標高が低いからとあなどるなかれ!セーフティ低山ハイクの8つのポイント
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 山・ハイキング・クライミング

    2023.11.15

    標高が低いからとあなどるなかれ!セーフティ低山ハイクの8つのポイント

    気軽に登れるのが低山の魅力だが、油断は大敵。毎年、不幸な事故は起きている。事前準備から装備まで、安全登山のポイントをプロに教えてもらいました!

    教えてくれた人 羽根田 治さん

    1961年、埼玉県生まれ。フリーライター。山岳遭難や登山技術に関する記事を登山雑誌や書籍で発表。アウトドアでの死亡事故の事例53とともに、安全知識について言及する『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』(山と渓谷社)が話題。

    口頭だけだと忘れちゃう!? 家族にはメモで残そう

    山やルートの情報収集、装備やウェアの決定、危険予測のイメトレなど、安全な登山は無理のない計画を立てるところからスタート。計画が決まったら、登山計画書(登山届)を地元の警察署に提出しよう。県によっては提出を義務付けているので、事前に確認を。アプリやネットで提出できる地域も増加中だ。提出できない場合は、登る山と通るルート、下山予定時刻をメモで家族や知人に渡すこと。紙に残すことで、山に詳しくない人でも迅速に救助要請ができる。

    早発早着は基本のキ! 余裕をもったスケジュールを

    低山ハイクでも、朝早く出発して、午後早くに目的地に到着するのが大原則。山の天気は変わりやすい。にわか雨や雷雨など、途中で足止めをくらうこともあるので、余裕をもって計画を立てよう。ガイド本などにコースタイムが記されているが、休憩時間は含まれていないので要注意。脚力に自信がない場合は、コースタイムの1.5倍ほどの時間をみておこう。

    低山での遭難原因第1位。道迷いは全力で回避!

    低山は樹林帯が多く、登山道以外に林業従事者の作業道などもある。もし道に迷ったら即座に来た道を引き返そう。「もう少し進んでみよう」は絶対ダメ! パーティの場合ははぐれないよう、ペースの遅い人に歩調を合わせること。登山地図などで休憩のたびに現在地を確認するのも鉄則だ。事前に「ヤマレコ」や「YAMAP」などの地図アプリをダウンロードするのもいい。地図やアプリは使いこなすのに慣れが必要なので、近所の低山で練習しておくと安心。

    石橋を叩いて渡る!? 普段の1000倍足もとに注意!

    転倒は、ケガはもちろん、下手をすると滑落事故につながる。とくに木製の階段や、岩や石が多かったり、木の根が露出している登山道は、雨のあとは非常に滑りやすくなる。足の置き場に注意しながら、一歩一歩、慎重に進むこと。トレッキングポールを使う手もあるが、岩に引っ掛けて転倒する場合もあるので、使い方をマスターしてから使用したい。

    休憩は疲れる前に! 水分&高カロリー携行食でエネルギーチャージ

    登山は激しい運動なので、携行食は"高カロリー食"が基本。装備が増えないよう、コンパクトで軽いエナジーバーやゼリー飲料がおすすめだ。羽根田さんはそれに加え、ナッツ類とドライフルーツをミックスしたものや、冬季はコンデンスミルクを持参するそう。塩飴など、塩分補給アイテムも必須だ。水分は出発前にまず500㎖の水を飲んでおくこと。道中は、体重60㎏の人の場合、1時間に300㎖の水分が必要(体重1㎏に対して1時間5㎖が原則)なので、計算して持っていこう。温度は冷たくても熱くてもOK。エネルギーや水分の補給は、疲れる前に摂り入れるほうが有効なことも忘れずに!

    めまい、集中力低下……ちょっと変かも?はかなりキケン!

    気温が高い日は熱中症に注意したい。脱水症状が引き金になるので、水分は積極的に補給しよう。初期症状は大量の汗、めまい、集中力低下など。症状が表われたら、涼しい場所へ移動し、首筋、脇の下、股の付け根に濡れタオルなどを当てて体を冷やす。その際、水分や塩分も必ず補給。症状が進むと素人では対処できなくなるので、体調不良は初期対処が要!

    出遭わないほうが互いのため。クマよけの鈴をつけて歩くべし

    クマはもともと臆病な動物だ。しかし、突然人間と至近距離で出くわすと、自分の身を守るために攻撃をしかけてくる。遭遇してしまった場合は、大声を出したり、慌てて逃げるのはNG。静かに後ずさりするのが良いとされるが、ケースバイケースなので正解はない。不幸な事故が起きないよう、熊鈴を身に付けて、人間の存在を知らせながら行動しよう。

    いざというときに役に立つ! プラスアルファ装備

    転ばぬ先の杖の装備としておすすめなのが、ツェルト&ロープ、ヘッドランプ、救急セット、エマージェンシーシート。救急セットには、ペットボトルのフタに穴をあけたものを入れておく。ケガをしたときは、飲料水のペットボトルのフタと入れ替え、傷を洗い流すことができる。傷口を保護するワセリンや、三角巾がわりに使える手ぬぐいもあると重宝する。エマージェンシーシートは防寒はもちろん、樹林帯で遭難したときに見つけてもらう目印にもなる。

    ※構成/松村由美子 漫画/キムコ玉川

    (BE-PAL 2023年11月号より)

    NEW ARTICLES

    『 山・ハイキング・クライミング 』新着編集部記事

    “藤原岳”を歩くと、そこには疲れも吹っ飛ぶ絶景が待っていた!大貝戸ルートをご紹介

    2024.11.07

    足立区・島根鷲神社で古くから親しまれるお囃子と富士山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.96】

    2024.11.06

    水に親しむルートを辿り、西之宮稲荷神社にある五反野の富士塚へ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.95】

    2024.11.04

    ULキャンプを始めるには?実践のポイントとおすすめギアの紹介

    2024.11.04

    およそ100年にわたり親しまれてきた綾瀬稲荷神社の富士山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.94】

    2024.11.01

    初心者におすすめの関東の日帰り登山スポット11選。持ち物や山の選び方も紹介

    2024.10.31

    足立区の宮城氷川神社境内にある小ぶりながら急峻な富士山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.93】

    2024.10.29

    山小屋泊かテント泊か?泊まり登山で悩みがちな宿泊方法の選び方とそれぞれの魅力を解説

    2024.10.27