火おこしから始めてみよう! 焚き火 基本のき+プラス 薪と焚き火台編 | 焚き火のコツ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • 火おこしから始めてみよう! 焚き火 基本のき+プラス 薪と焚き火台編

    2021.01.14

    講師 猪野正哉さん

    焚き火マイスター兼アウトドアライター。千葉県にあるアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」を運営、管理する。火おこしや焚き火料理のワークショップなども開催。

    “カンッ”。小気味よい音ともに、きれいにまっぷたつに薪が割れたときの爽快感は格別。でも、それを味わうには、いくつかコツを習得しなければならない。
    「まずは斧の持ちかたから。柄は長く持って、可動域を大きくします。やたらと振り回さず、頭上から振り落とすイメージが大切」

    とは、焚き火マイスターとして知られる猪野正哉さん。割る瞬間は腰を落とし、斧の刃先を薪の小口(断面)に真っ直ぐ当てる。丸太の上ばかり見ていると腰が浮くので、割り台を割るような気持で振り下ろすといい。
    「割りやすい薪を選ぶのも実は重要で、節があるのは避ける。はじめのうちは、繊維が真っ直ぐで軽くて割りやすいスギなどで練習してみるといいですよ」

    薪を準備したら、次は火床となる、焚き火台選び。
    「理想は調理用と炎の観賞用を分けて2台欲しいところですが、初心者には、火床が平らなものがおすすめ。自由に薪が組めるし、どちらにも使いやすい。組み立てが簡単なこともポイント」

    大きさは、テントのサイズに合わせるといい。ソロなら小型ですむし、4人家族ならある程度の大きさが必要。そう思うと、自ずとバランスが取れてくる。
    「薪の組み方にもいろいろありますが、観賞用か料理用か、組み方によって火力や火持ちの時間が異なるし、焚き火台の形状によっても向き不向きがある」

    火柱を高く上げたいのか、調理に専念したいのか、用途に合わせて使い分けるといい。
    「僕は調理をするときは、高温に保ちたいので、薪の間に炭を入れたりもします。煙も少ないし、温度変化が少ないのが利点」

    火おこしは、直火同様、焚き付けに着火してから薪に火を移す。ただし、薪は30〜35cmと長さがだいたい決まっているので、焚き火台に合わせた調整が必要。はじめは燃えやすい針葉樹を。炎が安定したら広葉樹を加える。
    「焚き火はとにかく、深く考えすぎないこと。変なこだわりを持たず、楽しむのが第一ですから」

    薪割りの道具

    猪野さん愛用の斧は、スウェーデン鋼製のハスクバーナの万能斧で、柄がカーブし持ちやすい。バックの手斧は薪を小割りにするとき、モーラナイフは枝を削るときなどに活躍。

    基本の薪割り

    斧を頭上まで振り上げる。狙う場所は薪の小口中央だが、終着地点の割り台を意識するといい。堅い薪なら割れ目を狙うようにする。

    斧の自重で振り下ろしながら、ひざを曲げていく。引力に斧の重みをのせる感じで完全に下ろし、腰も落とす。慣れたらスピードを上げていく。

    正しい足さばき

    これが正しい図。

    ×

    これはダメ。

    足は開いて仁王立ちに。斧が薪をかすめたときも、足に当たる心配がない。逆に片足を前に出して立つと当たる可能性があり要注意。

    割りやすい薪とは

    木目が真っ直ぐだと割れやすい。根元から上にいくほど木目の幅が狭く詰まっていて割れにくくなるので、根元の方から割る。

    焚き火台の形に合わせた薪の組み方

    メッシュフラットタイプ+平行型

    焚き火台が平らな場合、枕木を1本置き、そこに他の薪を並べて下に空気が通るようにする。火持ちがよく、調理にも向く。

    逆四角錐タイプ+クロス型

    底が深くなる逆四角錐の場合、縁に薪を引っ掛けるようにして、クロスに組むと、空気の通りが良くなり、燃焼効率が上がる。

    ボールタイプ+井桁型

    やや深さがあるボールタイプは、薪を井桁に積み上げる。上昇気流が起こり燃えやすいので初心者におすすめ。高くしすぎに注意。

    バケツタイプ+差し込み型

    暖を取るための焚き火に特化したバケツ型は、薪を縦に差し込む。火が安定するのに時間がかかるので、焚き付けを多めに用意する。

    焚き火台で火をおこそう

    スギの葉などの焚き付けを焚き火台になるべくたくさん置き、その上に火口になる麻ひもや、木の削りカスをのせる。

    さらにその上に細い枝を立てかける。枝同士が密着しつつも、空気の通り道ができるように隙間をあけておく。

    中太の薪を立てかける。小さめの焚き火台の場合、枕木代わりに焚き火台の縁に薪を立てかけるか、ティピー型に組む。

    火口に火をつけ、薪に燃え移ればOK。薪は無造作に追加せず、炎が小さくなる前に少しずつ足していく。燃料、空気、温度のバランスが重要。

    薪の種類

    ◦スギ(針葉樹)

    木目が素直なので、薪割りの練習にも最適。火つきが良いので、焚き火の燃やしはじめに向く。薪としても多く流通する。

    ◦サクラ(広葉樹)

    火がつくと甘い香りがする。燻製料理や川魚の塩焼きなど、香りづけする料理に使いたい。音は静かで火持ちもまずまず。

    ◦クヌギ(広葉樹)

    雑木林の代表的樹種。コルク質で堅く着火はしづらいが、高火力を長時間持続する。炭の素材としても使われる。

    ◦カシ(広葉樹)

    もっとも堅いといわれ、備長炭の原木にもなる。火力、火持ちとも圧倒的に優れ、炎の立ち上がりが美しい。冬は入手困難。

    ◦ナラ(広葉樹)

    ナラ、ミズナラなどの総称。広葉樹のなかでは火つきが良いほうで、もっとも普及している薪のひとつ。長期保存にも向く。

    ◦ケヤキ(広葉樹)

    表面がささくれているため、密度が高いわりに火がつけやすい。繊維が暴れていることが多いので、薪割りには苦労する。

    ※構成/大石裕美 撮影/山本 智
    (BE-PAL  2020年11月号より)

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