海の上でネットに繋がる時代が来た!?ヨットで世界一周する家族のインターネット事情 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.09.30

    海の上でネットに繋がる時代が来た!?ヨットで世界一周する家族のインターネット事情

    みなさん、こんにちは。セーリングヨットSANTANAで世界一周中、前田家の麻裕です。

    今回は、コルテス海の絶景を求めて、前回ご紹介したエスプリト・サント島から程近いサン・フランシスコ島に加え、バハ・カリフォルニア半島沿いの停泊地の一つエル・ガト湾にやってきました。

    フォトジェニックな停泊地に到着

    サン・フランシスコ島は豆粒ほどの小さな島ですが、釣り針の先のように弧を描く美しい湾があり、ラパス発のチャーター船に人気の停泊地になっています。

    私達が到着した時にはすでに多くのボートで賑わっていました。

    人気の理由も頷けるフォトジェニックな停泊地。夜間にはさらにボートの数が増え、広々とした湾の中は鮨詰め状態に…。

    噂通り素晴らしいロケーションではありますが、人気の場所だけにのんびり過ごすというよりは、メキシコらしく賑やかに船上パーティーを楽しむのにぴったりという印象でした。

    キャンプ場が思いの外混み合っていて、楽しい雰囲気だけどなんだか落ち着かなかった…というような経験はありませんか?

    まさにそんな感じで、私たちがコルテス海クルージングに求めていた、「大自然の中で過ごす静かなひととき」とは少し違う様子(子連れ旅で静かなひとときが訪れることはまずないのですが、せめてロケーションだけでも静寂を求めたい!)。

    そして、期待を胸にさらに北上していくと、ついに思い描いていたような絶景地に出会うことができました。

    コルテス海クルージングの醍醐味が味わえる大自然の中の停泊地、エル・ガト湾。

    有機的な形の奇岩が作り出す不思議な空間。アメリカの有名観光地のザイオン国立公園やパウエル湖に似た光景とも言われている(ただし、こちらはかなりミニチュアバージョン)。

    夕暮れ時は赤褐色の岩肌がさらに幻想的に映る。カニを捕まえるために張り切る息子、太郎。

    絶景地も子どもにとっては天然の遊び場!スムースな岩肌が素足に心地よいらしい。

    ビーチサンダル行方不明問題

    我が家の子ども達は裸足が大好き。

    これはビーチサンダルと裸足が市民権を得ているニュージーランドで育った影響が大きいと思いますが、すぐに履物を脱いでは置き忘れてしまうため少々困っています(砂浜に埋めて、宝探しならぬサンダル探しに必死になることもしばしば!)。

    この旅を始めてからサンダル類はすでに5足以上行方不明になっており、このペースでは旅の終わりまでにはとんでもない記録を打ち立ててしまうかもしれません。

    さらに、恥ずかしながら私自身も水際で脱いだサンダルが満ち潮で流されてしまった…という経験があり、実はなくしているのは子どもだけではなかったりします。

    そもそも履物を脱がなければ良い話なのですが、サラサラの砂浜やフカフカした草の上では大人でも裸足の誘惑に勝てないものですよね。

    こうしてなくしたサンダルの数々がどこかの漁師小屋の壁を飾っているのでしょうか…(詳しくは前回の記事を読んでみてください)。

    おそらく回収されるものは少数で、多くはゴミとして海を漂っているか砂浜に打ち捨てられているはず。

    海の上の旅人としては自分達の不注意で海洋ゴミを増やさないように、そして、地味にお財布を痛めるサンダル買い替えコストを抑えるために、親子共々気をつけたいところです…。

    絶景を求めてショートハイキングへ。

    小高い丘の先端まで続く細い散歩コース。

    よく見ると、片側はサスペンスドラマのロケ地顔負けの断崖絶壁!

    船の上でサクサクネットに繋がる時代の到来

    さて、写真を見ていただいても一目瞭然ですが、コルテス海クルージングの停泊地は点在する街や村を除いてはリモートな場所ばかり。携帯の電波は入るはずもなく、世間の喧騒から離れ静かな時間を過ごすのにこれ以上理想的なクルージンググラウンドはありません。

    優雅なリタイア生活であれば時間を忘れて大いに羽を休めたいところですが、私達はまだまだその境地には程遠く、リモートでお仕事をいただいている身。コルテス海の電波状況を完全に舐め切っていたために、ネット環境探しに四苦八苦することになりました。

    因みにこの連載の記事はこんな場所から送信しました。

    クルーザーにとってオアシスのような存在、アグア・ヴェルデのネットカフェ。向かって右に見える手書きのWi-Fiの文字に心が和む。

    リモートな場所をクルーズするセーラーにとって、つい最近まで「インターネットが使える場所」は、「安全な停泊地はどこか」と同じくらい価値のある情報でした。しかし、近年そんなクルーザーのネット環境に革命(ちょっと大袈裟ですが、こう呼ばせていただきたい!)が起こりました。

    日本でも話題のスペースX社が提供する衛星通信サービス「スターリンク」が一般向けサービスを開始し、船の上でも快適なネット環境が手に入るようになったのです。

    アウトドア好きな読者の皆様の中には注目している、もしくはすでに利用している人もいるかもしれません。

    私達はコルテス海クルージング後に「スターリンク」を導入しましたが、実際に使用してみた感想はまさに“感動”の一言です。

    スターリンクのアンテナ。使用していない時は上部がフラットになるため、見た目はモダンなスツールのよう。そのためか、デッキに置いておくと間違えて腰をかけてしまう人が意外といる(笑)。嘘のようなホントの話。

    まさかまさか船の上でサクサクとネットに繋がる時代が来るとは!船上生活のクオリティオブライフが爆上がりしたことは言うまでもありません。

    何よりも場所を問わず定期的に天気情報を確認できるので、クルーザーにとっては安全面でのメリットが大きく、早くも船上生活の必須アイテムとなりつつあることを肌で感じています。

    メキシコのとあるマリーナに滞在中には、一日20機以上のスターリンクスターターキットが事務所に届き、「みなさん早く取りに来てください~!」というパニック買いに近い事態になっているほどでした。

    現在では本当に多くのボートにスターリンクのアンテナが設置されているのを見かけます。

    電子海図、自動運転装置などに並ぶ、クルージングライフをガラリと変えたテクノロジーの進化とも言われています。

    今のところ一般家庭で使用するメリットは、僻地に住んでいる等の事情がない限り、あまりないと思われますが…。従来の電波が届かないキャンプ場や山小屋での活用など、アウトドシーンにおける利用価値には大いなる可能性を感じます。

    もちろんそんな場所では必要がなければネット断ちをして過ごしたいところですが、選択肢があるというのは嬉しいことですよね。

    仕事をしながら世界の秘境を巡る?船上オフィス?なんていう、ワクワクするような働き方がもうそこまで来ている!?

    考えてみると、「不便を楽しむ」というのが私たちの船旅のテーマの一つであったような気がするのですが、ネット環境に関しては便利さの前にあっさりと完敗してしまいました。

    他の部分は極力シンプルに、不便を楽しむ心の余裕を持ちたいものです。

    コルテス海のさらなる絶景を求めて、旅は続きます。

    それでは、また次回。

    私が書きました!
    旅する一家
    前田家

    4歳の娘と6歳の息子を連れて、セーリングヨットSANTANAで放浪中の4人家族。2022年3月、カリフォルニアを出航。寄り道をしながらゆっくりと世界一周を目指します。海の上でサステナブルな暮らしを模索中。
    Instagram:@svsantanajp
    YouTube:https://www.youtube.com/@sailingsantana

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