山陰海岸ジオパークトレイル230kmは、27のセクションに分けられ、そのうちのコース1〜11が、鳥取県内に延びている。それらはどれを切り取っても、ロングトレイルの醍醐味である自然、歴史、文化を感じられる歩き道である。
そんな鳥取エリアでBE-PALがとびきりおすすめする10のポイントをセレクトした。
必ずしもトレイルを通しで歩かずとも、この要所要所を切り取ることで、山陰海岸ジオパークトレイルの魅力を感じることができるだろう。それでは、西から紹介していこう。
①鹿野城下町
②吉岡温泉
③鳥取城跡
④鳥取砂丘
⑤浦富海岸島めぐり遊覧船
⑥千貫松島&鴨ヶ磯
⑦城原海岸
⑧田後漁港
⑨山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館
⑩東浜海水浴場(東浜駅)
①鹿野城下町
鹿野城跡や城下町の街並みが、いまも色濃く残る鳥取市鹿野(しかの)。古くから交通の要衝として町が栄え、天正9年(1581年)鹿野城主となった亀井茲矩(これのり)が、この街を城下町として整備した。
武家屋敷のあった殿町、商人の上町、鍛冶町、大工町などの町割りや碁盤の目のように張り巡らされた水路が、昔日の面影をとどめている。京風の格子構えが美しい町家を歩いて、鳥取を結ぶ鹿野往来を行き来する旅人に思いを重ねる。
②吉岡温泉
千年を超える歴史と、53度Cの掛け流し源泉で有名な因幡を代表する温泉地。
温泉街には10軒の旅館と、共同浴場「一ノ湯」、足湯が2つ並び、旅人の疲れをリフレッシュしてくれる。写真は「熱いっ! 早く撮ってください」の瞬間。
③鳥取城跡
鳥取市のシンボルである標高263mの久松山(きゅうしょうざん)には、鳥取城の石垣が残る。
山頂の本丸跡からは、鳥取市街、鳥取砂丘、壱岐諸島などの展望を楽しめる。麓の鳥取城跡・久松公園からは往復1時間半くらいで、市民の日常的なハイキングコースとして賑わっている。
④鳥取砂丘
大山(だいせん)と並び、鳥取県のシンボルとなる巨大砂丘。波が海底から押し寄せ、内陸へ吹き込む卓越風で積み上がった細かい砂は、裸足で歩くと気持ちいい。
観光客が少ない西側休憩舎から馬の背経由で、ビジターセンターへ向かって歩く大横断コースがおすすめ。東西に約16km、最大高低差約90mの雄大な砂丘のハイライトエリアを楽しめるはずだ。
ただ眺めるだけでなく、歩いてこそ、その魅力を足裏から感じることができる!
⑤浦富海岸島めぐり遊覧船
岩美町の浦富(うらどめ)海岸は、紺碧の海と、奇岩や洞門などのダイナミックな岩が織りなす自然美が素晴らしい景勝地。
そんな「岩美ブルー」を海上から楽しめる観光船が就航している。トレイルとはまた違った山陰海岸ジオパークの奥深さを体験できるだろう。写真は、洞門や浅い入江にも入り込む小型船による冒険クルージング。
運航スケジュールや料金は、こちらからご確認を!
https://yourun1000.com
⑥千貫松島&鴨ヶ磯
風光明媚な浦富海岸を代表するポイントがこの2つ。
美しい枝ぶりの松が潮風に揺れる千貫(せんがん)松島は、まさに日本海の荒波が育てた唯一無二の自然美だ。そんな奇岩を見ながら岩々しい海岸を歩くと、突如美しい白浜の鴨ヶ磯(かもがいそ)が現われる。奇岩とビーチが交互に続くダイナミックな海岸線だ。
⑦城原海岸
岩美町渚交流館が主催するSUP体験で、城原(しらわら)海岸へ。海から飛び出る岩礁の間を縫うように進むクルージングは、日本海の成り立ちを目の前で体感することができるだろう。トレイルから見えない洞門や洞窟が多々あって、発見の連続。
岩美町の海でアクティビティーを楽しむなら岩美町渚交流館へ。
https://iwami.to
⑧田後漁港
複雑に入り組んだリアス式の狭い湾にポツンと集落を構える田後(たじり)港。
その歴史は古く、1590年ごろに石見国の漁民が3月から10月まで出稼ぎにきていた記録が残っているほど。沖には全国有数の漁場が広がっている。現在も日本有数の松葉ガニの漁獲量を誇る県内屈指の良港である。
⑨山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館
山陰海岸ジオパークの魅力をさまざまな資料や映像で紹介する施設。ハイカーが指差しているのは、日本海の海底地形模型。「水深200〜400mのこの大陸棚で松葉ガニが獲れるのか!」ゴクリ。
トレイルに詳しいスタッフが常駐し、トレイルの情報やマップなども入手できる。
⑩東浜海水浴場(東浜駅)
山陰本線の東浜駅から東浜海水浴場へは徒歩わずか1分! 透明度が高く、白浜の遠浅ビーチは、サーフィンのポイントとしても知られる。
ハイカーのために木道が整備され、コースト・ハイキングにもってこいのセクションだ。右に見える陸上(くがみ)岬が、兵庫県との県境となる。