初めて買う人にぴったり!ビクセンの新作小型双眼鏡「APEX Ⅱ HR8×24WP」を使ってみた
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    2022.08.20

    初めて買う人にぴったり!ビクセンの新作小型双眼鏡「APEX Ⅱ HR8×24WP」を使ってみた

    天体望遠鏡メーカーのビクセンが、2022年6月に新作の双眼鏡を発売。普段は双眼鏡を使うことがめったにない筆者だが、星を見るのに十分なスペックを備えながら、コンパクトなサイズでつい手を出してしまった。そんなど素人でも使えるのが、実際に試してみた。

    初心者でも簡単に扱える中堅モデルの双眼鏡

    テーブルにのせた双眼鏡

    「APEX Ⅱ HR8×24WP」¥27,500

    今回紹介する「APEX(アペックス)Ⅱ HR8×24WP」は、防水性と耐久性を両立させた小型双眼鏡。商品名にあるHR8×24WPは、8が倍率、24が対物レンズ有効径(先端部のレンズの大きさ)を表したもので、同商品のスペックは倍率が8倍、有効径は24mmとなる。

    本体に刻印されたスペック

    スペックは商品の片側に刻印。

    同メーカーの商品の倍率は4〜12倍がボリュームゾーンで、それを見ると8倍はほぼ真ん中の倍率。また有効径は12〜50mmと幅広く、その中で24mmはやや小さいサイズになる。総じて、APEX Ⅱ HR8×24WPは中堅のスペックといったところだろう。

    余談だが、倍率が高いほど遠くのものを見られるが、一方で実視界が狭くなり対象物を探しにくくなるデメリットがある。また対物レンズ有効径が大きいほど集光力があり明るさは増すが、一方で双眼鏡自体が大きくなり重量も増すデメリットがある。この2つのバランスを考えて購入を決めたほうがいいだろう。

    細かいスペックは記事最後に載せているので、そちらをご確認いただきたい。

    コンパクトになる収納力

    たたむと手のひらに載せられるほど小さくなる。

    本題に戻るが、サイズは9.5×6.7×4.3cmで、重量は223g。片手で扱える大きさで、大人だけでなくこれなら子供でも問題なく持てそうだ。

    また、本体には不活性窒素ガスを充填した防水設計で、急な雨が降っても壊れにくくなっている。さらに、外装には独自のラバー加工を施し、ハードな使用にも耐えられる。

    収納ケース

    通気性とクッション性のある収納ケース付き。

    ポーチに収納した状態

    旅行用のポーチに入れて持ち運べる。

    同商品はスポーツ観戦からトレッキング、旅行まで幅広い場面で使える仕様で、同じ価格帯の双眼鏡だとハード素材もしくはしっかりした生地を使ったケースが用意されているが、こちらはソフトケースが付属されており、ポーチなどに入れて手軽に持ち運べるようになっている。

    双眼鏡の扱い方

    視度調節リング

    右側にある視度調節リング。目当て部はゴム製で、目元が当たっても痛くなりにくい。

    双眼鏡を扱う際には、4つの操作をする必要があります。第一に、目と双眼鏡の接点である目当て部を調整。裸眼はこれを引き出し、メガネを付けている人はしまった状態で使う。

    第二に、本体を開いたり閉じたりして目の幅に合わせる。これが合わないと、対象物が2つに見えたり、真っ暗で見えなかったりする。

    ピントリング

    中央にあるピントリング。

    第三に、右目を閉じて左目だけでレンズを見て、ピントリングでピントを調整。第四に、左目を閉じて右目だけでレンズを見て、視度調整リングでピントを調整で完成。対象物がちゃんと見られると、目が疲れることなく長時間使える。

    実際に天体を観測してみた

    月を観察する筆者

    双眼鏡を使う際は、ストラップを首に下げて使おう。

    さて、使い方がわかったところで、実際に夜の空を眺めてみた。この日は雲ひとつない夜空で、街中ではあるがある程度星が見られた。

    コンデジで撮影した月

    コンデジで撮影した月。

    双眼鏡がどのくらい高い精度なのか、カメラで直接撮影した月の写真と、双眼鏡を通してスマホで撮影した月の写真を比べてみよう。まずはコンデジから。こちらは光学4.2倍ズーム(一番ズームした状態)で撮影したもので、「月の左側がちょっと欠けているかな?」と思うくらいぼんやりとしていて、月を詳しく観察できない。

    iPhoneで撮影した月

    iPhoneで撮影した月。

    次にAPEX Ⅱ HR8×24WPを通して、3倍ズームにしてスマホで撮影した写真。コンデジとは一目瞭然、美しく撮影することに成功した。月の欠けだけでなく、模様までしっかりと見られる。

    スマホで月を撮影する際の方法

    スマホで月を撮影する際の方法。

    ちなみに、ビクセンの担当者から撮影の方法を教えてもらった。
    双眼鏡を撮りたい方向へ向け、スマホは逆さの状態で接眼レンズに付ける。これにより、スマホと双眼鏡とピタッと合わせながら、スマホのボタン画面を人差し指でタップでき撮影できる。自分が撮影した月もこのようにして撮れたので、参考にしてもらいたい。

    双眼鏡を使って気になったこと

    双眼鏡自体に不便がなかったが、接眼レンズと対物レンズを覆うキャップが全4個付いており、屋外で使っている際にこれらを紛失しないか不安になったのは正直な感想。

    紛失しても双眼鏡は使えない訳ではないが、レンズに砂ぼこりが入ったり傷がついたりしたら、場所が悪ければ対象物をちゃんと見られなくなる可能性がある。キャップは紛失しないように保管しよう。

    また、同商品には三脚取り付け口が付いていない。普段使う分にはまったく不便ないが、双眼鏡を通して撮影しようとすると、手ブレで対象物をきれいに撮りにくくなる。

    今後はバリエーションも増える予定

    双眼鏡とランタンと星座早見盤

    APEX Ⅱ HR8×24WPは中堅モデルとはいえ、月をきれいに見られたので筆者としては十分なスペックであると感じた。また、コンパクトなサイズで持ち運びもしやすく、今後やフェスやキャンプなどでガンガン使っていきたい。

    なお、今後は倍率10倍のモデルと12倍のモデルが発売する予定とのこと。発売する際は公式サイトで掲載されるとのことなので、より高い性能を求めている人はぜひチェックしよう。

    商品紹介

    APEX Ⅱ HR8×24WP

    価格:¥27,500
    サイズ:9.5×6.7×4.3cm
    重量:223g
    実視界:6.2度
    見かけ視界:46.9度
    1000m先視界:108m
    ひとみ径:3mm
    明るさ:9
    アイレリーフ:12mm
    至近距離:約5m
    目幅:35~70mm

    ビクセン 公式サイト
    https://www.vixen.co.jp

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