大ピンチ続発! 登山初心者が直面する「緊急事態」17の解決法 | アウトドアの知識 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

アウトドアの知識

2023.08.16

大ピンチ続発! 登山初心者が直面する「緊急事態」17の解決法

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中年編集、35年ぶりの登山でヘトヘト山登り!  初心者が 直面する「緊急事態」とは?

キャンプはもちろん、山登りもシーカヤックも多くのアクティビティーがいまベストシーズンだ! でも自然の中で行なうからこそ、思わぬピンチがやってくる。編集部員が挑戦し、直面した危機とは?

教えてくれた人

アウトドアライター 高橋庄太郎さん(トップ画像・右)

仕事と趣味を兼ね、1年の半分近くは山などのフィールドへ。著書に『トレッキング実践学』(Addix)、『テント泊登山の基本テクニック』(山と溪谷社)など。

教えてもらった人 編集 オーシタ(トップ画像・左)

アウトドア初心者だが、編集部に異動してきて、ソト遊びの経験値が上昇中。だが、山登りは小学生のときに三重・藤原岳に家族で行って以来、35年ぶりで、不安要素だらけ。

師匠の的確なアドバイスに納得!

ビーパル編集部にきて半年以上が過ぎたオーシタ。最近はアウトドア遊びにも力が入っている。

「でも最後の登山は35年も昔。あのとき山頂で食べたうまいオニギリの味は忘れられないな~」
 
そこでガタつき始めた体にムチを打ち、改めて“初心者”として登山に挑戦することにした。
 
とはいえ、ひとりでは危ないと、師匠としてライターの高橋庄太郎さんが同行。オーシタがピンチのときには、きっと優しく助けてくれるはずである。
 
だが、しかし……。

「オニギリどころか、食い物を一切忘れるとは! 初心者とか関係ない、ひどいミスだね!?」
 
早々のあり得ないピンチに高橋師匠の言葉もキツくなる。
 
そもそも山では食料や飲み水以外に、ピンチを乗り切るための緊急用装備を事前に用意しておくことが、とにかく大事! だがオーシタはそういうギア類もまったく持参していなかった。
 
そのために、「靴擦れ」「腹痛」「捻挫」といったピンチが起きるたびに、オーシタの視線は助けを求め、師匠に。すると、バックパックのなかから、“使える”道具がどんどん出てくる。

「ドラえもんみたいですね!」

「オーシタ君、下の名前をのび太に改名したら?」
 最後の“ビバーク”はさすがにウソだが、ピンチに備える重要性、オーシタはわかったかな?

07:00
Start

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ひさしぶりの登山にテンションMAXのオーシタ。調子がいいのは、このときまでだった……。

07:30

ピンチ1

食べ物を家に忘れた!

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あーーーっ!

最初の休憩でオーシタは一切の食べ物を忘れてきたことが発覚! 山頂の売店は遠いのに。「エネルギー切れは事故の元。時間のロスだけど、登山口に戻って買い直し!」と高橋師匠。

10:00

ピンチ2

靴擦れになってしまった!

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次第に歩行スピードが落ちるオーシタ。「靴擦れっぽいです。でも絆創膏とか持ってないし……」。そこで、高橋師匠は"秘密兵器"をオーシタに。「普通の絆創膏より高価なんだから、下山したら倍にして返してね!」

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師匠が絶賛する"ハイドロコロイド絆創膏"。適当に切って張れば、もう一枚の肌のようにぴったりと柔らかく張り付き、痛みが激減する。

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10:30

ピンチ3

おなかが痛いけどトイレがない!

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いてて……。

なぜか腹を押さえて歩くオーシタの様子に高橋師匠が気付く。「クサい! もしや漏らす寸前?」。だが近くにトイレはない。仕方なく、師匠は"携帯トイレ"をオーシタに。体を隠せる場所で地面に広げて使い、終了後は凝固剤で固め、密封。いまや登山の必携品。

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13:00

ピンチ4

水を飲みきってしまった!

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トラブル続きで時間が過ぎ、オーシタは水を飲み切った。「少しだけ分けてもらえますか?」。師匠は冷たく拒否しつつも、代わりに浄水器を取り出した。

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てのひらに乗るサイズの浄水器。

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これさえあれば、本来ならば汚れていて飲めない水でも安全な水に変身!

14:00

ピンチ5

登山靴のソールがはがれた!

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自分でやってみて!

「どんなときも最低限の補修用具は持つべき」と高橋師匠。とくに役立つのはダクトテープなどの"強粘着性テープ"だ。今回はソールを登山靴に仮止めしてしのいだ。

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補修用具の三種の神器、結束バンド、細いロープ、強粘着性テープ。あとは工夫あるのみ。

15:00

ピンチ6

登山道から滑り落ちてしまった!

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ぎゃー!

急斜面を歩行中、突然オーシタが消えた! 次の瞬間、聞こえる笛の音。滑落したオーシタが、助けを求めているのだ。「なるほど音が大きくて役立ちますね。師匠に笛を借りておいてよかった〜!」

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15:15

ピンチ7

足を滑らせて捻挫してしまった!

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意外と簡単! 自分でできた。

オーシタは滑落時に捻挫したらしい。「だから応急処置具の用意が必要なのよ」と、高橋師匠が取り出したのはエマージェンシーテープ。さらにトレッキングポールの活用で、なんとか前進可能に。

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捻挫などに使える"エマージェンシーテープ"。説明書どおりに複数のテープを順番に張っていくだけで痛みを抑える。

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トレッキングポールを松葉杖代わりに!

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ポール先端とグリップ部分の2か所を細いロープで固定し、逆三角形に。その後に中央部もロープとテープで固定して持ち手を作れば完成。

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20:00

ピンチ8

明るいうちに下山できない!

山中でいつしか真っ暗に。「これがあればきっと大丈夫さ」と師匠はビバーク用具を渡し、オーシタを見捨てて下山。そのおかげでオーシタはなんとか夜明けを迎えられたらしい。

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右が輻射熱で温かなエマージェンシーシート。左の簡易的テントであるツエルトもあれば、より安全。

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早く朝がこないかな……。

 

店員さんに解決策を直撃!

山登りビギナーがショップで陥るピンチとは?

登山に興味を持ち、用具をそろえるためにショップへ向かったのはいいが、なにを買っていいのかわからない! そんな登山初心者の編集・イダが陥ったピンチ打開のため、親切な店員さんに解決する方法を聞いてきました。

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教えてくれた人

さかいやスポーツ 泉 将晴さん

東京・神田神保町の老舗登山用品ショップに勤務。さまざまなスタイルの登山を楽しみつつも、とくに植物観察をしながら山を歩くのが好きだという。

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教えてもらった人 編集・イダ

BE-PAL.NET担当編集。今年BE-PALに仲間入りしたのをきっかけに興味がめばえ、アウトドア道を猛進中。キャンプの次は登山が気になっている。

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ピンチ9

売り場にずらりと並ぶ靴を見て
どう選べばいいかわからずフリーズ

最近の登山靴は、多種多様。それなりに登山の経験がある人でも迷ってしまうほどだが……。「たしかにたくさんの登山靴に圧倒されて、フリーズする方は多いです(笑)。大事なのは、山に登る"目的"。例えば、日帰り登山なのか、小屋泊なのかということです。また、スピーディーに歩きたい方には、軽量な登山靴も用意しています。当店では登山靴を5~6タイプに分類して展示していますので、ひと声かけてくだされば、それに合わせて店内のコーナーにご案内できますよ」

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上左より
A  テント泊登山向け

荷物が重くなるテント泊のときは、足首周りがしっかりしていて荷重に負けないタイプ。硬めのアウトソールも重い荷物を受け止める。

B  山小屋泊向けシューズ

2日以上歩くためには頑丈な造りの登山靴が必要。ただし小屋泊はテント泊ほど荷物が重くないので、もう少し柔らかなタイプでいい。

下左より
C  日帰り登山向けシューズ

荷物が軽い日帰り登山の際は、歩きやすさを重視して軽量で柔軟性が高いタイプ。足にかかる負担が少なく、疲れにくいのがポイントだ。

D  アプローチシューズ

アプローチシューズといわれるタイプは見た目がシンプルながらアッパーやアウトソールが硬め。岩場が多い場所などで活躍する。

E  ハイキング向けシューズ

登山道以上に歩きやすく整備されている遊歩道のような場所であれば、日帰り向けよりももっと軽量/柔軟なシューズが疲れにくい。

F  トレイルランニングシューズ

軽量さを極めており、本来は登山道を走るシューズで、経験者向け。ただ、アップダウンの少ない里山ハイクなど、初心者も使える。

インソールでフィット感を調整

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「付属のインソールから専門メーカーのものに入れ替えるだけで、抜群に履きやすくなることも多いですよ」

ピンチ10

ウェアの種類がありすぎて何から買えばいいか迷って選べない

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登山用のウェアには多様な機能が搭載されている。「そのなかでも、とくに暑い時季に必要な機能は、かいた汗をすばやく乾燥させる"吸汗速乾性"と、体を動かしやすい"ストレッチ性"です。見た目を気にしなければ、学生時代に着ていたジャージでもいいんです(笑)。まずは左で紹介した"基本"で重ね着、つまりレイヤリングして体温調整します。雨が多い日本ではレインウェアも必携で、高山では薄手の防寒着があるといいですね」

基本

夏向けの"基本ウェア"は、「上半身は汗冷えしにくい吸汗速乾性のTシャツ類。直接肌に触れるウェアは体調コントロールにはとても大切です。その上はUV対策にも便利な長袖のシャツでレイヤリング。パンツは速乾性に加え、ストレッチ性が高いものにしましょう」

レインウェア

「レインウェアは雨だけではなく、冷たい風からも体を守ります。これをいちばん上にしたレイヤリングは富士山のような風が強い場所でも役立ちます」

防寒具

「高山は夏も涼しく、朝晩は寒いほど。場所によっては保温性と通気性を兼ね備えたソフトシェルやウインドシェルもプラスしてレイヤリングしましょう」

ピンチ11

バックパックが「大きすぎるのでは?」

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困ったら大型モデルを買っておけば間違いない気もするが……。「日帰りなら山頂でゴハンを作るクッカーや食材を持っていっても、容量30ℓ程度で間に合います。身軽に歩ける低山ならば荷室を雨蓋で上から覆うタイプよりも、ファスナーで開け閉めできるタイプのほうが、荷物が取り出しやすくてお勧めです」

ピンチ12

大事なのに、買い忘れがありそうで怖い

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「買い忘れやすいのがヘッドランプです。これがあれば、時間どおりに下山できない緊急時にも安全性が高まります。最近はUSBで充電するタイプが多く、モバイルバッテリーを持てば、スマートフォンも充電できますよ」

店員さんの本音は? お店でのピンチ一問一答

ピンチ13

知識がないのが恥ずかしくて、店員さんに質問できない

知識がなくても、まずは自分の琴線に触れたものを触り、感じてください。そのあとに店員の説明を聞くと自分の探している商品の方向性が見えてきますよ。

ピンチ14

親切な店員さんがずっと近くにいて、ゆっくり見られない

店員の説明が熱心すぎるときは、笑顔で「ありがとうございます」と返すに限ります。気が利く店員ならばお客様の気持ちを察し、そっと距離をとってくれるはず。

ピンチ15

店員さんの推薦品が好みじゃないけど、なんだか断われない

店員がおすすめした商品の特徴や価格などを確認することで、和やかにその場を収められます。それから紹介された商品を土台に似た商品などを探しましょう。

ピンチ16

予算に限りがあって必要そうなものすべては買えない!

登山の三種の神器がシューズ、バックパック、レインウェア。これらを優先して予算を組みましょう。上の説明のようにウェアはジャージでもよいのですから。

ピンチ17

お目当てのモノを買いに行ったら、品切れといわれた

この3年、コロナ禍と世界情勢で商品流通がとくに滞っています。どうしてもほしいものがある場合、店舗に入荷予定があれば予約し、少々お待ちください。

※協力/さかいやスポーツ シューズ館、ウェア館、エコープラザ 03(3262)0583

※構成/高橋庄太郎 撮影/後藤武久

(BE-PAL 2023年7月号より)

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