目指せ、ゴミ0生活! お笑い清掃団がプランクBBQにチャレンジ
清掃団・団長
マシンガンズ・滝沢秀一さん
芸人活動の傍らゴミ収集員としても活動。プロの目でゴミ問題を発信し続け人気に。環境省のSDGs関連の広報大使に就任。著書に『ゴミ清掃員の日常』など多数。
清掃団・焚き火担当
ポメラン・手塚ジャスティスさん
お笑いコンビ「ポメラン」のひとり。最近焚き火に目覚め、薪割りについて勉強中。特技はアゴで板を割ること。
清掃団・お片付け担当
柴田賢佑さん
芸人活動の傍ら、遺品整理・ゴミ屋敷片付け員としても活動。プロのお掃除人としてSNSなどで情報を発信中。書籍『ごみ屋敷ワンダーランド』(白夜書房)6月28日発売予定。
バイオ炭は究極の循環エネルギー
炭が地球を救う。これ、夢物語じゃないんです。
今、地球温暖化を防ぐCO2削減のカギが「バイオ炭」にあると、世界中で炭の科学的研究が進められているのだ。
バイオ炭とは木や食品ロスなどの生物資源を炭化したもの。BBQで使われる木炭もバイオ炭。ほかに家畜糞尿や、もみ殻などを炭化したものもある。
木などに含まれる炭素は、伐採されて放置すると微生物の活動により分解され、二酸化炭素として大気に放出されてしまう。それにより温室効果ガスが増加し地球温暖化につながる。
一方で、木を炭化させ炭にすると、炭素が炭の中に閉じ込められ、CO2放出量が格段に減るのだ。最近の研究では放置木や廃棄物を炭にすると、今後100年間、地球全体の温室効果ガス排出量をなんと、3~7%も封じ込められることがわかってきた。
炭を燃料として使っても、カーボンニュートラル(①)でCO2放出も少ない。さらに炭は脱臭、調湿、水質浄化、土壌の改良にも優れている。炭を農業の土壌改良に使うと、炭素が土壌に閉じ込められ、大気中への放出を一層減らすことができるという。
バイオ炭は、究極の循環エネルギーなのだ。
「ってことは俺たちがやってるBBQも、地球温暖化防止に一役かっているんだ!」とBBQ好きお笑い芸人の柴田賢佑さんと手塚ジャスティスさん。
そこで今回は炭を効率よく使える「プランクBBQ」を紹介。プランクBBQとは板(プランク)を使ったBBQで、欧米ではポピュラーな料理法だ。作り方はいたって簡単。板を水や酒に漬けて水分を含ませ、それに食材をのせてバーベキューグリルで蒸し焼きにするだけ。
プランク用の板はスギやサクラなどの廃棄対象の間伐材。洗えば何度でも使えて最後は薪にできる。少量の炭で調理できるエコなBBQだ。
で、そのお味は……?
「木の香りが食材に染みて、表面パリッと、中はジューシーで激ウマ! これ、ハマります!」
①カーボンニュートラルとは、薪などの植物由来の燃料を燃やすとCO2が排出されるが、
植物が成長する過程で同じ量のCO2を吸収するので中立となり、地球温暖化に影響を与えないという考え方。
数分で着火できるよ
炭おこし器といえば、日本が誇る「七輪」。簡単に炭がおこせて料理もできる便利グリルで、イチ推しだ。
今回チャレンジしたのは、豚肉の香草焼きとレモン風味のサーモン・グリル、シーフードミックス・グリルの3品。大成功!
塩コショウして食べよう
レモン風味のサーモン・グリル。1時間ほど水に漬けたプランク(板)にサーモンとレモンを乗せて炭火で焼けば完成。
素早く炭をおこすコツ
炭には堅いカシなどの備長炭や、おがくずなどを固めたオガ炭などさまざまな種類がある。それぞれの特性に合わせて火付けするのがコツだ。
用意するもの
炭
木炭にはナラ・クヌギなどの黒炭、カシやナラなど堅い白炭や備長炭、廃棄植物の圧縮炭にはおがくずやココナッツなどがある。
着火材
BBQの炭の着火材には健康面を考えて100%天然材がオススメ。マツボックリ、竹、ファットウッド(マツ芯)、おがくずなどがある。
火おこし器
黒炭は七輪を使えばすぐに着火できる。硬い白炭、備長炭などは専用のBBQ用火おこし器がオススメ。炭の特性によって使い分けよう。
意外と簡単に火がついた
黒炭を七輪で火おこし。七輪の空気口を開け、マツ葉、マツボックリ、ファットウッドの順番で入れて点火すると一瞬で火がつく。
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着火したらあとは炭をのせるだけ。数十分すれば勝手に炭火がおきる。この炭をグリルなどに入れ替え使う。
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燃え残った炭は必ず火消し壺に入れて保管すること。次回のBBQのときに再度利用しよう。
自然に優しいプランクBBQ
森の木々を守る間伐(森林成長のために行なう樹木の伐採)。この廃棄される間伐材のプランク(板)に食材をのせ調理。簡単で美味しく森を守れるBBQだ。
用意するもの
BBQ用板
プランクBBQ用の板には、スギ、サクラ、ヒノキなどさまざま。燻製同様、それぞれ香りが楽しめる。インターネット通販で購入可。
ふた
食材に木の香りづけするには、効率よく熱と煙を回して焼く必要がある。そこで必要なのが「ふた」だ(②)。
②写真はステーキ用のふた。アルミホイルで食材を巻くと熱や煙が
効率よく回らず、ゴミになるので、「ふた」がオススメ。
七輪などでおこした炭をBBQグリルなどに置く。ふたを被せれば少量の炭で調理でき環境にも優しい。
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約1時間水や酒に漬けたプランクの表面の水分を拭いて、油をぬり食材を置く。ふたをして約30分で完成。
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肉類は塩コショウをして、ローズマリーなどの香草をのせて焼くと美味しい。ホタテやエビなどの海鮮もプランクBBQ向き。
※構成/松浦裕子 撮影/茶山 浩
(BE-PAL 2024年7月号より)