週末に備え、木々と向き合う1日にする【キャンプ場オーナーの1週間[金曜日]】
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • キャンプ場

    2023.08.25

    週末に備え、木々と向き合う1日にする【キャンプ場オーナーの1週間[金曜日]】

    広島県江田島市に「Hawk Nest Family Village」というキャンプ場を個人でオープンしたコージさん。キャンパーが心地よい時間を過ごすため、キャンプ場オーナーは日々どんなことを考え、どのような活動を行っているのか。キャンプ場運営の裏側の1週間をお届けします。第5回の金曜日は、柵などの木製設備の整備です。

    第1回目・キャンパーが快適な時間を過ごすための日々の準備とは【キャンプ場オーナーの1週間[月曜日]】
    第2回目・猛暑の中で草刈りと熱中症対策を【キャンプ場オーナーの1週間[火曜日]】
    第3回目・キャンプ場の敷地外も整備を行う理由とは【キャンプ場オーナーの1週間[水曜日]】
    第4回目・取材を通じてキャンプ場の魅力を発信する意義【キャンプ場オーナーの1週間[木曜日]】

    木製の設備ならではの整備

    金曜日は、まず朝一でビン・缶を捨てに行き、“こだわりの朝食”をいただいて、活動開始!

    場内整備の一環で、今日は、周囲の柵の整備。この柵は、伐採した木材を使い、ヒモで結んで組んだだけのものですが、「味がある!」とお客さんには好評です。しかし、伐採して1年以上を経過しており、徐々に腐食が進んでいます。まず、1本1本の木材の樹皮を剥がします。樹皮を剥がさないと芯が腐るからです。

    キャンプ場の周囲200mにある柵の1本1本なので何日にも分けて順繰りに、地道に、作業を進めていきます。伐採した当初にやれれば良かったのでは?と思われるかもしれませんが、切ったばかりの木材の樹皮は剥がすのが困難。逆に、1年を経過したころの方が剥がしやすくなります。ただ、このタイミングを逸すると、樹皮の中身の木材の芯が腐食が始まってしまいます。という意味で、絶妙な時期なのかもしれません。

    伐採した木材を活用した柵。

    伐採した木材を活用した柵。

    細いノコギリを樹皮と芯の間に突っ込むと、ベラッと剥がれます。きれいに剥がれると、実に気持ち良い。この樹皮を剥がして腐食を防ぐ、という手法は、枯れた大木の腐食防止にも活用しています。枯れた大木は倒木の恐れがあるので、基本的には伐採しますが、一部、ある高さで立木状態に残すものもあります。たとえば常設タープのポールやハンモックのポール代りに活用する立木です。これらも腐食が進まぬよう、樹皮剥がしを行います。

    常設タープのポールなどに使用している立木。

    常設タープのポールなどに使用している立木。

    同じく伐採木材を活用して手作りした、迷路があります。この木材も同様の措置として、木材1本1本の樹皮剥がしが必要です。それでもところどころ腐食して折れていたりするので、替えの木材で組み直したりします。これら木材を組み、細引きロープでくくるのですが、KPロープというのが非常に長持ちで良いです。近くのホームセンターでは、かれこれずいぶん購入し、活用しました。

    一通り、この樹皮剥がしの作業が終わると(といってもかなり日数がかかったのですが)、今度は防腐剤塗り。防腐剤には、油性と水性があります。油性は木材にしみこんで長持ちしますが、においがきつい。水性はにおいが無いですが、木材にしみこむというより、表面に膜を作る塗料なので、扱いやすいものの長持ちしません。ということで当地では油性を使っています。もちろん、においは我慢して。これまた、一日で全部は塗り切れず、何日かかけて塗っていきます。

    この油性防腐剤は、事務棟兼住居のロッジにも自身で塗っています。これもいっぺんには塗り切れず、何日かに分けて塗りこみます。高い位置にはハシゴをかけて塗るので結構気を遣う作業です。透明で色のついていないものを使っているので、木材の風合いが維持できて、とても良い感じです。

    しかし、においがきつく、丸一日はそのにおいが消えないので、室内に関しては水性塗料にしています。これら作業は毎年繰り返していれば、基本、長持ちします。だけど、一度欠かすと一気に腐食が進む恐れがあるので、忘れてはならない作業です。

    油性防腐剤を塗布した事務棟兼住居のロッジ。

    油性防腐剤を塗布した事務棟兼住居のロッジ。

    ちなみに、高台にある当キャンプ場の一段下には、公園があります。そこに東屋がふたつあり、その木製の柱やテーブル、椅子などはほっておくと腐食が進むため、地域奉仕の一環で防腐剤塗布を自主的に行っています(防腐剤代は市に出していただいています)。

    当キャンプ場の場内には、伐採せずに木陰用に活かしている樹木が多くありますが、松については松くい虫などの影響で何本か枯れてしまいました。枯れた大木を計11本、地元の仲間も手伝ってくれて伐採。また、活きている松は、松ガードという防虫薬を注入しました。1本2300円ほどするのですが、計30本打ち、思わぬ予定外の出費に。

    また、松が枯れたために木陰が消えたサイト用に、代わりにモミの木の苗木を植えてみましたが、2本連続で枯れてしまい、うまく生育させることができませんでした。この土地に合っていなかったようで、別の樹木を考えなければなりません。

    防虫薬の松ガードを注入。

    防虫薬の松ガードを注入。

     さて、今日も汗をたっぷりかいたので、シャワーのあとのビールが格別にうまい!明日は、いよいよ週末です。

    [土曜日に続く]

    私が書きました!
    キャンプ場「Hawk Nest Family Village」オーナー
    コージ(秋田浩一)
    30数年の会社勤務を経て、2021年12月に広島県江田島市にキャンプ場「Hawk Nest Family Village」をオープン。同キャンプ場の詳細・予約は、上記リンク先のウェブサイトをご覧くさい。

    NEW ARTICLES

    『 キャンプ場 』新着編集部記事

    2025年秋、茨城県かすみがうら市に「食」をテーマにしたアウトドア施設が誕生!

    2024.11.29

    なにもかもが新しい!2024年にオープンしたばかりのキャンプ場8選

    2024.11.25

    温泉が楽しめるキャンプ場25選!寒い季節もぽっかぽかなアウトドアNo1雑誌のおすすめは?

    2024.11.08

    オートサイトのキャンプは何がいいの?メリットからオートサイトの選び方まで紹介!

    2024.10.21

    関東でグランピングを満喫!カップルにおすすめのスポット15選

    2024.10.20

    焚き火が楽しめるキャンプ場5選!ゆらぐ炎を見ながらゆっくり過ごしたい人に

    2024.10.16

    キャンピングカーOK。温泉も魚釣りもできる日光の「まなかの森 キャンプ&リゾート」に親子で感動!

    2024.10.06

    ヨットで世界を旅する家族、日本寄港中に人気の貸し切り専門『奥ノ田ヒルズ キャンプ場』へ!

    2024.09.30