LEDの性能向上とともにヘッドランプも日々進化し続けている。今月は最新鋭のハイテクモデルとオシャレなモダンデザインモデルをVersus!
【High Technology】1500ルーメンで煌々と夜道を照らす!
ペツル/NAO RL
フランスのペツル社はヘッドランプのパイオニアで、1970年に洞窟探検家のフェルナンド・ペツルにより創設された。以来ケイビングやレスキュー分野では圧倒的シェアを誇る。同社が世界初の自動調光機能「リアクティブ・ライティング」を搭載した「NAO」を発売したのは2012年。本作はその最新バージョン。
¥24,530
問い合わせ先:アルテリア 04(2968)3733
SPEC
●重量=145g
●最大光量=1500ルーメン
●充電時間=3.5時間
●防水規格=IPX4
環境光センサーを搭載し、光量と照射角を自動制御
現在「史上最強」との呼び名が高いのがコイツである。トレランや山岳レース用に開発されたもので、一般的なキャンプ用モデルの出力が300ルーメン程度なのに対し、なんと最大1500ルーメンを誇り、照射距離は200mにも及ぶ。
しかも明るいだけではない。最新鋭の環境光センサーを内蔵し、周囲の明るさに合わせて最適な光量とビームパターンを自動調整してくれるのだ。おかげでスイッチ操作が不要となりランニングに集中できる。また消費電力も最適化されるのでバッテリーの持ちも格段に向上する。
調光の切り替わり方はとても自然で、手元の地図などを見るときには眩しすぎないフラットなライティングなのだが、目標物を探そうと顔を遠くに向けたとたん「ギュイーン」と配光がスポットになり、光量も強烈になる。もちろん手動での切り替えもできるのだが、コイツのAIが優秀すぎてわざわざ自分でいじる気にならないほどだ。
トレラン用にデザインされたハーネスはフィッティングもよく、145gという軽さと相まって長時間着用にもストレスがない。本気のアドベンチャーにぜひお薦めしたいモデルである。
ここがスゴい!
センサーが検知して最適な配光を行なう
本体にはワイドビームとスポットビームの合計10個のLEDが搭載されていて、それらを組み合わせその場の環境に応じた的確な照射パターンと光量を作り出してくれる。
電源部はモバイルバッテリーにもなる
容量3200mAhのリチウムイオンバッテリーはUSB(Type-C)経由で充電する。インジケータ付きで満充電時間は約3.5時間。スマホ等の充電にも流用できる。
独自のレイアウトでフィッティング最高
照射部が軽い上に前後バランスが良く、激しく動いてもズレにくい。付属のループを頭頂部に追加するとさらに安定する。赤色のリアライトを点灯させることもできる。
【Modern Design】シンプルでモダンなシリコンボディー!
ノグ/ビルビー
シンプルな本体は髪の毛が絡みにくいマット仕上げの医療用シリコンで成形され、ストラップ部は300~660㎜の範囲で調整ができる。取りはずし可能なユニットには全部で5灯のLEDを備え、計14種類の照射モードがある。また専用PCアプリを使用することで点灯モードを自由にカスタマイズできるのもユニークだ。
¥9,680
問い合わせ先:ダイアテック 075(702)7766
SPEC
●サイズ=90g
●最大光量=400ルーメン
●充電時間=4時間
●防水規格=IP67
オシャレなだけじゃなく、じつはかなりの高性能
いっぽうLEDユニットの小型化を活かし、思い切りデザインに振り切ったのがこちら。
自転車好きにはお馴染みだが、『ノグ』はメルボルン生まれのサイクリング用品ブランド。滑らかなシリコン素材を使った製品は同社の得意とするところで、ヘッドランプもノグの手にかかるとこんなにスマートになる。
だが優れているのはデザインだけではない。性能もアウトドアブランドに負けていないのだ。
LEDは合計5個で、ワイドとスポットのほか常夜灯の赤色や読書用のダウンライトも備える。各モードで4段階の光量切り替えができ、最も明るいモードでは100m先まで視認可能。さらに2灯を同時照射する「ブーストモード」も備えていて、さまざまな状況に対応できる。
さらにユニット内には高度な光学系が詰め込まれており、ボタン操作によって20度の範囲で光軸を電子的に上下させることができる。これにより従来のような機械的調整なしでも角度セッティングが可能なのだ。
個人的に感心したのがユニットをベルトから取りはずしてそのままソケットに挿せること。ケーブルを用意する煩わしさがない。なんてクールなんでしょう!
ここがスゴい!
コンパクトながら5灯のLEDを装備
正面中央にスポット灯、両サイドにカッティングの異なるワイド灯、右に赤色灯、下部に読書灯を備える。2個のボタンでモードや光量切り替え、光学的な角度調整が可能。
光軸調整のほかに手元用LEDを装備
メインLEDは20度の範囲で光軸調整ができるが、手元を照らすための読書灯があるのが地味にうれしい。テント内での作業やシュラフに潜り込んだあとの読書に最高なのだ。
コードレス充電式で出先でも簡単充電
LEDやバッテリーそしてUSBコネクタまでもが一体型になっているので別途ケーブルは不要。パソコンやモバイルバッテリーに直挿しできる。しかも完全防水!
テスター/ホーボージュン
大海原から6000m峰まで世界中の大自然を旅する全天候型アウトドアライター。Twitterアカウントは「@hobojun」。
※撮影/中村文隆
(BE-PAL 2023年4月号より)