畝(うね)を作って、黒マルチを張り、さつまいもを植える | 農業・ガーデニング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.08.03

    畝(うね)を作って、黒マルチを張り、さつまいもを植える

    さつまいもの苗を植える

    さつまいもの苗を植える

    約1200平米の耕作放棄地を借りた友人のお手伝いする形で、リモートワークと並行しながら、100%オーガニックの鎌倉野菜を育てるために朝農業生活を楽しむ様子をお届けする『雨のちハレ、ときどき農業生活』です。

    雑草を取り除き、土を耕すと、いよいよ種や苗を植えるフェーズになります。今回は、さつまいもの苗を植え付けるにあたり、畝(うね)を作り、黒マルチを施す過程をご紹介します。

    20本の畝(うね)を作る

    畝の断面図

    畝の断面図

    畑で作物を作るために細長く直線状に土を盛り上げた所のことを「畝(うね)」と呼びます。この日のミッションは間隔を空けて20本作ることでした(汗)。上の断面図の黄色がミニ耕運機『こまめ』を走らせるゾーンです。こまめの力で左右に土をかき出し、土を盛り上げた小さな山を作ります。

    「こまめ」についてはコチラの記事をチェック!
    『日本の農業に革命をもたらしたミニ耕運機「こまめ」を使ってみた』

    こまめを使った畝作り。

    こまめを使った畝作り。

    一定の間隔で、真っ直ぐ。それを20本。瞬発的な力仕事ではないものの、長距離ランナーのような高い集中力を試される持久戦です。農業ってこういうのばかりなんですよね。

    持続可能な黒マルチってなに?

    畝を作って、黒マルチで覆った状態

    こまめを使って畝を作ったら、その小さな山を黒いシートで覆います。これをマルチングと呼びます。略して「マルチ」。マルチングをすることで、土壌の乾燥や侵食を防止し、地中温度の調節ができたり、雑草を生えにくくさせ、雨などで肥料が流れることを防ぐこと。そして、病気の伝染を防ぐ効果が期待されます。

     

    黒マルチを張った時の断面図。

    マルチングに使われる主な素材は、ビニールシートやポリエチレンフィルム、ワラです。私たちは、⽣分解性プラスチックを使用します。

    ⽣分解性プラスチックは、微⽣物の働きにより最終的には⽔と⼆酸化炭素に分解​されるため、環境に優しい特徴があります。「100%オーガニックをうたっているのに、環境に良くないプラを使うわけにはいかないよね」というのが友人でもある農場主の言葉です。

    環境負荷を低減させることは、昨今のSDGs的な流れでもあるし、彼の考えは賛同できるのですが、ただ、通常のプラスチックよりも値段が3倍近くするとか。100%オーガニックって、お金がかかってしまうのです。

    左右の土を黒マルチに被せ、固定させる。

    このマルチングも機械を使えばあっという間に行うことはできるのでしょうけど、私たちのような小規模農地では全て手作業です。この日の20本分全て(大汗)。

    さつまいもの苗を植える”さすけ”の登場!

    植え付ける前に均等に並べられたさつまいもの苗

    黒マルチを設置したら、いよいよ苗の植え付けです。黒マルチに穴を開け、土を掘り、苗を入れて、土を寄せる。この工程を20列の畝に並べられたさつまいもの苗の全て行うには途方に暮れてしまいます。

    そこで活躍するのが『かんしょ植え付け器 さすけ』です。冒頭の写真で、土に垂直に刺さっているオレンジ色の棒がそれです。

    “さすけ”の使い方はとても簡単!

    苗づるの尻をさすけ先端のU字溝に引っかけ、苗をらせん状に棒に絡めます。そして、そのまま先端を斜め下に向け、黒マルチにブスッと刺す。少し深く押し込み、ゆっくり引き抜くと、苗は畝の中に残り、さすけだけが引っ張り出されます。

    腰をかがめたままの連続した重労働だった作業を効率化させた道具として、実用新案取得されているほど。こうしたアイデア商品の開発って素晴らしいです。

    こうして、さつまいもの植え付けが完了する

    では、最後に、畝作りから、黒マルチ、そして、さつまいもの植え付けに至るまでの動画を100倍速でお届けします。

     

    農作業って地味で、単調な作業の繰り返しなので、次回は趣向を変えて、唯一の報酬である収穫した野菜たちのことをお伝えできればと思います。

     

    山田 洋

    2020年3月から「ときどき農業生活」を始める。きっかけは「耕作放棄地を農地に再生したい!」と、1200平米ほどの農地を借りた友人のお手伝いから。リモートワークと並行しながら、100%オーガニックの鎌倉野菜を育てるために朝農業生活を続けている。

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