東北の未利用資源を活用し、環境に配慮したものづくりから生まれたスキンケアブランド | ナチュラルライフ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

東北の未利用資源を活用し、環境に配慮したものづくりから生まれたスキンケアブランド

2021.12.29

休耕田や今までは使えないと廃棄されていたものなど、日本国内には未利用の資源が多く存在します。そんな未利用資源に独自の発酵技術で命を吹き込み、新たな製品を生み出している「ファーメンステーション」が、「薬王堂グループ」とコラボして、素肌と環境にやさしいスキンケアシリーズ「and OHU(アンオフ)」を開発しました。未利用資源を活用するだけでなく、生産工程で出る発酵粕もすべて無駄なく使うというサーキュラーエコノミーを実践しています。東北の未利用資源にこだわった理由や、どんな風にごみゼロを実現しているのか、発表会で伺いました。

作り手が見える原料を使いきる「and OHU」とは

休耕田を活用し、オーガニック米を育てています。

Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」を目標に、未利用資源を再生・循環させる社会を構築しているファーメンステーションは、岩手県奥州市にラボがあり、独自の発酵・蒸留技術でエタノールやサステナブルな化粧品原料などを開発・製造しています。国内の有名オーガニックコスメブランドのOEMも行なっているため、知らないうちにファーメンステーションで開発されたアイテムを使っているかもしれませんよ。そんなファーメンステーションとコラボした薬王堂グループは、東北6県に350以上の店舗を展開しています。そんな東北つながりでコラボし、東北の自然素材や副産物などの未利用資源をアップサイクルした素肌と環境にやさしいスキンケアシリーズが「and OHU(アンオフ)」です。東北地方は「奥羽(おうう)」と呼ばれることから、ブランド名には『奥羽とともに』という思いが込められています。またロゴでは、東北の6県がつながり、世界に向けて発信していくということが表現されています。東北の原料を使った、北国ならではの保湿をメインに考えたスキンケアシリーズです。

機能性が豊かな東北の作り手が見える原料

機能性にも着目し、原料を選定。

原料選びは、直接生産者のもとへ足を運び、作り手の顔が見えるものにこだわっています。もちろん機能性にもこだわり、発酵技術を活用した原料加工など、スキンケアとしての機能性が引き出されています。しかも、これらの原料から、廃棄するものがないというのが驚きです。例えば休耕田だった土地でオーガニック米を育て、エタノールを抽出し搾り粕となる残渣は、石けんや鶏のエサに使われます。その鶏のフンは堆肥に活用され、そのまま廃棄されるものがないのです。

景観も美しいひまわりもすべて活用されます。

また他の休耕田ではひまわりを育て、お花で元気をもらい、その後は種から油を搾り、絞り粕はまた土へと還っていきます。ただ循環するだけでなく、景観にも配慮しているなんて、見る人の心にもやさしい取り組みですね。

岩手県が国内随一の産地であるヒエ。

今回、筆者が気になった原料が「ヒエヌカ」です。なんと、東北を代表する雑穀とのこと。国内随一の産地が岩手県なのだそうです。食物繊維やミネラルが豊富で、今スーパーフードとしても注目されている雑穀の一つですが、そのヒエのヌカを化粧品成分として使えるオイルにし、世界で初めてスキンケアとして製品化されました。ヒエヌカは、抗酸化成分を多く含んでいるとのことで、今まで廃棄していたのがもったいないですよね。植物由来の原料をベースにナチュラル処方にこだわり、鉱物油や合成香料、パラベンなどは一切使用されていません。低刺激な処方で肌質を選ばず、素肌と環境にやさしいスキンケアシリーズです。

ブランドデビュー第一弾はスキンケア5アイテム

(左から)クレンジングオイル 120mL 1320円/フェイスウォッシュ 100g 1100円/モイスチャーローション 120mL 1320円/モイスチャーミルク 100mL 1320円/リップ 4g 660円 ※すべて税込み。

「and OHU(アンオフ)」の第一弾として登場したのが、クレンジングオイル、フェイスウォッシュ、モイスチャーローション、モイスチャーミルク、リップクリームの5アイテムです。リップクリームがラインアップされているのが、乾燥が気になる東北ならではだなあと感じました。

クレンジングオイルはテクスチャーが軽く、馴染ませやすかったです。乾燥が気になる人は敬遠しがちなオイルクレンジングですが、北国の乾燥に配慮した開発とのことで、使用後がしっとりしていて驚きました。フェイスウォッシュは洗顔ネットなしでも泡立ちがよく、泡がもっちりしていてやさしく洗えます。

筆者のお気に入りは、モイスチャーローションです。モイスチャーと聞くと、とろっとしたテクスチャーのものが増えていますが、ヒエヌカなどの油が配合されているとは思えないさらっとしたテクスチャーです。さらっと馴染み、柑橘の香りでリフレッシュ。そして、しっとりします。さらにミドルノートというわけではありませんが、しばらくすると日本酒のような香りがほんのり。これは、オーガニック米由来のエタノールが配合されているからです。以前からファーメンステーションのエタノールの香りが筆者は好きだったので、これは心地よくケアできました。仕上げは、モイスチャーミルクでしっかり保湿。クロモジの香りにも癒されます。

リップクリームは、潤うだけでなく使い続けることで健康的な唇に導いてくれるとのことで、マスクで唇が擦れたりしているこのご時世におすすめです。

ファーメンステーション代表取締役の酒井里奈さんは、「化粧品の原料を作ってきて、OEMだけでなくスキンケアを作ってみたいと思っていました。それぞれの素材のいい部分を入れられました。今後も、未利用資源をなくしていきたいです」と話していました。

発表会では原材料の栽培農家さんたちも参加するなど、サスティナビリティが徹底されているとともに、チームワークから誕生したブランドなのだと感じました。

「今回は岩手の原料を多く使用しましたが、東北の他の県にもいい原料がたくさんあるので、今後それらの原料を使い、スキンケアシリーズを出していきたいと考えています」(株式会社薬王堂取締役執行役員経営戦略本部長 西郷孝一さん)。
今後は、ボディケアラインなども発売できればとのこと。今から楽しみです。

パッケージデザインにも環境に配慮したものであることが記され、パッケージ自体もCO2排出抑制に貢献する容器が採用されています。また、製造過程の循環だけでなく、私たち消費者が購入し、使うことで、初めてサーキュラーエコノミーが完成します。多くの人が買いやすいようにと、驚くほど価格が抑えられています。まず商品を知ってもらい、手にとったことで産地のことも知ってもらうきっかけになればとのことです。保湿感がとてもいいので乾燥の季節にうれしいブランド、リサイクルやリユースとも違うアップサイクルの今後も楽しみです。

and OHU https://andohu.com/

私が書きました!
ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。
林ゆり
関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育ち、MYLOHASに創刊から携わる。LOHASを実践しながら、食べ物、コスメ、ファッションなど、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてWeb媒体やブログで発信中。
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