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「カヤック×ティップランエギング」に挑戦
アオリイカを狙うエギングには、主に2つのスタイルがあるのをご存じでしょうか?岸からの釣り(おかっぱり)で行われる一般的なエギングは、エギをキャスト(投げること)して遠方からアオリイカを誘い出す横の釣りです。対して船釣りで主流となっているのはティップランエギングと呼ばれるスタイルで、おっかぱり用よりも重量のあるエギを沈めて行う縦の釣りとなります。
今回は、そんなティップランエギングをカヤックから行うことにしました。
雨からのスタート

出艇場所に到着してみると、天気予報で覚悟はしていたものの、あいにくの雨模様でした。雨だけでなく万が一雷が発生すると、避雷針の代わりになるものが何もない沖合いでポツンと浮かぶカヤックは大変危険です。雷はない予報でしたが、ひとまず出艇場所から大きく離れずに、すぐに帰着できる距離でティップランエギングを始めることにしました。
水深10mもない浅場で魚探(魚群探知機)に反応もありませんでしたが、投入したエギをシャクって(ロッドを上下に動かしてルアーをアピールする動作)風任せでカヤック流していると……エギをグッと掴む感触が手元に伝わるとともにロッドのティップ(先端部)が曲がり込み、アオリイカが食いつきました! 特に魚探に反応が出ていたわけではなく釣れたことに少々驚きましたが、1匹で放浪していたアオリイカが食いついたのでしょうか?。
さっそくアオリイカが釣れる!

ちなみに、おかっぱりよりも遥かに重量のあるエギを使用するティップランエギングは、ラインに強いテンションがかかり続け、それによりロッドのティップは常にわずかに曲がり込んだ状態になります。アオリイカがエギを掴んで後退することでティップがさらに曲がり込んだり、逆に前進してくることでラインテンションが抜けてティップが上に振れたりといった具合に、アオリイカのアタリを視覚的に見極めることができます。
ティップの動作(ラン)でアタリを捉えることから、ティップランエギングというわけです。
雨があがり沖合いへ

予報通り雨があがったタイミングで、少し沖合いの水深15m~20m前後の海域まで向かってみることにしました。アオリイカは根(海底の岩礁帯など)の周辺を好むため、魚探に海底地形の変化が映るポイントを探して回りますが、どこも平坦で砂地と思われる地形ばかりです。アオリイカが不振に終わることも想定し、ワラサやブリを狙うジギングタックルも持ち合わせていたのですが、狙いは1本に絞ることが好釣果を出すコツと考えています。
そんななか、魚探に何らかの反応が映り、その正体がアオリイカか不明ですが、エギングで誘い出してみることにします。
立て続けに釣れるアオリイカ!

20mの水深の底までエギを沈めて5回ほどシャクった後漂わせていると、またもやティップがグッと曲がり込みアオリイカが食いつきました! 魚探に映った反応はアオリイカそのものではなくベイト(小魚など)の可能性もありますが、アオリイカが釣れてくれたのでエギングをして正解だったようです。釣れたアオリイカのやり取りや締め作業としているうちにカヤックが流されるため、ひと段落したらGPSを頼りに釣れたスポットまで漕いで戻り、再びエギを投入します。

エギを沈めている途中でフッとラインの放出が止まったことで咄嗟に体が反応し、アワセてみると、またもやアオリイカが食いついていました!

シャクることでエギをアオリイカにアピールするテクニックが主流となっているエギングですが、ただ沈めているだけで食いついてくるとは、かなり活性(捕食行動などへの魚のやる気)が高いと見受けられます。
昼前で上がることに

この後もアオリイカは釣れ続け、エギをグッと掴むようなアタリ、フッとラインテンションが抜けるアタリ、ラインの放出が止まったり加速したりと、ありとあらゆるアオリイカのアタリがありました。ティップランエギングの初心者ながら、大変良い経験をすることができました。
そして、この日は釣り仲間との釣行ということもあり、釣りを終えたあとの食事と反省会は欠かせません。釣りを続ければもっと釣果を伸ばせたと思いますが、昼前に上がって片付けを済ませて近所の飲食店に向かうことにしました。
カヤックフィッシングの魅力
今回、釣りを始めた直後は雨に打たれながらの釣りでしたが、むしろ独特の静けさと雨音に癒された釣りとなりました。釣果の期待がおかっぱりよりも大きいだけでなく、混雑を回避して釣りを行えるカヤックフィッシング、いかがですか?







