日本初!お寺に常設キャンプ場&RVパークができたと聞いて「寺キャンプ」を体験してきました | キャンプ場 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.08.19

    日本初!お寺に常設キャンプ場&RVパークができたと聞いて「寺キャンプ」を体験してきました

    左が電源付きのRVパークエリア、右がオートキャンプエリアです。奥に少し見えているのがお寺です。

    禅の修行が体験できるキャンプ場!?

    和歌山県那智勝浦町にある「テンプルキャンプ大泰寺」では、お寺の敷地内でキャンプを楽しみながら、仏像鑑賞や写経、坐禅、朝がゆ体験ができるらしいと聞き、早速、名古屋から車で約4時間かけて、お寺のある和歌山県へキャンプに行ってきました。

    お寺へと続く参道。いよいよお寺キャンプの始まりです。

    キャンプ場を常設する臨済宗妙心寺派大泰寺は開創1200年、歴史あるお寺です。お寺の境内を進んでいくと、大泰寺の住職、西山十海さんが温かく迎えてくれました。

    「2日間お世話なります。どうぞよろしくお願いします」

    お寺の敷地内でキャンプ体験

    最初にキャンプ場に向かいテントの設営などキャンプ準備を済ませました。サイトは、芝でフラット。木陰もあります。

    オートサイトは全部で4区画。1区画100㎡と広めのサイトになっています。キャンピングカーを対象とした電源付きのRVパークは5区画ありました。

    30年ほど前まで保育所だったという園庭を利用したキャンプサイトは、今もどこかやわらかな雰囲気が残っています。共有スペースのトイレは2か所。浴室は、シャワーと大きめの浴槽、広々としていて清潔感があり快適でした。1回200円(1名)で利用できます。ほかにも、那智勝浦町は温泉が有名でお寺近くに温泉が2か所あります。

    お寺の横を流れている太田川がとてもきれいで、暑い日に涼をとるのにおすすめの場所です。

    懐かしくて新しいカタチ~キャンプをしながら禅を学ぶ

    子供のころ、かくれんぼや鬼ごっこをして遊んでいたお寺。初めて訪れたお寺でも、どこか懐かしく親しみが湧いてきます。テントサイトができたら、いよいよお寺体験のスタートです。まずは仏像鑑賞ツアーから。西山住職の案内で、お寺の中を奥へ奥へと進み薬師堂へ。

    【仏像鑑賞ツアー】

    住職は、以前、英語教師をされていたので英語での説明も可能だそうです。

    薬師堂に保管されている歴史ある仏像、木彫、水墨画をじっくり見学しました。住職の説明は分かりやすく、とてもユニークで楽しみながら仏像鑑賞ができます。仏像鑑賞ツアーは無料です。

    【写経体験】

    写経した紙は、最後に名前と願いごとを書いてお寺に納めていただきます。

    写経は椅子に座って筆ペンで行ないました。てっきり正座と思っていたので、ほっとひと安心。「きれいに書かなきゃ、間違わないように、まだ半分も書いてない」など、はじめは頭の中のおしゃべりが止まりませんでしたが、書き進めていくうちに、自然と文字を写すことに集中できてきました。写経が終わるころ、気持ちもスッキリ落ち着いていました。写経体験は1,000円(1名)です。

    【鐘撞(かねつき)体験】

    合掌して一突きし、合掌して礼拝します。

    夕方、お堂の前で住職と待ち合わせて鐘のある高台へ。鐘撞には、10歳くらいのお子さん2人がいるファミリーと一緒に参加しました。みんなで合計18回の鐘を撞きます。鐘は300年前のもの。鐘を突く棒、撞木(しゅもく)はとても軽く、子供も簡単に鐘を突いていました。自分の鐘の音に少し気恥ずかしさを感じ、子供たちの鐘の音にほのぼの、住職の撞く力強く美しい鐘の音の余韻に浸りました。鐘撞は無料で体験できます。

    【朝がゆ体験】

    住職が作った朝がゆをいただきました。

    いい塩梅のおかゆでおいしいなぁと思っていたのもつかの間、作法の細かさにおかゆを味わっている余裕はありません。以前読んだお坊さんの本で、物音ひとつ立ててはいけない食事の時間が、禅の修行で一番の苦行だったと書かれていたのを思い出しました。食べることが修行。心に残る体験になりました。朝がゆ体験1,500円(1名)。おかわりもできます。

    【坐禅体験】

    15分間を2回座りました。

    坐禅は、坐禅堂で行ないます。座布団に座ると住職が姿勢をみてくださいます。姿勢を正し、吐く息に意識をむけ、こころを整え座ります。1回目の坐禅が終わると質問する時間があります。体験者のレベルに合わせて丁寧に教えてもらえます。ちなみに動いても警策(棒)で肩や背中を打たれることはないのでご安心を。希望すれば打ってもらえるそうですよ。坐禅体験1,000円(1名)。

    まるで子供のころにタイムスリップしたかのようなワーケーション体験

    天井が高く開放感のある空間です。

    ちょっとだけ「お寺ワーク」=ワーケーションを体験させてもらいました。大泰寺は、キャンプや宿坊の利用客がワーケーションをしたり、デイユースでワークスペースとして活用することもできます。もちろんWi-Fiも完備。今どきのビジネススタイルにマッチした快適なお寺なんです。

    お寺の中は、不思議と子供のころに戻ったような、どこか懐かしい雰囲気でワクワクします。大泰寺から、車で5分ほどの場所にコンビニやスーパーマーケットがあるので、宿坊を利用した長期のワーケーションにもよさそうです。

    レンタサイクルもありました。ご近所散策に。

    夕暮れどき、焚き火と地元の食材でBBQの準備を始めました。

    焚き火は、焚き火台を使用すればOKです。薪の販売もありました。

    夜空には満天の星。この夜は無数の星くずと流れ星を観ることができました。キャンプサイト利用料金は、1サイト3,000円。お値打ちです。

    「日本の夏」を感じたお寺でキャンプ体験

    歴史あるお寺でのんびりできました。

    2日目の朝、お寺から読経が聞こえてきました。お寺に常設するキャンプ場でしか味わえない朝です。お経は故人を供養するためだけのものではなく、生きとし生けるものすべてが幸せで安らかであるようにという願いも込められているそう。ありがたい時間です。

    体験をすべて終えて、キャンプのあと片付けを始めました。チェックアウトの時間が12時というのもうれしい心遣いです。ゴミは精算時に無料で回収してもらえます。これも大変助かりました。

    「お寺キャンプ」の良さ

    普段のキャンプとお寺でのキャンプの違いは、当たり前ですが、お寺には住職がいらっしゃいます。いろいろな体験をしながら住職のお話が聞けたことで、忘れていた感覚やたくさんの気づきをいただくことができました。

    「お寺は人々の拠り所、もっと身近に感じてほしい」と話されていた住職の言葉がとても印象に残っています。

    ご本尊さまへご挨拶と参拝を済ませ、お寺をあとにしました。1泊2日のお寺キャンプはとても有意義な時間でした。お寺でキャンプ、こんなキャンプ場がもっと増えたらいいな、と思います。

    「お寺キャンプ」のレポートは、2021年8月9日発売のBE-PAL9月号(P74~75)でも紹介しています。ぜひ、ご覧ください!

    キャンプ場情報

    テンプルキャンプ大泰寺

    和歌山県東牟婁郡那智勝浦町下和田775
    チェクイン:14~18時
    チェックアウト:12時
    【オートサイト】
    料金:3,000円(1区画)
    広さ:10×10m(100㎡)
    総区画数:4
    【RVパーク】
    料金:3,000円(電源付き1区画)
    広さ4×6m(24㎡)
    総区画数:5
    https://oterastay.com/daitaiji/camp/

    ※各種体験、ツアーは事前予約が必要です。

    取材協力
    シェアウイング
    https://oterastay.com/

    おまけ情報

    是非立ち寄ってほしい名所「那智の滝」

    三重塔の向こうにみえる那智の滝。壮観!!

    帰りに大泰寺から車で20分ほどにある日本三大名瀑のひとつ「那智の滝」に寄り道。予想以上のスケール感にただただ感動。一見の価値ありです。

    私が書きました!
    料理研究家
    小牧由美
    東京を拠点に食に携わる仕事で20年以上活動。野菜や果物、旬の素材を使ったメニューの提案や商品開発を行なっています。現在は名古屋在住。移住後、自然の中で過ごす時間を満喫しています。キャンプもそのひとつ。訪れる土地で四季折々の過ごし方、食べ方を見つけて遊んでいます。http://yamabon.jp/

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