「灯油ストーブは旅の五感を刺激する燃焼器具だ!」シェルパ斉藤、大いに語る | バーナー・燃焼器具 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル - Part 2
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    2023.11.29

    「灯油ストーブは旅の五感を刺激する燃焼器具だ!」シェルパ斉藤、大いに語る

    独自の燃焼音と香りが魅力

    一方でランタンについてうかがってみると、旅の延長にあるような、自然に寄り添う暮らしが垣間見える。

    「いちばん使うのは、コールマンの灯油仕様ランタン。友人たちと庭でパーティーを開くときなどに重宝しているよ」
     
    ホワイトガソリンに比べてぐっと安い灯油仕様のランタンは、日常的な集いのほか、招かれたイベントや車の旅でも重宝している。

    「ガスやホワイトガソリンと違って、量り売りしてもらえる灯油は、容器のゴミが出ないでしょ。そのあたりの心理的負担の少なさも魅力だね」 
     
    そうして取り出したのが、ドイツ製のフュアハンドランタン、いわゆるハリケーンランプだ。

    「庭につくった竪穴式住居で、焚き火と共に使うのに具合がいいんだよ」
     
    光が強すぎるランタンだと、焚き火のまわりに影を落としてしまう。優しく灯る灯油ランプは、焚き火のほのかな光や空気感を損なわずに、ほどよい明るさで辺りの暗がりを照らしてくれるという。そうして、灯油ランタンは異境の地へ心を運んでゆく。

    「アジアや南米のはずれに行くと、民家や屋台で灯油ランプを使っているよね。夕暮れが迫ると、あちこちからカシャカシャとポンピングの音がして……。あの燃焼音と黄色い光が、遠くまで来たなと思わせてくれるでしょ」
     
    灯油仕様の光を愛用しているのは、旅心にも火を灯してくれるからだろうか。
               ☆          ☆ 

    スイス製のガソリンストーブ、ボルドーバーナー

    語りかけるように愛機に火を灯す。

    スイス製のガソリンストーブ、ボルドーバーナー

    知る人ぞ知る、スイス製のガソリンストーブ、ボルドーバーナー。シンプルで美しい、手のひらサイズの宝物。

    「せっかくだから、火を着けてみよう」
     
    そういって、愛用のストーブを手に竪穴式住居へ。まずはオプティマスのナンバー00に火を着けた。

    「灯油仕様はガソリンモデル以上にプレヒートが重要でね。この受け皿の部分にティッシュを詰めるのがコツなんだ」
     
    そうしてポンピングしてタンク内の燃料を噴出させ、灯油の染みた紙に点火。

    「ここでじっくりストーブを温めるから、どうしても時間がかかるんだよね」
     
    液体燃料ストーブの魅力は、オートバイのエンジンを思わせるデザインにもある。そういうと、オートバイが好きだというカメラマンがうなずく。そうしている間にも、揺らめく炎に魅入られる。
     
    バックパッカーとして知られるシェルパさんだが、その旅の原点は、大学を休学して彷徨った、オーストラリアのオートバイ旅にあるという。そのため、最初に手にしたストーブはレギュラーガソリンが燃料の、オプティマス8Rだった。ライターデビューのきっかけとなった揚子江下りの旅でも8Rを使用。その後、僻地の旅へと足を踏み入れるようになると、入手が簡単な灯油仕様のストーブへと移っていった。国内での歩く旅、山の旅ではもっぱらガスストーブを使うというが、旅のスタイルや行く先によって、液体燃料仕様ストーブの進化形であるSOTO・MUKAストーブや、レギュラーガソリンから灯油、はたまたジェット燃料をひとつのフューエルポンプでまかなうことができる、オプティマス・ノバなどを使い分けているという。
     
    頃合いを見てノズルを閉じ、すかさずポンピング。するとしだいに炎は青くなり、いきいきと燃えはじめた。辺りには心地よい燃焼音と、懐かしいような灯油の燃えるにおいが漂う。

    「これでようやくお湯を沸かせるのだから、まったく手間がかかるよね」
     
    まるでそう思っていないであろう笑顔で、シェルパさんはいう。それからさらに2台、愛用のストーブに火を着けた。そうして愛機に触れながら、旅のかけらをぽつりぽつり。ひとり旅が多かった旅人の無聊を慰めたのは、気温や燃料の残量によって、気まぐれな猫のように機嫌を変える彼らだったのだろう。
     
    暗がりのなか、取材班を含めた5人の大人が口を開いたり、黙ったりしながら、個性の異なるストーブの火を見つめる。この不思議な、満ち足りた気分は、どこからくるのだろう。
     
    道具の素晴らしさは、軽くて便利なことだけではないからこそ、奥深い。

    オプティマスのスベア123R

    カトマンズの街角で、物々交換によって手に入れた、オプティマスのスベア123Rは、サハラ砂漠の旅などで使用した。

    砂漠を旅するシェルパ斉藤

     

    オプティマス8R

    揚子江川のひとり旅で使った、オプティマス8R。レギュラーガソリン仕様のため、オートバイ旅でも愛用した。

    揚子江川のひとり旅

    灯油仕様のハリケーンランプであるフュアハンドランタン

    日常的に愛用している、灯油仕様のハリケーンランプであるフュアハンドランタン

    コールマンの灯油使用モデル

    こちらはコールマンの灯油使用モデル。

    ※構成/麻生弘毅 撮影/三浦孝明

    (BE-PAL 2023年12月号より)

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