今や多くの人に愛されるようになったモンベル。ここではモンベルが力を入れる地域活性化の取り組みについて紹介しよう。
積極的に包括連携協定を結んで地域活性化に尽力
モンベルは全国にある販売拠点を中心に、各地の魅力を伝えるイベントや、自然のなかで遊ぶツアーなどを実施している。さらに、地方自治体や企業、教育機関などと積極的に包括連携協定を結び、地域の活性化などにも尽力する。その経緯と狙いをモンベル常務取締役・広報本部長の竹山史朗さんに聞いた。
「約20年ほど前、モンベルクラブの会員が地方に遊びに行ったときに特典を受けられる提携施設『フレンドショップ』を始めました。山小屋、スキー場、キャンプ場などです。2006年には長野県の小谷村から村全体と提携するお話を受け『フレンドエリア』という取り組みを始めました。これが地方と強い関わりを持つようになったきっかけです。2009年にはフレンドエリアで自然環境について学び楽しんでもらおうと『シー トゥー サミット』を鳥取県の大山・皆生エリアで始めました」
このイベントが好評を博し、各地へ拡大。その後、アウトドア・アクティビティーを楽しみながら全国を巡る『ジャパンエコトラック』を提案。2016年には三重県からの要望で、多面的に協力し合える関係を築こうと、初の包括連携協定を締結した。
現在122の団体と協定を結び、様々な角度から日本の魅力を伝える取り組みにチャレンジしている。
包括連携協定 一緒になって盛り上げるために
各協定先と連携し、地域の魅力発信、自然体験やエコツーリズムの促進など、アウトドアの知識をベースに多方面で提案をしている。
包括連携協定とは
官公庁や企業、団体、研究機関などが協力し、同じテーマについて協議、連携しながら物事を進めること。その協力関係を確認すること。
本誌とも包括契約を結んでいる!?
モンベルとビーパルは、2022年9月に包括連携協定を締結した。豊かな自然のなかでカヌーや自転車などの人力で旅する楽しみや、地域の歴史や文化などについて、連携を取りながら、モノづくりのプロ、メディアという、それぞれの立場で発信していくことを確認した。
モンベルが結んだ包括連携協定の数は122
※2023年2月16日現在
包括連携協定の効果として、イベントを通した地方の魅力発信なども活発に行なわれている。
(内訳)
教育・学術団体、医療機関等:6
企業:4
公的機関: 4
市町村 :98
都道府県: 10
包括連携協定後には、こんな変化があった!
モンベルとの連携で、とかく縦割りになりがちな行政機関内に横のつながりが生まれ、相互協力が活発になった例もある。
富山県立山町と通学「わんパック」を開発
連携先の立山町が、子供たちに贈るランドセル開発をモンベルに相談。軽量、防水のランドセルが完成した。
高知県本山町にアウトドアヴィレッジ、鳥取県大山町に参道市場が誕生!
宿泊しながら周囲の清流や山の魅力を満喫できる高知県本山町。鳥取県大山町では、地産の食の魅力を味わえる。
モンベルフレンドエリアからお届け!
包括連携協定先のふるさと納税も魅力
ふるさと納税の返礼品として、ご当地オリジナルのモンベル製品を提供する自治体もある。
※価格は寄附金額です
モンベル クリアボトル0.5L 立山
¥6,000
雷鳥の親子が描かれたイラストがキュートなクリアボトルは、富山県立山町の返礼品。
ムーンライト テント2 泉佐野オリジナルモデル ¥230,000
大阪府泉佐野市では、テントのほか、ウェアや小物まで豊富にラインナップ。
HAKUBA VALLEY OTARI別注コット ¥34,000
長野県小谷村の返礼品は、オリジナルロゴが入った組み立て式の愛犬用ベッド「ドッグコット」。
スポーツを通じて環境について考える
2023年も開催!
SEA TO SUMMIT
「シー トゥ サミット」とは、パドルスポーツ、バイク、ハイクの3種目でつなぎながら、自然の循環を体感し、自然について考えるイベント。前日に環境シンポジウムも行なわれる。順位やタイムを競わず、グループを組んでひとり1種目ずつ交代で参加するのもあり。自転車区間は、Eバイクの使用もOK。年々敷居が低くなっていて、地元からの参加率も上昇している。
START/KAYAK
山に降った雨が流れ着く海や湖川から、山へ向けて人力で移動を開始。
↓
BIKE
自転車では、田園風景広がる里を駆け抜け、登山口まで移動。
↓
HIKE
徒歩で山頂へ。季節、地域によって、コースの難易度は大きく変わる。
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GOAL
みんなでうれしいゴール!
「東近江大会を取材して」
大会当日はもちろん、「人と自然の共生」をテーマにしたシンポジウムの話も素晴らしかった。自治体や各種目をサポートする地元団体との連携もお見事(ライター/山本修二)
人力旅の楽しさ、文化、自然を知る
全国28箇所エリアに拡大中
JAPAN ECO TRACK
トレッキング、カヤック、自転車などの人力による移動手段で、日本各地の自然を体感し、地域の歴史や文化、人々との交流を楽しむ旅のスタイルを提案する「ジャパンエコトラック」。共通デザインで見やすいガイドマップやアプリを見ながら好きなペースで旅をする。マップは全国のモンベルストアで配布。現在、北海道から沖縄まで321のルートがある。
各地のルートは、ジャパンエコトラックのホームページ上でも簡単に検索できる。ルートには、レンタル自転車などの情報、途中のおすすめ休憩&食事スポット、参考タイムなども掲載されている。
ルート検索・GPS地図が便利な公式アプリ
無料の公式アプリには、旅のプランニングに便利なルート検索機能を搭載。旅先では、GPS地図機能を使って施設情報、見どころ、現在位置などを確認できる。
野外スポーツを満喫!
モンベル アウトドアチャレンジ
野外活動部門「モンベル・アウトドア・チャレンジ(M.O.C.)」。日本全国で多くのアウトドアツアーとイベントを開催している。全国のモンベルスタッフや、現地で活躍するモンベル・フレンドエリアのガイドが、とっておきのフィールドを案内。初心者向けのハイキング、ラフティング、自然観察など幅広いツアーを提供している。
ラフティング
ボルダリング
カヤック
地図読み
岩登り
ラフティング、カヤック、SUPなどのパドルスポーツほか、山登りやサイクリング、野鳥観察まで、あらゆるアウトドアアクティビティーを体験できる。子供が参加できたり、レンタルを使って体験できるプログラムもあり。
※構成/山本修二
(BE-PAL 2023年4月号より)