旅先でまさかの雨。それでも家族で楽しめる全天候型施設「クライミングパーク神怡舘」を満喫 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.11.26

    旅先でまさかの雨。それでも家族で楽しめる全天候型施設「クライミングパーク神怡舘」を満喫

    クライミングパーク神怡舘のインドアクライミングウォール

    旅先の雨の日に、うってつけの場所を見つけました。

    神がかっているとさえ思ったステキな出逢い

    旅先の雨。しっとりと濡れそぼる日本の美しい自然に癒される…。
    な~んて悠長なこといっていられないドタバタ高齢育児中の私です。10歳のマイペースな長男と元気すぎる5歳の次男の母であります。キャンピングカーは普通のクルマよりも広いとはいえ、ワンルームより狭い車内。そんな「密」な空間で雨の旅先、エネルギッシュな息子たち。スグに喧嘩を始める「一触即発」な彼らをどう発散させるかが課題となるのです。晴れていたら安全確認、「さぁ行ってこい!」と野に放てばいいのですが、雨の日はまるで罰ゲームです(笑)。

    ちょうどそんな雨降りの日に、偶然にも見つけた施設があります。場所は埼玉県小鹿野町。奥秩父にある山間の町にひっそりと佇む「クライミングパーク神怡舘(しんいかん)」です。

    ここはどこ!? 中国の歴史深い佇まいに圧倒される

    クライミングパークの外観

    クライミングパークに到着したのですが…。

    神怡舘の看板

    いきなり現われたのが、中国の寺院風の建物でした。

    この建物は、埼玉県と中国山西省との友好県省締結を記念して1992年に開館した「県山西省友好記念館」だったそうです。

    雨に煙った山々と施設の建物

    雨に煙った山々は、まるで山水画のよう。

    もともとここには山西省から送られた仏像や絵画などを展示していたそうですが、採算が取れず2018年閉館。県は当初、施設の解体や民間企業への売却も検討していたそうですが、「地元の象徴だから残して!」という近隣の人々の熱い声を受け、町が施設を引き受けることになったとか。

    建物の中に見えるクライミングウォール

    クライミングウォールが見えてきました。うん、ここで間違いない(笑)。

    この界隈には、日本百名山のひとつである「両神山」があり、そこには「イザナギ」「イザナミ」の神を祭る両神神社が鎮座。古くから信仰を集める霊峰で、登山客にも人気があります。また、小鹿野町にはロッククライミングの聖地である「二子山」があり、日本のみならず世界からも多くのクライマーが訪れるそうです。

    2021年に行なわれた東京五輪では、スポーツクライミングが初めて正式種目になり、以降、愛好家も増加したとのこと。神怡舘は、悪天候で山に登ることができないクライマーや登山客の利用を想定したインドアクライミング施設として、2020年7月に改修、スタートしたそうです。

    手ぶらでOK

    レンタルシューズの棚

    レンタルシューズは1日300円。

    靴下や裸足では利用できません。必ずクライミングシューズを履きましょう。

    クライミングシューズを履く筆者

    足にビニールをかぶせてからシューズを履きます。足に密着したシューズの構造ゆえに履き心地は、ちょっとキツめです。

    どうしても使わなければいけないのはシューズだけで、あとは動きやすい服装であれば誰でも利用することができます。あとでくわしく書きますが、未就学児用のウォールもあります。爪は長いと剥がれる恐れがあるので事前に短くカット、指輪などアクセサリー類も外した方が安全です。館内には無料のロッカールーム、休憩室、キッズスペースもありました。

    ルールは簡単

    ボルダリンググレード

    テープの色によって難易度が異なります。初心者向けはピンク。7級のオレンジになると急に難しくなります。

    文章で説明するより、実際にやってみるのがわかりやすいと思いますが、簡単にいうと、クライミングは「同じ色のホールドをつかんで、よじ登って、てっぺんまで行く」、という単純明快なスポーツです。

    頂点のゴールをつかむ子ども

    一番てっぺんの「ゴールホールド」を両手でつかんだら完登。

    東京五輪でクライミング競技の解説をした「世界の平山ユージ」と呼ばれるプロクライマー平山さん。彼が神怡舘のオープンにも携わったそうです。クライミングウォールは、横幅35m、高さ約4.5mの本格的な規模。平山さんが定期的にルートの設定もしているとか。

    また、18時以降は500円で利用できるので、仕事帰りにジム感覚で利用する人も多いそうです。なかには毎日のようにやって来て、最初は細身だった体型が、瞬く間にムキムキの細マッチョになったケースもあるそうです。

    クライミングに挑戦する筆者

    右にずれるにつれて壁のレベルが上がります。ヒー!

    そそり立つウォール。痙攣する手足。歯が立たないとはこのことです。何気にこういう遊び大好きです。めちゃ楽しい!

    クライミングの魅力とは?

    親子で楽しむ様子

    長男は運動がもともと苦手ですが、彼が楽しんでいたのはとても意外。

    地元の小中学生が放課後に登りに来ることもあるそうです。また、周辺の中学校では、体育の授業でも年に一度は、この施設でクライミングをするとか。近い将来、小鹿野町から金メダリストが生まれたりして。贅沢なシチュエーションゆえに、将来が楽しみですね。

    スタッフさんの指導風景

    スタッフさんが手取り足取り丁寧に教えてくれました。

    クライミングのおもしろいところは、運動神経のある子どもが決して得意なわけではないということ。ほかの体育の授業でまったく注目を浴びなかった子が、クライミングが得意だったりすることもあるそうです。このスポーツを通して性格が明るくなった、というステキなエピソードも教えていただきました。

    実はうちの長男も、足が遅い、力も弱い、でも絵はうまかったりします。要はガチの文系なのですが、意外にもクライミングは楽しんでいました。

    クライミングを楽しむ長男

    家族みんなで一緒のスポーツを満喫しました。

    2023年の夏休みにはこの施設で「クライミングアクセサリーづくり体験イベント」が開催されたそうです。ホールドは通常「樹脂」で作られていますが、地元の小鹿野町産の廃材を使った木製ホールドを製作したとか。いい夏休みの思い出になりましたね。

    筋肉痛がないか確認する筆者

    明日の筋肉痛、怖~(笑)。

    大雨に見舞われた旅先で、午前中のアクティビティとして1時間半をがっつりと楽しめました!

    完登するたびに、長男とふたりでゲラゲラ笑いながらハイタッチ。しかし翌日はすさまじい筋肉痛に。「嘘でしょ」というくらい、あちこちが痛かったです。自分の重さを持ち上げるわけだからそうなりますよね。

    未就学児も楽しめるキッズウォール

    キッズウォール

    同じ室内には未就学児が楽しめる「キッズウォール」もありました。

    クライミングする次男

    ルールは大人と同じです。ミスター筋肉さん、お好きなだけ発散するがよい。

    今回、次男は未就学児ということでキッズウォールで遊びました。つい最近までボルダリングクラブに所属していた彼なので、ちょっと物足りなさそうでしたが、あとから来たちびっ子たちに見本を示したりと得意顔(笑)。実はこの子が家族で一番上手なのです。クライミングはファミリーでも楽しめるいい趣味ですね。また一緒の壁に登るのが楽しみです。

    キッズスペースもある

    壁よりもキッズルームのプラレールにハマっていた次男でした。それはそれでヨシ!

    50代になってからの趣味は、トレイルランニングかクライミングと思っています。今回クライミングを体験して「マジでいいかも!」と確信しました。集中力が必要だし、全身運動だし、天気や季節に関係ないし。以前は定期的にネイルサロンに行っていたので、クライミングなんかやったら、すぐにデザインが浮いてきて剥がれるなーとあきらめていましたが、ここ最近の私の爪はネイキッド。何も塗っていない、付けていない裸の爪です。始めるには今がバッチリなのです。

    珍しく長男も楽しんでいたので、クライミングを家族と一緒にもっとやりたいなと思いました。ネットで探してみたら、インドアクライミング施設はいろんな地方にけっこうありそうです。次の週末は、あいにくの天気予報の日本海側へ旅に出かけます。そこでもトライしてきますよー。

    クライミングパーク神怡舘

    • 所在地:埼玉県秩父郡小鹿野町両神薄2245番地
    • 営業時間:平日 15時~21時(入館は20時まで)、休日10時~18時(入館は17時まで)
    • 休館日:火曜(祝日の場合は営業し、翌日休館)
    • 料金:町民とビジター、年齢などにより料金は異なります。詳しくはHPをご覧ください
    • ホームページ:https://www.town.ogano.lg.jp/crimeshin2/
    私が書きました!
    旅のエッセイスト
    国井律子
    1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ(キャンピングカー所有)、自転車、サーフィン(ショートもロングも)、スノーボード、ファミリートレッキングなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納(整理収納アドバイザー1級資格取得)。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。直近は苦手な掃除をがんばっている。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。https://ameblo.jp/kuniritsu/

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