寒い時期は読書で冒険してみない? 大自然での旅、環境調査をつづった良書2冊
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 2023.11.23

    寒い時期は読書で冒険してみない? 大自然での旅、環境調査をつづった良書2冊

    冬も元気にアウトドア! といきたいところだが、さすがに暖かい時季ほど行動的にはなれないもの。そんなもどかしい気分を補完するのが、読書。過酷な旅、絶海の孤島での自然調査をつづった良書を2冊紹介!

    BOOK 01

    1円も持たずに旅をする。愛犬を連れ自らの荒野へ

    『北海道 犬旅サバイバル』

    服部文祥著 みすず書房
    ¥2,640

    北海道 犬旅サバイバル

    50歳を目前に肉体が下降線をたどり始めて「自分がゆっくり死んでいる」と意識させられた著者。本当にやりたいことは何かと自らに問いかける。漠然とした荒野への憧れ、思い浮かんだのは、鉄砲を肩に犬と共に荒野をどこまでも歩く姿だった。だが、日本に著者が求めた荒野は存在しない。そこで無銭での旅という縛り(閃き?)で擬似的な荒野を作りだすことに。
     
    愛犬を連れて向かったのは北海道。宗谷岬から襟裳岬までの南北約700㎞を、なるべく分水嶺をなぞるように縦断する最大3か月以内の旅だ。事前に米などは立ち寄る予定の山小屋にデポしておき、おかずはシカなどを撃って現地調達する。野を越え山を越え、猟犬として成長した愛犬と共にシカを追いつつ南下する日々。近くに人家がないような場所でも自由に野営したり火を焚いたりするのは容易ではないと著者の旅を通じて感じさせられる。
     
    疑似的荒野ではさまざまな人びとにも出くわす。退去させられたりもしているが、コンパスを借りたり、クズ野菜を貰ったり。時には忘れ物のお菓子を拝借。夫が著者のファンだとサインを求めてきた女性には率直に食べ物を乞う。図太い。明け透けにサバイブする著者の姿は妙に清々しい。

    BOOK 02

    絶海の孤島の自然調査、専門家たちの奮闘記

    『無人島、研究と冒険、半分半分。』

    川上和人著 東京書籍
    ¥1,760

    無人島、研究と冒険、半分半分。

    東京の南方1200㎞の位置にある南硫黄島。小笠原諸島に属し、一度も人が住んだことのない絶海の孤島だ。本書は原生の生態系が維持されているこの島に自然環境の調査に入った専門家たちの記録。これまで調査が実施されたのはたった3回(本書を入れて)。冒険的要素を多分に含んでいる調査に挑む理系集団の動向を、ユーモラスに鳥類学者の著者が描く。

    ※構成/須藤ナオミ

    (BE-PAL 2023年12月号より)

    NEW ARTICLES

    『 本 』新着編集部記事

    焚き火の前で読破してほしい! BE-PAL編集部員&読者おすすめのアウトドア系漫画15選

    2024.12.21

    世界37か国を旅した黒猫の物語が絵本になった!ほんわか旅気分に浸れる『くろねこノロのたび』

    2024.12.21

    年末年始に読みたい!冬芽の観察、世界の食文化…面白くてタメになる自然派新刊2選

    2024.12.20

    焚き火の前で読みたい本32選!アウトドアの達人&BE-PAL読者がセレクトしたおすすめの1冊は?

    2024.12.19

    ページをめくるたび自然を旅する気分に!BE-PALおすすめの名作写真集&図鑑8選

    2024.12.18

    熊と猟師の死闘を描いた直木賞作家・河﨑秋子さんに「焚き火の前で読みたい本」を聞いてみた

    2024.12.17

    "酒と本と木"をテーマにした、雲の通り道にある洞爺湖の案内所「BACKWOOD」に行ってみた

    2024.12.16

    焚き火本の著者・長野修平さんがレクチャー!焚き火の前で読書をするためのアイデア&テクニック集

    2024.12.16