死んでしまった場合、猛禽類たちはどうなるのですか?」。答えは「鳥にとっても大変な話。だけど少し時間はかかるけれども、また新しいトレーナーとパートナーになることもある」とのこと。ちょっと安心しました。
さてトレーナーのトムに「キミとアルバートと僕で一緒に写真を撮ってもらってもいい?」と聞くと、「アルバート側に立つのは興奮するからダメだけど、僕側ならたぶんだいじょうぶ、たぶん」とのこと。
「たぶん」の連発がきになるところだったのでアルバートに媚を売って「アルバート。僕はトムのベストフレンドなんだよ~」と言ってからフォトグラファー氏(田所優季さん)にスリーショットを撮ってもらいました。

後からトムが「じつはトレーナーが他の鳥とか人と仲良くしていると猛禽類って嫉妬するんだよ」と言い出します。
「えっ、じゃあ。トムのベストフレンドって言葉、逆効果じゃん!」と聞いたら、「うん、そうだけどあなたの髪の毛が気に入ったのかもしれない」とトム。
または「こんなアホにオレ様が負けるわけがない」とアルバートが見切ったからかもしれませんが。
取材協力:MOUNTOPOLIS (THE MAYRHOFNER BERGBAHNEN WORLD OF ADVENTURE)
https://www.mayrhofen.at/en/pages/mountopolis-starting-page-winter
マイヤーホーフェンエリアの「冬のアクティビティ」に特化したサイト。
Mayrhofen-Hippach holiday region
https://www.mayrhofen.at/en/
「夏のアクティビティ」も含むマイヤーホーフェンエリアの総合サイト。
オーストリア観光公式(冬のオーストリア旅行について)
https://www.austria.info/ja/inspiration/skiing-and-winter/
Eagle’s StageAhorn
https://www.mayrhofen.at/en/stories/mountopolis-eagles-stage-ahorn
フィンエアー
https://www.finnair.com/jp-ja
「日本から一番近いヨーロッパ」であるヘルシンキ経由で、欧州約70都市へ。羽田・成田・中部・関空の4空港就航。
写真/田所優季
旅行写真家、トラベル・ライフスタイルライター、ファッションデザイナー。