空気が澄んだ季節に最適! 山頂で格別な夜景を楽しむ低山ナイトハイクの極意とおすすめ5山
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    2023.11.07

    空気が澄んだ季節に最適! 山頂で格別な夜景を楽しむ低山ナイトハイクの極意とおすすめ5山

    低山デビューの次は、自分ならではのハイクスタイルを身に付けたい! 最も魅力に感じるポイントを深掘りすれば、低山の楽しみ方はもっともっと広がります。仕事に忙しくて山登りの時間が取れない人や、混雑した週末を避けたい人におすすめのナイトハイクの極意をご紹介します!

    先輩ハイカーが直伝!"ナイトハイク"の魅力とコツ

    教えてくれた人 夜景登山家 松原了太さん

    夜景登山家 松原了太さん

    登山歴21年、ナイトハイキング歴19年で、1500以上の山の頂を踏んでいる。夜景山岳会を運営し、ツアーなどを開催。著書に『関西ナイトハイキング』(創元社)。

    ナイトハイクの必需品

    ナイトハイクの必需品。トレッキングポール、モバイルバッテリー、折りたたみ式ランタン、ヘッドランプ2灯、グローブ、レインウェア、防寒着。

    滋賀県 三上山(みかみやま)でナイトハイク!

    コースタイム:1時間40分
    標高:432m
    総距離:約2.2㎞

    滋賀県 三上山

    野洲市のランドマークであり、近江富士と呼ばれる三上山。今回は御上神社側からの表登山道をチョイス。岩場や急坂、鎖場などがあり、登りごたえもたっぷりある。

    食事処:なし
    入浴施設:あり
    神社・寺:なし
    ロープウェイ:なし

    尾根道の最短ルートをピストンするルートがおすすめ

    ナイトハイクはテン泊などをせず、夜の間に登山すること。明るいうちから登って夜景を見たり、深夜に登って山の上でご来光を見ることが目的だ。

    「今回は、低山から夜景を見るナイトハイクをご案内します。高山は夜景までの距離が遠いので、1500m以下の山からの眺めが圧倒的に美しいんです」
     
    と語るのは、夜景登山家の松原了太さん。日没時間が早く、空気が澄んでいる冬が、ベストシーズン! とはいえ、夜の山を登るとなると、初心者にはハードルが高いような気もするが……。

    「前提条件として、日中に登ったことのある山に登ること。ナイトハイクの当日も日没の30分前に登頂できるように逆算して明るいうちに出発し、道の安全性を確認しながら登ります。経験者と一緒に行くといいですよ」
     
    ルート選びは、沢筋をできるだけ避けて尾根道の最短ルートをピストンするのが基本だ。

    「歩き方も重要です。復路は暗い登山道を歩くことになります。足元にある岩などを見逃してつまずくこともあるので、足元を照らしながら一歩ずつ慎重に歩くようにしましょう」
     
    ヘッドライトは必須でナイトハイクにおいては命綱。

    「予備と合わせてふたつ。予備電池も忘れずに。明るさは200ルーメン以上が推奨。光の視野が広いものを選びます」
     
    また、夜間にコンパスや地図の使用は困難なので、迷ったときに備えて正確な位置を示すGPS機能を活用したり、スマホに「YAMAP」などの地図アプリをダウンロードしておく。野生動物に遭遇する確率も上がるが、ほとんどヘッドライトの光に怯えて逃げていく。動物を見かけたときは、刺激しないように立ち止まり、動物がその場から離れるのを待つようにする。

    「ナイトハイクは、クライミングや沢登り、バックカントリーなどと同様に、山の楽しみのひとつです。星空はどこからでも眺められますが、夜景は山に登らないと見られません。自分の足で歩いて山の頂に立ち、眼前に広がる夜景を目にしたときの感動は格別です」
     
    明るいときに登る山とは、また違った山の表情を楽しめるナイトハイク。この冬は、準備万端に整えて、夜景ハントに出かけてみませんか?

    16:30 Start! 登頂時間を日没30分前に設定して出発

    民家の脇にある登山口

    明るいうちにスタート。日没30分前に登頂すれば夕景も望める。登山口は民家の脇で、野生動物用の防護柵が取りつけられている。

    入山する様子

    ルートや路面状況を確認しつつ登る

    登山中のようす

    夜は道が変わる!

    段差の先の隠れた岩

    コース地図は事前にチェックし、登りながら分岐点などを頭に入れておく。段差の先の隠れた岩に要注意。

    17:30 明るいうちに絶景ポイントをチェック

    絶景ポイントを発見

    登山道の途中にも、絶景ポイントを発見することができる。場所をチェックしておいてひとまず登頂し、復路で立ち寄るといい。

    19:00 光の絶景を望めるのは山に登った人の特権

    山頂からの眺め

    山頂からの眺めは格別。日没後すぐの、まだ空が暗くなりきっていないトワイライトタイムは絶好のシャッターチャンスでもある。

    20:00 最短ルートのピストンで下山

    早めの下山

    小股で踏み込む

    足元を照らして慎重に進む。基本登りと同じ道を往復するが、岩場が多かったり、雨に見舞われた場合は安全に下れるルートを選ぶ。

    安全に楽しむナイトハイクの心得

    1初めて行く山ではなく、登り慣れている山を選ぶ

    2命綱となるヘッドライトは2個持ちがベスト

    3下山は足元を照らしながら、小股で一歩ずつ

    ナイトハイクにおすすめの低山4選

    迫力と視界の広さは圧巻

    群馬県 水沢山(みずさわやま)

    標高:1194m
    コースタイム:2時間20分

    群馬県 水沢山

    群馬の市街地から北部に位置する水沢山は、ひたすら階段の急登続きで中級者向け。前橋市と高崎市、遠く東京スカイツリーまで夜景が一望でき、関東地方でもトップクラス。

    流れるような独特な光景

    埼玉県 武甲山(ぶこうさん)

    標高:1304m
    コースタイム:3時間20分

    埼玉県 武甲山

    石灰岩採掘跡が残る武甲山の山頂からは、秩父市の独特な形をした夜景が望める。まるで天の川のような魅力的な景観美でありながら、関東ではとても珍しい夜景といえる。

    厳冬期は雪景色とコラボ

    大阪府・奈良県 大和葛城山(やまとかつらぎさん)

    標高:959.2m
    コースタイム:2時間30分

    大和葛城山

    山頂から西側には、大阪府から神戸市、東側には奈良県の夜景が一望できる。トワイライトタイムは山頂看板の背景に大阪府の夜景が広がり、映えポイントとしても人気。

    歴史深く里山歩きも◎

    和歌山県 岩神山(いわがみやま)

    標高:240.2m
    コースタイム:1時間45分

    和歌山県 岩神山

    紀泉アルプスの入り口とされる岩神山からは迫力のある和歌山市の夜景が望める。中央に流れる紀ノ川を挟んだ市街地や、紀ノ川に架かる橋が特徴的で美しい。

    *構成/大石裕美 撮影/作田祥一

    (BE-PAL 2023年11月号より)

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