ピストン西沢の「脱ハイエースなるか?ヨーロッパの実用バンでおしゃれバンライフ!」
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    2023.03.26

    ピストン西沢の「脱ハイエースなるか?ヨーロッパの実用バンでおしゃれバンライフ!」

     

    カングーでキャンプに行けばこんなイメージ。オシャレで映えるし、行きかえりの安楽さもポイント高し。

    クルマ大好きのラジオパーソナリティ、ピストン西沢さんがBE-PAL.NETで繰り広げる、遊びグルマの独断と偏見レビュー。今回は新しくなったルノー・カングーとトヨタ・ハイエース、シトロエン・ベルランゴ ロングについて語ります。

    たくさん積めて長く使えるハイエース

    2007年型25万キロ走行のハイエースレンタカー。

    ハイエースは確かに素晴らしい。ピストン西沢も常にほしいクルマのトップにいる。しかし、へそ曲がりだし、そもそもイタリアやフランスのクルマが好きということもあって、ここでハイエースと、新型ルノー・カングー、さらに.シトロエン・ベルランゴのロングを比べて、勝ち負けを独断と偏見で決めてみることにしました。

    ハイエースは手近なものがなかったので、わざわざレンタカーで借りてみたけれど、この25万キロ走ってるクルマがしっかりしていて、まずはびっくり! まさに商用車の面目躍如というところで、東京に住んでいたらこんなに走らないと思うが、クルマ移動メインで20年間所有するっていうのも現実的なんだな!と思いました。

    ハイエースは豊富なラインアップが魅力だが、さすがに個人持ちでワイドのハイルーフはデカすぎるww  欲しいけど。

    カングーの観音開きは好き嫌いが分かれるところ。でも、さすが商用車で荷物は積みやすいぞ。左は新型、右が旧型。

    シトロン・ベルランゴ ロングは個性的なスタイリングが特徴。

    さて、本題に戻るとまず整理すべきはこの3台のいいところ悪いところ。

    じゃーん!! まずハイエースのいいところはとにかく荷物がたくさん積めること。大きさは、標準ボディで全長4695㎜×全幅1695㎜×全高1910㎜。これはカングーより長くて、幅が狭くて、背が高い。ベルランゴのロングボディと比べると、短くて幅が狭くて、長いということになる。もちろんボディバリエーションが豊富なんで、この数値的な比較はキリがありませんね()

    荷室もその絶対的な箱の影響で、ハイエースが広いわけで、何はともあれ荷物を積む人には迷う余地もなくハイエースの勝ち! 荷物が積めればレジャーの幅も広がるし、ここは大きなポイント。

    家族のクルマにはマストな装備、ACCの有無は?

    現行型のハイエースは2004年登場なんで、基本の古さはすべてに表れているぞ。カーナビの大きさ、スイッチ類の前時代感、そしてなによりハンドルにほとんどスイッチ類がないじゃないか!! これはキャラバンも一緒で、すなわち大好きなACCがついていないことになる。ACCは前車を追いかけてアクセルとブレーキで車間を保つ週末の高速道路には必然機能。渋滞でお父さんが楽に運転することで家庭内の不和も防げる、家族のクルマにはマストな装備なのだ。

    ハイエースの運転席はシンプルっていうか、なんもないですwこの年式は……。

    一方、新しいカングー、ベルランゴにはACCなどがついていて、トルクがあるエンジンがいい仕事をするから、前のクルマを追いかける追従性もなかなかのもの。ハイエース、ベルランゴ、カングー共々、多かれ少なかれ衝突軽減ブレーキや車線逸脱警告などはついている。運転のクセでいくと、ハイエースは内輪差が気になるので、カーブの奥に突っ込んでからハンドルをたくさん回すコツがいる……。

    運転席からの眺めもかなり普通車で運転しやすさ一番はカングー。

    ベルランゴはエンブレが効かない(理由は後述)……。こういう理由で、週末にお父さんが運転して、平日はお母さんが子供乗せたり買い物なんて使い方では、お母さんはイヤがるかもね。ここでは一番運転しやすいカングーの勝ちだ。

    ベルランゴの運転席回り。若干目線が高いし、運転した感じもクセがあるが、慣れることを前提に試乗してみてください。

    うなるエンジン! ハイエース

    アクセルを踏み込むとハイエースはとにかく音と振動でお祭り状態。売れ筋のガソリン2リッターは100kW/182Nmと控え目な力なので、それに伴いギアが低めでエンジンがうなりまくるブイーン。ディーゼルは2.8リッターで111kW/300Nmをこちらも6ATで動かすが、どちらも最近のクルマであるカングー、ベルランゴにはかなわない。

    トルク感ある走りで特に印象がいいのはベルランゴで、1.5リッターのディーゼル・エンジンを8ATと組み合わせてはいるのだが、ギア比の妙でエンブレがほとんど感じられず、失速感がない。好き嫌いはある特性だが、西沢は気に入りました()。トルクは300Nmあるので大人7人フル乗車でも、温泉地の山登りはストレスを感じないはずだろ? って思うけど。

    乗り心地で見ると、ハイエースは荷室優先のキャブオーバーで、運転手は前輪の上に載っている。そもそも、そこにはエンジンもあるので、うるせーことこの上ない。さらには乗り降りも高い場所に登る感じで疲れるし、シートも味気ない。

    後ろの席は言わずもがなで、現場に行く感じが否めない。

    カングーの2列目は3人乗れるが、大人だとギューギューだ。

    カングーに寝てみたが、やはりロングボディに比べると足が曲がって残念。その点、ボディが選べるハイエースは無敵。

    ベルランゴのシート生地はおしゃれだし、クルマ全体から遊びを感じる。特別な週末を盛り上げるには最適。

    ベルランゴの3列目は実用性が高く、トルクのあるエンジンを使って、full乗車で出かけたい。

    その点オシャレ感覚が光るカングー、ベルランゴとは、比べるべくもない。特に購入動機になりそうなのがベルランゴのシートのデザインや、ロングならではの3列目シートの乗り心地。エアコンの吹き出し口や、目線も配慮されていて、これは常時使える7人乗りだと思う。大家族はこれにルーフボックス付けて、レジャー道具を載せて移動するのが最高の週末のはず。だからベルランゴの勝ち。

    これにはタイヤの要素が大きくて、ハイエースは1 ナンバーや4ナンバー登録なのに対して、カングー、ベルランゴは普通車登録。商用車用タイヤが装着されるハイエースと、乗り心地のいい乗用車用タイヤが装着できるカングー、ベルランゴは差が付きますな。この点でカングー、ベルランゴの勝ち。14ナンバーは車検も短いです。

    燃費はハイエースがDX GLパッケージ2リッターのガソリンで9.4㎞。 2.8リッターディーゼルで同12.4㎞。 カングーではガソリン15.3㎞、ディーゼル17.3㎞。ベルランゴは18.1㎞と、大きな差がつく(すべてWLTCモード燃費)。ただ、カングーはプレミアムガソリン仕様で、今の価格を考えるとあまりうま味がないかも? 買うならディーゼルかなぁ?

    輸入車は買い取りも高値安定!

    最後に価格だとハイエースの売れ筋として DX GLパッケージ 2WD 2リッターガソリンが¥2.606.600。2.8リッターディーゼルのスーパーGLが¥3.755.500。両方標準ボディだ。

    対してカングーは人気の黄色が選べるクレアティフでガソリン車¥3.950.000、ディーゼルは¥4.190.000。ベルランゴのロングはディーゼルのみで、3列シート上級グレードの SHINE XTR PACK が¥4.554.000。こう見るとハイエースのガソリン仕様の安さが光りますな。

    上級者ならハイエースを買って、改造って手もある。ベルランゴの値段を考えたら、その差は約195万。これだけあれば、サス、タイヤ、ホイール、シート、遮音材、その他までいじれそう。今回乗った25万キロ走行の2007年登録のハイエースが調子よかったので、同じくらいのものを検索すると50万円くらいで買える。この先はかなりの上級レベルだが、その過走行車をベースにする手もあるかも?

     一方で初期費用が高いカングー、ベルランゴは、買取り価格は高値安定で、3年落ち2万キロ程度の走行個体が8掛けで売られている。ということは、買取りでも6割強は狙えるかも? 改造しまくったハイエースは値段がつかないし、これは悩む。逆に輸入車は高値なんで、中古車のうま味は少ないですね。

    ハイエースのバンにするか、より乗用車のワゴンにするか、価格とあとから遮音材などでいじる予定も組みながら選びたい。ちなみに最近はディーラーでも遮音のオプションありますね。

    結局は何をしたいから何を買うということ。普段の買い物から、週末はラクチン高速移動で、小さな子供や大人同士で遊ぶならカングー、ベルランゴ。一方で週末、MTBやカヌー運んで、本気の人同士で遊んだり、子供が大きくなって積載量が増えた家族ならハイエースなんて、そんな絵も浮かびますね。

    もちろん各々オーバーラップしてるわけで、余計なお世話なんですが、改めて勝ち負けはつけられず、自分で選んでくださいというお話でした()。西沢は泥沼として、ハイエースの中古改造にはまりたいなぁ。

     

     

    私が書きました!
    ラジオDJ、ミュージシャン
    ピストン西沢
    多数のラジオ番組にてパーソナリティを担当。ウィックに富んだトークが人気を集め、第48回ギャラクシー賞でDJパーソナリティ賞を受賞。一方で車好きとしても知られ、レーサーとしてインテグラレースやスーパー耐久などに参戦。日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員も務めた実績もあり。https://twitter.com/piston2438

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