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第16回 BE-PAL里山WONDER通信 Second Mission
釣った人 師匠・ フジワラ(左) 弟子・オガチン(右)

「来たれブリ!」(オガチン)

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泳がせ釣りで大物狙い
オ:実は海釣りは人生初なんですけど、師匠、こんなボクでも魚を釣れますか……?
フ:大丈夫、大丈夫! 今日は大物も狙うけど本命はおかずだから。じゃ、このサビキを海中に沈めてください。プルプルと反応があったら巻きあげてよ。
オ:……ハイ。って、もうプルプルしてるんですけど!
フ:そう! これが秋の海。初心者でも簡単に釣れます。上にかかってるのはスズメダイ。下の魚は総称ウミタナゴ。種としてはマタナゴかな。どちらも餌に使うからバケツに泳がせて。
オ:師匠! 次はアジです! こんなに近所でも釣れるんだ〜!
フ:じゃ、今度はそれを生き餌にして泳がせ釣りで大物を狙います。石を麻紐で縛って海に投げ込み、道糸を張ったら餌にハリをかけて深場へ送る。これが「エレベーター仕掛け」です。
オ:へー! ロープウェイみたい。でもなんでリールのドラグを緩めるの? 魚に引っ張られて糸が出ちゃいません?
フ:食ったときに違和感を持たれないためにわざと糸を出す。それに緩めないと魚がかかったら竿ごと持っていかれちゃう。
オ:なるほど!
フ:そしてエレベーター仕掛けに魚が来るのを待つ間は、ひたすらルアーを投げて巻く! 時間を有効活用します。
オ:了解! ……あれ? 早速なんかかかってるけど、何? あっ、タチウオだ〜!
フ:ブリやヒラマサとはいかなくても、魚の多い秋の海は何かしら釣れる。秋こそ堤防へ!
入門者でも楽しめる! サビキで小魚を調達
「サビキ」とは餌を煙幕状に広げてそのなかに複数の小さなハリを漂わせる釣法。アジやサバ、イワシをはじめ雑多な小魚が釣れる。なかでも本物の餌をハリにつけるトリックサビキは食いが良い。

入門者には道糸に結べばすぐに使える完成仕掛けがおすすめ。

「おっしゃ、ひとまず泳がせる餌は釣れた!」。最初にハリにかかったのは餌取りの代表選手・スズメダイ。

「アジだ! アジ! 食べたことも買ったこともあるけど本当に海にいた!」。釣れたのはマルアジ。オガチン、人生初のアジに興奮。
今日の釣果
タチウオ

来ています
ウミタナゴ

ササノハベラ

スズメダイ

エレベーター釣りで小魚を海底に送り込め!

泳がせ釣りのなかでも遠くの深場を狙えるのがエレベーター仕掛け。先にオモリを投げ込み、ハリにかけた生き餌を道糸につたわせて後から送り込む。オモリが海底に引っかかって回収できないことが多いので、藤原式はオモリに石を使い環境負荷を低減。
藤原式・エレベーター仕掛け


60g程度の石を麻紐でしっかり縛り仕掛けの末端に結んで投げ込む。

オモリが沈んだら生き餌をハリにかけ、スナップサルカンを道糸にかけて深場へ送り込む。

ドラグ(リールの摩擦調整)を緩めて待つ。


生き餌ではなくルアーに出たタチウオ。タチウオは夏から初冬にかけて全国の堤防に接岸。夕暮れから朝方まで餌やルアーで狙える。
堤防でその場で干物!




空気が乾く秋なら、その場で干物にしても傷まない。餌に使って弱ったアジは開いて内臓をとり、軽く塩をして干しておく。帰るころには立派な干物に!
「あぶってかも」を炙って噛もう!


Complete!

塩焼きのスズメダイは福岡で「あぶってかも」と呼ばれる郷土の味。「スズメダイもタチウオも美味! 秋のおかず釣り、楽しい!」。
堤防釣り初挑戦の代償!? by オガチン
釣りを始めたいと思っていたところにこの企画が。撮影が楽しくて、新しい趣味に……と気持ちが高まっていたのに、後日右半身が筋肉痛に! 気合いのあまり力んでいたのか、必要な筋肉が足りないのか……。釣りを始める前に、まずは筋トレをすべきか!? と無駄に考える今日この頃です。
※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一、高橋郁子 イラスト/吉井汐希
(BE-PAL 2025年12月号より)







