メキシコのコロナド島で体験した「灼熱ハイキング」をご紹介! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.02.15

    メキシコのコロナド島で体験した「灼熱ハイキング」をご紹介!

    みなさん、こんにちは。セーリングヨットSANTANAで世界一周中、前田家の麻裕です。
    今回は、前々回の記事でご紹介したコルテス海の歴史溢れる街、ロレトから程近い自然の楽園、コロナド島で体験した『灼熱ハイキング』の様子をお送りします。

    標高280mのコロナド山へ

    ロレト周辺にはナショナルパーク及びユネスコ世界遺産に登録されている美しい島々が点在しています。今回前田家が訪れたコロナド島は、ロレトからモーターボートなら30分ほどで気軽にアクセス可能。カリブ海サイドの一大リゾート地、カンクンエリアにも引けを取らない程の美しいビーチに加え、豊かな自然環境は足を伸ばして訪れる価値ありです。

    コロナド島では美しいビーチを満喫するだけでなく、シュノーケリング、ダイビング、フィッシングなどのマリンアクティビティに加え、標高928mのコロナド山周辺及び山頂へのハイキングも人気を集めています。コースは気軽にトライできるビーチ周辺のショートコースと、山頂までの中級コースの2種。今回私たちは、息子の希望もあり山頂を目指すことにしました。約5キロ、目安時間は23時間ということで、息子にとって(運動不足な母にとっても)良いチャレンジになりそうです。

    今回のハイキングコースはこちら

    https://www.alltrails.com/trail/mexico/baja-california-sur/volcan-coronado

     

    いざ山頂を目指してスタート

    山を歩く子供たち

    ステッキになりそうな枝を発見。この枝がのちにとても役に立つことに。

    ウォーキングコース

    珊瑚や小石で両側を囲まれた可愛らしいウォーキングコースは、地元の方の協力によるものだそう。感謝しながら進む。

    ボードウォーク

    きれいに整備されたボードウォークをスイスイと進む。快適、快適。

    登り始めて、これなら楽勝と思ったのもの束の間、行く手には岩がゴロゴロと足場を埋め尽くす灼熱溶岩地獄が現れました。

    豹変する地表

    道はどこへ!? さっきまでの余裕が一気に吹き飛ぶ。

    足場の悪さと熱気で瞬間的に気力を奪われ、しばらく行ったところで暑さが大の苦手な娘が早々にリタイア宣言。

    「助かった〜!」と言わんばかりに娘と共にそそくさと引き返す夫を横目に、この先は息子と二人で進むことになりました。

    確かにこの暑さではハイキングよりもビーチで水浴びの方がどう考えても賢明な選択という気もしますが、今日の私達はこの先にある達成感を求めて進むのです(と、自分を励ますしかない)。

    せっせと登る子供

    珍しく口ではなく足を動かす息子。

    植物

    ハイキングコースではバラエティに富んだ植物が見られる。ただ、休憩時にうっかり腰を下ろすと危険。

    この時期は暑すぎてあまり歩く人もいないのか、コースを間違えているのか……。伸び過ぎた草が足元を埋め尽くしている場所に差し掛かりました。

    目印のケルン

    ちょっと不安になりつつ目印のケルン(石積み)を頼りに進んでいく。

    足元に注意なもうひとつの理由

    しばらく行くと先に出発していた、お隣に停泊中のご夫婦とすれ違いました。この方々は、夜明け前に出発し山頂で日の出を拝み、比較的涼しい午前中にはヨットに戻って冷たいビールで乾杯、という素晴らしいハイキングプランだったのです。まだまだコースの序盤にいる私たちにとっては、眩しいほどの余裕が感じられました。

    挨拶を交わしたあと、ご主人は首から下げたカメラを差し出し、興奮気味に数枚の写真を見せてくれました。

    そこにはなんと、図鑑や動物園でしか見たことのないような鮮やかな大型のヘビの姿が……。コロナド島には夜行性、昼行性を含む数種類のヘビが生息しており、夜明け前は夜行性の種が巣穴に戻る時間帯のため遭遇率が高いと言う話は聞いましたが、フィルター越しとは言え実際にその姿を目の当たりにすると、「灼熱溶岩地獄も相当辛いけど、ヘビに怯えて歩くよりはマシだったかな……」とチラリと元気が湧いてくるのでした。

    日中は遭遇率が低いとされていますが、ご夫婦と別れ際に「昼間活動している種類もいるから気をつけてね〜」と洒落にならないアドバイスをいただく。それは恐らくバハ・カリフォルニアからカリフォルニア州南西部に生息するレッドダイアモンドガラガラヘビ、もしくはバハ・カリフォルニアガラガラヘビのこと。いずれも毒ヘビです。これ以降はヘビ避けのために、ドラマーの高速打ちのように周りの岩をカンカンカンッと激しく打ち鳴らしながら進みました。

    コロナド島には数種類のヘビを含む珍しい16種類の爬虫類が生息していると言われています。個人的には鉢合わせたら卒倒レベルですが、爬虫類好きな方には興味をそそられる環境ではないでしょうか。

    ヘビといえば、息子は保育園に通っていた頃、自分をヘビだと思い込んでいる時期がありました。毛のないツルッとした見た目に近づくために、生まれて初めて坊主にしてみたところ、伸びてきた髪はそれまでのサラサラのストレートからは想像できないような癖毛へと変わっていた、ということがありました。ヘビにはなれなかったけど、代わりに生涯パーマいらずの強力癖毛を手に入れた息子(笑)。

    今ではかつてほどの爬虫類愛は感じられませんが、一時的であっても子供の情熱の凄まじさ、謎の方向性に驚かされたことを懐かしく思い出しました。

    いよいよ山頂へ!

    ついに最後の難関、砂地の急傾斜を登り終えると、風が吹き抜ける爽やかな山頂が見えてきました。

    山頂

    眼下にはカリフォルニア湾、後方には荒涼とした大地を望む絶景が広がる。

    「あー、爽快~!」海の上も良いけれど、この種の気持ちよさは山の上ならでは。

    ベタベタと不快だった汗も、山頂の風に吹かれた途端、ここまでの頑張りを示す勲章のような気がしてくるので不思議なものです。

    指差す子供

    山頂までの道のりを振り返る息子。その表情は心なしか自信に溢れている!?

    しばらく山頂で休憩している間にいよいよ日が高くなり、足元の溶岩は厚切りのステーキがじゅうじゅうと音を立てて焼けそうなほどの熱さになってきました。

    早く戻らないと人間BBQになってしまう……。メキシコの夏の暑さをなめていたのは私だけだと証明するかのように、誰もいません。

    道を倍速で戻ります。

    あまりの暑さに永遠にも感じられましたが、水筒の水を全て汗に変え、やっとの思いでゴール地点のビーチへ。

    ビーチへ

    ビーチを眺めながら達成感を味わう息子。

    母の方は体内の水分量が高野豆腐と限りなく近くなっていため、達成感に浸る余裕もなく服のまま海へ飛び込みました。

    水に浸かる

    透き通った冷たい水の感触が疲れた体に染み渡り、軟体動物になったように気持ちも体もほぐれる。

    アウトドアで小さな成功を積み上げる

    普段は”超”がつくほどビビリの息子ですが、頂上では自信に溢れた表情を見ることができ、小さな、でも確実な成長を感じられた瞬間でした。

    子供は「無理」なことは嫌いだけど「ちょっと難しい」ことには挑戦してみたい、いつでもそんな気持ちを持っている気がします。

    BE-PALの読者の皆様には言わずもがなですが、アウトドア体験はそんな小さな冒険者たちのチャレンジ精神に応えてくれる、頼もしい存在ですよね。

    そして、普段の生活では見逃しがちな子供の成長を一緒に体感できる、そんなメリットがあるなあと改めて感じたのでした。

    息子の「ちょっと難しい挑戦」が母の体力の限界を超える日はそう遠くないような気がしてなりませんが、ひとまずカラカラに干からびた体を冷えたメキシカンビールで潤し、次なる挑戦に備えることにします!

    ボートの中

    ボートに戻ると、蛇口から滴るわずかな水に無数の蜂が群がっていた。どうやら乾いていたのは人間だけではないらしい。

    今回のような真夏のハイキング、賢明な読者のみなさまには早朝や夕方など涼しい時間帯を全力でおすすめします(笑)。

    それでは、また次回。

    ロレトからコロナド島へのツアーはこちら

    https://www.toursloreto.com/all-tours/coronado/

     

    私が書きました!
    旅する一家
    前田家

    4歳の娘と6歳の息子を連れて、セーリングヨットSANTANAで放浪中の4人家族。2022年3月、カリフォルニアを出航。寄り道をしながらゆっくりと世界一周を目指します。海の上でサステナブルな暮らしを模索中。
    Instagram:@svsantanajp
    YouTube:https://www.youtube.com/@sailingsantana

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