「タフかわいい」ホンダ・ダックスでゆる~くキャンプツーリングしてみない?
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    2023.10.13

    「タフかわいい」ホンダ・ダックスでゆる~くキャンプツーリングしてみない?

    記録的な酷暑に悩まされた夏がようやく終わり、外遊びに絶好の季節になりました。爽やかな風の中、ちょっとキャンプツーリングにでも、というときに「レジャーバイクをパートナーに」という選択もありです。中でもコンパクトで取り回しが楽、燃費にも優れた上に2人乗りもできるのが、「第2種原動機付自転車(以下、原付2種)」。50ccの原付バイクに近い扱いやすいボディに、ゆとりある125ccエンジンを搭載し、制限速度も普通車と同じ60km/hと、そのパフォーマンスは近所のちょい乗りから、外遊びのグッズを積んでの中距離ツーリングまで、不満なくこなしてくれます。そんな原動2種のモデルとして注目なのがホンダ・ダックス125(以下、ダックス)。

    スーパーカブの派生モデルとはいえ、ハンターカブやクロスカブとはひと味違った、ダックスフンド似の愛らしいフォオルムは個性たっぷり。様々なシーンに対応できそうな太いタイヤは、外遊びでの対応力の高さをイメージさせてくれます。ダックスで確実に拡がる行動範囲の先には、どんな世界が広がっているのでしょうか?

    ダックス125ってどんなバイク?

    アメリカHondaから「モンキーよりもひと回り大きなサイズのバイク」という要望をきっかけに「今までにないレジャーバイクを」と言うことで誕生したダックス。折りたたみ可能のハンドルと取りはずしの効くフロントタイヤを備えていた。

    1960年代、すでに「レジャーバイク」という考え方が定着していたアメリカ市場向けに登場したのが初代ダックス。日本でのデビューは1969年で「車載が可能なレジャーバイク」をセールスポイントに原付50ccと原付2種の70ccのモデルが発売されて話題となりました。ハンドルは折りたたみ式でフロントタイヤも取り外し可能。さらに車体を横にしてもガソリンが漏れないなど、車載のための条件を整えていました。スタイリングが胴長の犬種、ダックスフンド似ということで「ダックス」という車名が与えられ、その斬新でお洒落な外見は街乗りからアウトドアまで、手軽に使えるレジャーバイクとして、若い人を中心に支持を獲得しました。働くバイクのスーパーカブとは対極にある存在という立ち位置です。

    一方、当時は高度成長期で「少しでも上を目指す」時代。小排気量で高速道路を走行できないダックスは、1981年に国内での販売を終了。その後、復活を遂げるのですが、排ガス規制などの問題もあり、結局は1999年に生産を終了しました。

    街灯などの設備がない暗いアウトドアフィールドではLEDヘッドライトの切れのいい明るさが重宝!

    それから23年、2022年に令和2年排出ガス規制に対応した123cc空冷単気筒エンジンを搭載して復活を遂げたのが現行モデルです。ミッションは4速で、自動遠心クラッチを採用し、普通二輪免許(小型限定もOK)でも乗れるという手軽さ。初代ダックス(発売当初は「ダックスホンダ」と呼称)のスタイリングを踏襲しながらも、前・後輪にはディスクブレーキ(前輪はABS付き)、ヘッドライトにはLEDなどの最新技術を採用するなど、時代に即した装備で復活しました。初代を知る世代には懐かしく、知らない世代には新感覚のバイクとして人気を得ています。

    ブレーキング時にタイヤがスリップするリスクを減らすABSシステムを備えたブレーキ。イザとなったらしっかりと停止できるという安心感は未舗装路でのストレスも軽減してくれる。

     不変のデザインがキャンプフィールドでも使いやすさを発揮

    たくましくボリューム感のある12インチタイヤを、スタイリッシュな5スポークデザインのアルミキャストホイールにセット。フィールドでも映える!

    初代のとびきり愛らしいスタイリングを踏襲して復活した最新のダックス、ある意味、それは凄いです。LEDのヘッドライトを除けば、スタイリングを特徴づける鋼板プレスを用いた個性的なT字型のバックボーンフレームは、まったく古さを感じさせません。スーパーカブにもいえることですが「優れたデザインは古くならない」という証明でもあります。

    燃料計や速度計を備えたシンプルで視認性のいいデジタルメーター。

    そのフレームの上には、2人乗りを楽にこなすためのロングタイプのダブルシートと、パッセンジャーが握りやすいグラブバーを装備しています。バイクとしてはコンパクトなダックスですが、一名乗車のときにはシート後半部分に収納用のシートバッグなどを載せ、積載力を向上させるときに重宝します。

    そのシートバッグや荷物などを固定する際には、ガッチリとしたグラブバーにロープを通すことで、より確実に荷物を積むこともできます。もちろんボディは2人乗りに求められる強度剛性をしっかりと確保しているので、思いのほかどっしりと安定した走りです。アウトドアフィールドで特徴的なT字型のシルエットが際立つだけでなく、このガッチリボディの頼もしさも表現してくれています。

    全幅は760mmと細身。両側から枝や草が迫った狭い道でもストレスなく走れる。燃料タンクやエアクリーナーをシート下のフレーム内に装備し、ロングタイプのダブルシートを実現。シート後半に収納ボックスなどを搭載するのも楽。

    シンプルなレイアウトのリアランプユニット。ウインカーとストップランプは後方からの視認性に優れる。

    また、現在ホンダはファッション小物などでアパレルの「AVIREX(アヴィレックス)」とコラボレーションを行っているのですが、その中には約35Lのデイバックがあります。ライディングの邪魔にならないようにデザインされたデイバッグと収納ボックスを使うことで、12泊のキャンプも楽にこなせます。

     安心装備を満載したダックスでより遠くへ

    最低地上高は4輪のSUV並みの180mmを確保。ハードな悪路は苦手だが未舗装の山道やキャップサイトの草地なら快走できる。

    段差のないダブルシートの高さは775mmに設定。両足ともにかかとがピタリと地面に着き、信号待ちやラフロードを走るときなどでも不安定になることはほとんどありません。シートの乗り心地にも不満はなし。これなら目的地まで100kmを超えるツーリングにも十分に使えます。

    アップマフラーは悪路での路面との緩衝を減らすと同時に随所にクロームメッキパーツを使用して、趣味のバイクとしての質感も向上。

    また力強い出力特性と優れた環境性能を両立した123cc、空冷単気筒OHCエンジンの出来の良さも魅力。煩わしいクラッチ操作や頻繁なシフト操作を必要としない自動遠心クラッチを採用した4速トランスミッションを前に踏み込んでスタートすると、意外なほどパワフルで粘り強いエンジンの特性を体験できます。トコトコと軽やかに回りながら、振動や騒音も少なく、快適な市街地から郊外へと、そしてワインディングへと進んでいきます。2人乗りを前提にした1,200mmという長めのホイールベースのお陰で、直進安定性も悪くありません。

    電子制御で理想的な燃料供給を行うPGM-FIを採用し、燃費性能にもこだわり、低・中速域で力強さを発揮する空冷4ストローク単気筒エンジン。ロングツーリングもイケる。

     キャンプサイトや軽めのオフロードでは、左右それぞれ42°を確保したハンドルの切れ角による取り回しのしやすさを実感。アップマフラーで最低地上高も180mm確保され、路面との干渉というリスクも少なくなっています。タイヤの径が12インチと小径で、オフロード用のデザートタイヤでもないのでハードなオフロードには不向きですが、一般的なキャンプサイトで困ることは少ないでしょう。

    現行ダックスはハンドルを折りたたんだりできないものの、コンパクトなボディのお陰もあって車載しやすい。運転席以外をたためるN-VANなた、ご覧のように楽々と搭載可能。

     レジャーバイクとして今も斬新なデザインを現代風にアップデートし、そこにこだわりの新装備を満載した新時代のダックス。12月には新色のブルーを加えた24年モデルが登場するという情報も。アウトドアに使える趣味のバイクとしても質感を相当高めた仕上がりになっています。これほど手軽に安心して外遊びが楽しめるバイクであれば、ライダーとしてリターンするのもアリでしょう。

    Honda Dax 125

    •  ボディサイズ(mm):全長×全幅×全高:1,760×760×1,020
    • シート高:775mm
    • ホイールベース:1,200mm
    • 車重:107kg
    • 最低地上高:180mm
    • 駆動方式:チェーン駆動
    • トランスミッション:常時噛合式4段リターン
    • エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC 123cc
    • 最高出力:6.9kW9.4ps)/7,000rpm
    • 最大トルク:11Nm1.1kgfm)/5,000rpm
    • 燃費:65.7km/lWMTCモード)(※「WMTCモード値」は発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値)
    • 価格:¥440,000(税込み)

     

    問い合わせ先

    ホンダ(バイク)

    TEL:0120-112010

     

    私が書きました!
    自動車ライター
    佐藤篤司
    男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行なう自動車ライター。著書『クルマ界歴史の証人』(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

     

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