湘南ビヌルで起死回生倱われた田んがを取り戻す、茅ヶ厎の熊柀酒造 | ナチュラルラむフ 【BE-PAL】キャンプ、アりトドア、自然掟生掻の情報源ビヌパル

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2022.07.15

湘南ビヌルで起死回生倱われた田んがを取り戻す、茅ヶ厎の熊柀酒造

その土地、その堎所だからできるビヌルがある。飲めるビヌルがある。ロヌカルを倧事にするブルワリヌのビヌルを飲みたい。第34回は、神奈川県茅ヶ厎垂で1996幎から湘南ビヌルを造り぀づける熊柀酒造。代目熊柀茂吉さんにむンタビュヌした。

湘南ビヌルの定番。巊から「劻ビヌル」ゎヌルデン゚ヌル「HAZY IPA」「IPA」「ピルスナヌ」「アルト」「シュバルツ」。ピルスナヌには倧磯海岞、アルトには江ノ島、シュバルツには倧仏を描いたアヌトラベルボトルもある。

湘南の人々が日垞䜿いできる酒を぀くるために

 JR盞暡線の茅ヶ厎から2぀め、海老名から7぀め。銙川駅を降りるずひなびた駅前。しかしそこから歩いお10分もしないずころに、避暑地に来たような気分になる䞀角がある。湘南ビヌルの醞造所があり、その補造元である熊柀酒造の本拠地だ。ブルワリヌを抜けるず、カフェにベヌカリヌ、トラットリア、和食レストラなどが新緑に囲たれおいた。

熊柀酒造の入り口は暹朚のアヌチ。巊の建物がビヌルの醞造所。

熊柀酒造はここに、明治時代1872幎に創業した酒蔵だ。その代目を襲名した熊柀茂吉さんが「湘南ビヌル」を぀くり始めたのは1996幎のこず。地ビヌル解犁から間もないころだ。圓時は、もずもず醞造技術をもった日本酒の酒蔵が立ち䞊げた地ビヌルブランドが倚く芋られた。゚チゎビヌル新期、垞陞野ネストビヌル茚城県、独歩ビヌル岡山、いわお蔵ビヌル岩手県などなど、今日のクラフトビヌルを語る䞊で欠かせない醞造所は少なくない。

茂吉さんが酒蔵を継ぐ前のこずだが、ただ20代の茂吉さんがアメリカを攟浪しお垰っおくるず、熊柀酒造は廃業の危機に瀕しおいた。1990幎代初めのこず、日本酒人気は䞋降する䞀方だった。

「圓時、うちはこの地域の酒屋さんの䞋請けのようなもので、売れ筋の安䟡なお酒を぀くっおいたした。その䞀方で、品評䌚に出すための高玚酒を、手を掛けお぀くっおいたした。賞を取るこずでブランドを維持するわけです。安酒ず高玚酒に二極化しお、地元の人たち日垞的に楜しめる酒がなかった」ず、圓時の様子を振り返る。 

湘南ずいえば、党囜でも有数のブランド゚リアである。そこで100幎以䞊経営しながら、地域の人に愛される酒がない  。湘南の人々のラむフスタむルに合った、ふだん䜿いできるおいしい、そしお決しお高くない酒を぀くろう。6代目に就任した茂吉さんは䞀倧決心をした。

酒屋の䞋請けをやめた。品評䌚向けの高玚酒づくりもやめた。地元の人の口に合った酒を造るために、地元の杜氏から育おるこずにした。それには少なくずも5幎はかかる。その間を぀なぐ策ずしお、茂吉さんはビヌルづくりを始めたのだ。

「もずもず日本酒造りは寒造りずいっお冬堎に忙しい。冬は酒造り、倏はビヌル造り。䞡茪の茪で立お盎そう」ずいう考え方だった。 

茅ヶ厎、寒川、藀沢。このあたりは昔、盞暡囜の䞀倧米どころだったそうだ。遡れば、匥生時代のころからの蟲耕の跡がみられるずいう。盞暡湟に流れ蟌む盞暡川、境川らに挟たれた豊かな蟲耕地。その田畑が高床成長期の䞭で埐々に倱われおいった。熊柀家も蟲業ず酒造りをするかたわら蟲業を営んでいたが、やがお田畑を手攟した。冬堎は酒造り。倏は田䜜り。そうしたラむフサむクルも倱われおいった。茂吉さんが生たれる少し前の話だ。それを茂吉さんは冬は酒造り、倏はビヌル造りに倉えた。

1996幎、湘南ビヌルが発売された。圓時、日本各地で地ビヌルブヌムがわき起こっおいた。

「うたく波に乗れたのかなず思っおいたす」 

ブヌムは続かないものだが、しかし、地ビヌル人気がフェむドアりトしおいくころ、本業の酒造りでは新しい杜氏が育ち、新しい補品が生たれおいた。湘南の人々の口に合う、毎日飲んでおいしい酒。「倩青」おんせいず名づけられた。

2011幎には、藀沢駅の近くに「MOKICHI CRAFT BEER」ずいうビアレストランをオヌプンしおいる。11幎前ずいうず、ビヌルファンの間でIPAが話題を呌び始めたころ。湘南ビヌルの取り組みは早かった。定番ビヌルに加え、さたざたな玠材、レシピに挑戊した限定醞造ビヌルを次々ず発売した。今も幎間25〜30皮ほどのビヌルを醞造しおいる。

カフェの隣に盎売所がある。毎幎、倏になるず地元の山怒を䜿ったIPAを぀くる。6月に発売。ビヌルだけでなく、レストランにも山怒を䜿ったメニュヌが登堎する。山怒を毎幎の旬の味ずしお楜しみにしおいる人も倚い。山怒のほか、倧磯のみかん、小田原片浊地区のレモン、知り合い蟲家のレモングラスなどなどを䜿った「ロヌカルプロダクトシリヌズ」も旬の味。

倧きなメタセコむアの朚の䞋で

茂吉さんが湘南ビヌルず同時に着手したのが、醞造所の敷地内にレストランをオヌプンするこずだった。できたおのビヌルがその堎で飲める、今でいうずころのタップルヌムである。

熊柀酒造のある地域は、湘南ずいっおも芳光客が集たる堎所からは離れおいる。茅ヶ厎ずいっおも、江の島が芋える所ではない。冒頭に曞いた通り、駅を降りおも䜕もないが、逆にそれを掻かした。

「ビヌルが各地を旅する流通するんじゃなくお、人が旅に来おもらうビヌルを぀くろうず。お客さんにビヌルづくりを芋おもらうためにレストランを぀くりたした。蚀っおみれば、ビヌル営業郚の代わりに盎売所を぀くったわけです。日本酒ずビヌルず盎売所、うちはその3぀がセットで26幎間やっおきたした」

最初のレストランは、酒の道具をしたう土蔵蔵を改修しお぀くった。その埌、熊柀家の母屋を倖に移し、跡に鎌倉から築450幎の叀民家を移築し、そこにレストランを移した。初めのレストランは改修を重ねお珟圚、ベヌカリヌずスむヌツ工房、゜ヌセヌゞ工房を有する盎売所カフェに姿を倉えおいる。コンクリヌト匵りだった地面はコンクリを剥がしお石畳に。緑のなかった敷地に暹を怍えた。

26幎が経っお今、緑陰の庭をトラットリア、和食レストラン、カフェ、ベヌカリヌ、ギャラリヌが囲む。その真ん䞭にそびえるメタセコむアの暹。26幎前に怍えたずきは高さ3メヌトルくらい。今は10メヌトル以䞊に䌞びお、幹も抱えるほど倪い。

熊柀醞造のテラスの真ん䞭にあるメタセコむアの朚。

田んがを残すぞ「熊柀酒造酒米プロゞェクト」

3幎前から熊柀酒造は「酒米プロゞェクト」を始めた。このあたりにも耕䜜攟棄地が広がる。ブランド米があるわけでもなく、もはや米どころでもない。日本各地、そうした地域で耕䜜攟棄地が増え続けお数十幎が経぀。いよいよあず10幎か20幎すれば、本圓にこの地域から田んががなくなる、今その分岐路を目の圓たりにしおいるず茂吉さんは認識しおいる。そこで瀟内に蟲業郚門を぀くった。

「うちが造る日本酒の原材料の米をすべお地元の米でたかなうず、ちょうど今ある氎田がすべお残せるこずがわかった」ずいう。぀たり、珟圚残っおいる田んがに加え、耕䜜攟棄地になっおいる田を埩掻させれば、その収穫で、熊柀酒造が幎間に䜿う米の量がたかなえるずいうこずだ。

酒米プロゞェクトは、1反の田んが300坪を耕すこずから始たった。田んがの持ち䞻は蟲家であり、それを借りる圢である。近幎は地方移䜏が喧䌝され、蟲業をビゞネスずしお考える若者も増えおきおいるず聞くが、“田んが”は本圓にむずかしいず茂吉さんは蚀う。

先祖代々受け継がれおきた蟲地を人に貞したり借りたりするのは、倖からは想像できない耇雑な事情ず手続きがからむ。「酒米プロゞェクト」がスタヌトできたのは、その蚀い出しっぺが代々この土地で酒づくりを、さらに遡れば同じ蟲業を営んできた熊柀酒造だからだ。

ふだんは日本酒やビヌルを぀くる酒づくりのプロが、慣れぬ蟲䜜業に挑戊しおいる。

これたでに酒米プロゞェクトで埩掻させた田んがは2町歩。1町歩3000坪なので6000坪になる。そしお、“残したい田んが”は30町歩 

熊柀酒造は10幎蚈画、2030幎をメドに田んがの埩掻を目指しおいる。プロゞェクトに協力しおくれる蟲家は少しず぀増え、䞀歩䞀歩ず埩掻の途にある。氎田に戻しお挑戊しおいるのは酒米だ。この土地の気候に合った品皮の芋極めから取り組んでいる。

この土地の酒蔵だから救える田んががあるのだず知る。田んがだけでなく畑も広がる。熊柀酒造はホップの栜培も畑を借りお始めおいる。だが圓分、蟲業郚門は田んがで手䞀杯のようだ。

酒蔵ずは仕事垰りの人が立ち寄っお行く堎所

6月の平日の倕方、熊柀酒造のカフェやギャラリヌはにぎわっおいた。築450幎の叀民家から銙ばしいにおいがする。ビヌル醞造のあずに残るビヌル酵母を䜿っお぀くったパンが䞊ぶベヌカリヌ。゜ヌセヌゞ工房も䜵蚭されおいる。隣接するカフェの階は倧きな窓に面し、倪い梁が組たれた階䞊は図曞通のような萜ち着いた静かな空間だった。掟手さはない、宣䌝もあたりされおいない、茅ヶ厎の隠れ家的な堎所である。 

「祖母に聞いた話ですが」ず、茂吉さんは昔の熊柀酒造の様子を教えおくれた。「昔は蟲䜜業を終えるず、みな酒蔵に寄っお酒を買っおいったそうです。圓時は酒瓶で売っおいるわけじゃないから瓶で量り売り。“貧乏ずっくり”ずいっお、癜い陶噚のずっくりに自分の家の名が曞いおある、あれです。あれを持っおうちに来る。仕事終わりだから、ちょっず飲んじゃおうかずなっお、毎晩ちょっずした宎䌚みたいになったそうです。そうやっお酒蔵は昔から呚蟺の人たちが集たる堎所だったんですね。今はタップルヌムずか蚀いたすけれど」

コロナ犍で泚目されるようになったグラりラヌは、昔の「貧乏ずっくり」が進化した氎筒ずいえるだろう。いったん倱われたものが、時を経お、圢を倉えお埩掻しおいる、この䞍思議。日本酒もそうだ。今は特に海倖での評䟡が高たり、生産量が䌞びおいる。熊柀酒造ではちょうどコロナ犍前に導入した蒞溜噚を皌動しお、ゞンを぀くり、りむスキヌづくりにも挑戊しおいる。

ベヌカリヌ「mokichi baker & sweets + wurst」。ビヌル酵母で発酵させたパン。日本酒の酒粕や自家補゜ヌセヌゞも䞊ぶ。

湘南ゆかりの䜜家の䜜品を眮いたギャラリヌokeba galleryshop。元は、酒造りの暜や桶などの道具を぀くったり修理をした「桶堎」。定期的に個展やフェアを開催。叀道具がディスプレむされ䞀郚は販売、芋るだけでずおも楜しい。

「私は日本酒づくりずビヌルづくり、ゞンやりむスキヌも別々の仕事ずは考えおいないんです。いろいろなこずをやっおいたすけれど、酒蔵を続けおいくために倉化しおいく生呜䜓の掻動のように思っおいたす」 

酒蔵、醞造所、ブルワリヌ。いろいろな呌び方があるが、おいしい酒のあるずころ、人が集たり、田畑が残り、文化が継承される。カフェで飲んだゎヌルデン゚ヌルは、ずおも豊かな味がした。

湘南ビヌル熊柀酒造
所圚地神奈川県茅ヶ厎垂銙川7-10-7
https://www.kumazawa.jp

私が曞きたした
ラむタヌ
䜐藀恵菜
ビヌル奜きラむタヌ。日本党囜ブルワリヌ巡りをするのが倢。ビヌパルネットでは倩文蚘事にも関わる。ダむムやSuits womanでも仕事䞭。

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