「みつろうラップ」をご存じでしょうか?みつろうラップとは、その名の通り「蜜蝋(みつろう)」を使って作られた繰り返し使えるラップのこと。
“サスティナブル”や“SDGs”という言葉への注目と共に、話題を集め始めました。
普通のラップと違い、繰り返し使えてゴミが出ないみつろうラップは、エコでありながらもとても便利に使えます。さらに、みつろうラップは自分の好きなサイズ、柄で手作りできるのもポイント。
今回は、みつろうラップの作り方を紹介します。とっても簡単なので、親子でチャレンジしてみるのもおすすめです。
CONTENTS
みつろうラップとは?
みつろうラップは、市販の布に「蜜蝋」を溶かしてしみ込ませたラップです。
蜜蝋とは、ミツバチの巣の材料となっている蝋(ろう)を精製したもの。蜜蝋は主に口紅やクリームなどの化粧品の原料やロウソク、クレヨンなどに用いられており、口に含んでも安全な材料として知られています。
購入する際は、ホームセンターやECサイトで探してみましょう。容量にもよりますが、500円~2000円程度で購入できます。
みつろうラップ作りで準備するもの
みつろうラップ作りに必要な道具は、家にあるものでほとんど揃います。
用意する道具
- アイロン
- アイロン台
- 新聞紙か段ボール
- クッキングシート
- はかり
- 裁ちばさみ
アイロンで熱を加える際に、クッキングシートで布と蜜蝋を挟みこみます。
そのため、クッキングシートは使用する布の大きさよりひとまわりほど大きいサイズで用意しておきましょう。
そして蜜蝋を溶かす際、クッキングシートから溶けた蜜蝋がはみ出すことがあるため、新聞紙の束か段ボールを広げておきましょう。つまり、それらはクッキングシートより大きいサイズで用意する必要があります。
裁ちばさみは、布を好きなサイズにカットしたい場合に使います。ない場合は、あらかじめ手芸屋さんで好みのサイズの布を購入してもいいですね。
用意する材料
- 布
- 蜜蝋ビーズ(布の約3倍弱の重さ)
みつろうラップの作り方
では、さっそくみつろうラップを作っていきましょう!
手順1:布を好きなサイズに切る
はじめに、好きな柄の布を好みのサイズに切り分けます。
家庭でよく使う深鉢などには、20×20cmのサイズ感で作るとちょうどよく使えるはず。もちろん、よく使うお皿のサイズに合わせて作ることも可能です。
大きいものから小さいものまで自由自在に作れることが、みつろうラップの魅力です。
なお、あまりにかたい素材の布を使うと、完成したときに使いにくくなってしまうため注意しましょう。
手順2:布の3倍弱程度の蜜蝋を用意する
切った布の重さをはかりで計測します。そして、その重さの3倍弱の蜜蝋を用意しましょう。
手順3:新聞紙とクッキングシートの上に材料を並べる
アイロン台の上に使用する道具と材料を順番に重ねていきましょう。
新聞紙、クッキングシート、布(裏表どちらでもOK)、蜜蝋、の順に重ねていきます。
蜜蝋は、布の上に均等になるように広げておきましょう。
手順4:アイロンで蜜蝋を溶かしていく
布に蜜蝋をしみ込ませる作業です。
蜜蝋を広げた上からもう1枚クッキングシートを敷き、その上から低温でアイロンを当てます。
アイロンを上からやさしくのせるだけですぐに溶け始めます。衣類のアイロンがけのように伸ばすのではなく、最初は当てるだけで大丈夫です。
ビーズ状の蜜蝋のつぶつぶ感がなくなってきたら、均等に染みわたるようにゆっくりとアイロンを動かしてみましょう。
手順5:冷めたらクッキングシートをはがして完成
ビーズが完全に溶け、布全体に広がったら冷まします。完全に冷めたらクッキングシートから布をはがして完成です!
余分な蜜蝋が布の端にくっついている場合は、ハサミ等で切り取りましょう。
みつろうラップを作る際の注意点
筆者が実際にみつろうラップを作ってみたところ、意外と一筋縄ではいかない部分がありました。
細かいことですが、これから紹介する点に注意すれば、スムーズかつきれいにみつろうラップを作れるはずです。
布や新聞紙の凸凹が悪さをしてしまう
使用する布や、下に敷く新聞紙に大きな凸凹があると、その部分だけうまく蜜蝋が浸透しない場合があります。
折り目がついている布の場合は、事前に布単体にアイロンがけをして、折り目やクセを伸ばしておきましょう。
均等に蜜蝋がしみ渡らない
アイロンを当てるとじわ~っと蜜蝋が溶けていくのですが、一回一通り当てただけだと、蜜蝋が均一に溶け切っていないことがあります。
一度冷ましてみて、蜜蝋の厚みの差がある場合や、一部分だけ蜜蝋がついていない場合はもう一度アイロンを掛け直してみましょう。
蜜蝋の量が少し多かった場合、余分な蜜蝋を布の中心から外側へ絞り出すようにアイロンがけすると均一に広がります。
みつろうラップの使い方って?
みつろうラップができあがったら、実際に使ってみましょう。
とはいっても、実際にできあがったみつろうラップはとても張りがあり、「どうやってラップとして使うの?」と感じるかもしれません。
例えで言うと、冬に水で濡らしたタオルを振り回して凍らせたような、「びくともしない布」のような感じです。
実は、みつろうラップの使い方のコツは、手のあたたかさを利用すること!
蝋を材料としたみつろうラップは、冷蔵庫など寒い場所ではかたくなり、常温では柔らかくなる特徴を持ちます。
そのため、手の温度であたためてあげることでみつろうラップが柔らかくなり、どのような形状にもフィットするのです。
ただし、その性質上熱には弱く、電子レンジなどは使えないため注意しましょう。使い方も人力という、なんともサスティナブルなラップです。
みつろうラップのデメリットはあるの?
簡単に作れるみつろうラップですが、普通のラップとは使い方が異なります。
ゆえに、使い勝手に対して「気になる」「使いにくい」と感じる人もいるでしょう。
ここからは、筆者が実際使ってみた正直な感想を紹介していきます。
みつろうの香りが少し気になる
みつろうラップは、蜜蝋の独特な香りがするのが特徴です。
最初は慣れなかったり、食品やお皿に香りがついてしまうことが気になったりする場合があるでしょう。
みつろうラップを手作りする際は、「匂いが少ない」という口コミがある蜜蝋を選ぶといいかもしれません。
蜜蝋が手につく
自分の手でみつろうラップをあたためる際に、手に少し蜜蝋がつく感覚があります。
心なしかペタペタする感覚があり、抵抗を感じる人もいるでしょう。しかし、気になる場合は軽く石鹸で洗うことで取れます。
こうした不便さを楽しむことも含めて、“手作りの良さ”なのかもしれません。
みつろうラップを作って、使って、保存を楽しもう!
試しに1枚作ってみようかな、くらいの感覚で気軽に作れるみつろうラップ。
好きな布で作れば、毎日の気分も上がることでしょう。
子どもと工作目的で作るのにもぴったりです。自分たちにできるエコを考えながら、ぜひ挑戦してみてくださいね。