
夏に見られる雲&肉眼で見える星をご紹介
私が解説します!
気象予報士
菊池真以さん

テレビ出演のほか、空の写真家として、美しい雲や珍しい雲の写真を雑誌や書籍で紹介。著書に『ときめく雲図鑑』(山と溪谷社)など。「形や高さ、色の変化を見てね」。
難易度別・夏に見られる「ときめく雲」
夏は強い日差しによって上昇気流が起こり、入道雲が発生しやすくなる。かなとこ雲と降水雲も入道雲の一種。「入道雲は変化が速いのが見どころで、20分くらいでどんどん大きくなります。スマホのタイムラプスで撮影するのもおすすめです」。ただし、大雨の兆しでもあるので、川遊びのときなどはすぐに避難しよう。
難易度3 レンズ雲
風が山などにぶつかって、上下に波打ったときにでる雲。長く伸びるときれい。左端は彩雲に。
難易度2 降水雲
太い"雨柱"が大迫力。町中だと建物に遮られて見えないので、海や高原ならではの楽しみです。
難易度2 かなとこ雲
名前は鍛冶の金床に由来。上部は雲ができる限界の高さ(対流圏の頂上)なので水平に広がる。
難易度2 彩雲
太陽光が雲の粒にぶつかり、色分かれすると見られる。雲が太陽のそばを通るときがチャンス!
難易度1 入道雲
"雲の峰"とも呼ばれ、山と同じく、一座、二座と数えます。勢いよく成長する姿が魅力です。
望遠鏡は不要! 肉眼で星を見るコツ
国立天文台によると一部を拡大する双眼鏡や望遠鏡と違い、空全体を眺められるのが肉眼の魅力だという。観察日時にどのような星座が見えるか、事前に星座早見盤やスマホアプリで調べておくと探しやすくなる。また、目を暗闇に慣らすとよく見える。7月頭の日の出前は火星と木星が月に接近して見ごたえあり。お盆前はペルセウス座流星群の活動が極大になるので注目だ。
肉眼観察の3か条
1 事前に見られる天体を調べておく
2 10分以上照明やスマホを見ない
3 流星群を狙う
7月
7月上旬の火星は1等級の明るさで、特徴的な赤い色がよくわかる。
8月
ぺルセウス座流星群と放射点
2024年 8月13日
午前3時頃
東京の星空
放射点から放射状に空全体に現われる。
広い範囲に目配りを
8/11-13の深夜から未明がチャンス!
12日23時頃に極大。暗い場所なら放射点が高くなる3時頃に、1時間に40個ほどが期待される。
ペルセウス座流星群
三大流星群のひとつ。毎年見られる流星群のなかでも1、2を争うほど、多くの流星を見ることができる。
※構成/大塚真(DECO) 写真/雲:菊池真以(山と溪谷社『ときめく雲図鑑』より) 星:国立天文台
(BE-PAL 2024年7月号より)