ジグサビキとは?
釣りには数多くの釣り方がありますが、その中でも最もオーソドックスな釣り方に、サビキ釣りというものがあります。
仕掛けの先(下)のオモリ付きカゴにエサを詰め、その上に3~6本ほどのエサに見立てた小針(サビキ針)を付けるだけというシンプルなもの。
あとは足元に落として、ロッド(竿)を上下にあおると、エサが拡散され、魚が集まり、サビキ針にエサと勘違いして喰いついてきます。
このサビキ釣りをルアー釣りでも応用できないかと考えられたのが、『ジグサビキ』という釣り方。
エサを詰めるオモリカゴの代わりにメタルジグを装着し、ルアーで魚を誘って、エサに見立てたサビキ針に喰わせるという釣り方です。
もともとは、船釣り用に考案されたものでしたが、ショア(岸)からの釣りにも転用されました。
筆者もルアー釣りを始めたての頃は、よくこの仕掛けを使っていました。
仕掛け作りは簡単!
市販で売っているジグサビキは、とても簡単に仕掛けを作ることができます。
まず、仕掛けの頭(上)にサルカンと呼ばれる金具があるので、リールに巻き付けているラインと結びます。
次に、仕掛けの先(下)にはスナップと呼ばれる名札を止めるクリップのような金具があるので、メタルジグのアイ(ジグの頭の輪っか)に装着させます。
これで、仕掛けが完成です。
今回は10グラムのメタルジグを使用しました。
この日は、風がなく、潮の流れもゆるやかで、釣りをするには静かすぎる状況。
釣りはしやすいですが、もう少し潮が動いてほしいのが正直なところです。
さっそくヒット!
メタルジグを使った釣りと同じ要領で、ルアーをキャストし、着水後、底まで落とします。
着底したら、リールを巻きつつ、ロッドを上下にあおって魚を誘います。
しばらくキャストを繰り返してロッドを上下にあおっていると……グンッと竿先が沈みました!
ブルブル震える感触があるので、魚と確信しリールを巻き上げていくと……
アカエソという魚が釣れました。
サビキ針の方に喰いついています。
エソはよく釣れますが、アカエソという種類はちょっと珍しいかもしれません。
ただ食すには捌(さば)くのに手間がかかりすぎるため、リリースしました。
広範囲を探るためにルアーチェンジ
しばらくキャストを続けましたが、反応がないので、メタルジグを変更することにします。
手前の反応が薄いので、もう少し遠投して沖の方を探るためにメタルジグを10グラムから15グラムのモノに変更し、キャストを再開。
メタルジグの形状もあるのでしょうが、5グラム変わるだけでもよく飛びます。
感覚的にはプラス10~15メートル、飛距離が出ている感じです。
うれしい魚が釣れました!
釣り座から左、正面、右と少しずつ投げる角度を変えながらキャストを繰り返し、丁寧に探るようにメタルジグを動かして誘っていくと……
ガツン!ときました!
先ほどのアカエソとは明らかに違う引きで、グイグイ竿先が引っ張られます。
右に左に泳ぎ回る魚の引きを十分に楽しんだところで一気に引き抜きました。
魚の正体は……
カンパチの幼魚!
関西地方ではシオと呼ばれています。
30センチに満たない大きさですが引きはなかなかのものでした。
この魚もサビキ針に掛かっています。
食すにはまだ少し小さいので、大きくなって戻ってきてくれよと願いながらリリースしました。
ボウズ逃れにひとつは持っておきたい
魚が1匹も釣れずに終わってしまう釣りのことを『ボウズ』と呼びますが、ルアー釣りは特にボウズになりやすい釣りです。
何時間も粘って魚が1匹も釣れないというのは辛いですよね。
ボウズ回避のための最終兵器になるのが『ジグサビキ』。
この日も魚が掛かったのはサビキ針の方で、もしメタルジグだけ投げていれば、ボウズであった可能性が高いです。
なんでも良いからルアーを使って魚を釣りたいという初心者の方や、ボウズだけはなんとか避けたいという方におススメできる釣り方なので、興味が湧いたら、ぜひ、近くの釣り場で試してみてくださいね。
最後に
初めての釣り場へ行くときは釣り禁止の看板がないかを確認しましょう。
釣りをする際はルールやマナーを守り、誰にも迷惑のかからないよう行ないましょう。
Googleマップを頼りに未開拓の釣り場を求めて沿岸を練り歩き、自然の美しさと過酷さに魅了された冒険家気質な釣り人。