シューズやウェア、サスティナブルなアイテムを紹介!アウトドアブランドが取り組む環境保全 | アウトドア雑貨・小物 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2020.10.28

    シューズやウェア、サスティナブルなアイテムを紹介!アウトドアブランドが取り組む環境保全

    アウトドアフィールドが置かれている現状は想像以上にシリアス。各企業は未来を見据えどのような取り組みを行なっているのか?

    各企業が同じ未来を見てさまざまな活動を展開

    豊かな海や山、川など自然のフィールドが活動の場となるだけに、アウトドアブランドが進めるサステナブルな取り組みは年を追うごとに積極性を増している。濃度の差はあれど、本ページで取り上げきれない数の国内外のブランドが自然環境へのインパクトを減らす製品作りや取り組みを行なっている。
     
    例えば製品をリサイクルし再利用する循環型のモノ作りや、ペットボトル等のプラスチック再生繊維、有害な殺虫剤や肥料を一切使わないオーガニックコットンなどは多くの企業が採用。また、水や汚れを弾く加工に使用されてきた過フッ素化合物(PFC)の使用を中止する動きも盛ん。PFCは一旦自然界に放出されると分解が難しく、食物連鎖に入ればほぼ不可逆的な汚染になるといわれる。

    「ブルーサイン」もキーワードだろう。製品の原材料・部品の調達から、製造、配送、販売、消費者までの一連の流れが、人の健康や自然環境に悪影響を与えず、持続可能であることを証明する繊維業界の基準。最も厳格な環境・安全基準とされ、2007年にパタゴニアがブルーサイン・システム・パートナーとして正式加盟した最初のブランドとなった。

    KEEN

    フットウェア業界の取り組みをリード

    アメリカ・オレゴン州ポートランドに本拠を置くフットウェアブランドのキーン。早い段階からPFC不使用の撥水加工へ転換し、生態系に影響しない防臭テクノロジー、環境負荷の低いレザーを採用してきたほか、2020年春夏アイテムよりプラスチック再生繊維を導入。新作9モデルのシューレースやアッパーコードなどに取り入れ、全世界で年間50万本の廃棄ペットボトルの削減につなげる。

    SOLR SANDAL ¥12,500

    海や湖、川で遊ぶウォーターアクティビティーに特化。この春から始まったプラスチック再生繊維採用の新製品だ。

    HOUDINI

    使い終えたら自然に還す

    1993年にスウェーデンで女性クライマーが立ち上げたウェアブランド・フーディニは、2019年春夏から全コレクションが持続可能な生地を用いた製品化を達成。そのひとつ「アクティブTシャツ」はテンセルとメリノウールのオリジナル混紡素材を用いたもので、生分解性を備えているのが注目すべき点。使用後はコンポストで分解でき、堆肥を経て健康な土に生まれ変わらせることができる。

    アクティビストメッセージT ¥9,000

    オリジナルの混紡素材はとても滑らかで、メリノウールの体温調整効果と、テンセルの吸水性や通気性を合わせ持つ。

    本国では、生分解した土で育てた野菜をレストランで提供するユニークな取り組みも。

    Haglofs

    製品の80%がブルーサイン認証

    ホグロフスは1914年にスウェーデンの中部で創業したアウトドアブランド。"繊維業界は歴史的にみて必ずしも地球環境に優しくなかった"という企業としての強い認識を踏まえ、2008年にブルーサイン認証を取得。現在は全コレクションの80%にブルーサイン認定素材が使われているラベルが付いた。これはアウトドア市場でも非常に高い割合の一例となっている。

    エコプルーフジャケットメン ¥36,000

    ブルーサイン認証の独自防水透湿素材「プルーフエコ」採用。大半のパーツは修理交換でき、長く着られるうえに、環境負荷も少ない。

    patagonia

    2012年から食品事業にも参入

    パタゴニアは、食品のあり方、作られ方を見直し自然環境をもう一度再生させる試みとして、オーガニックで環境負荷の低い食品のみを集めた食品事業「パタゴニア・プロビジョンズ」を2012年にスタート(日本では’16年より展開)。ビールの主原料の麦を土壌に優しいカーンザという穀物で代用することで、世界初の"環境再生型ビール"を誕生させたのは世のビール好きの間で話題となった。

    ロング・ルート・ペールエール ¥484
    ロング・ルート・ウィット ¥484
    ムール貝・オリーブオイル漬 スモーク ¥993
    オーガニック・マンゴー+アーモンド・バー ¥320

    ムール貝の缶詰や穀類のスープ、フルーツバーなどのほか、サバのオリーブオイル漬け。

    deuter

    製品から社屋にいたるまで環境配慮

    1898年にドイツのアウクスブルクで誕生したバックパックブランド。2008年には早くもブルーサインのパートナーとなり、2013年に完成した本国の新社屋は太陽光や地熱エネルギーを利用。そして2020年の2月からは自然環境に悪影響を及ぼすとされるPFCの撥水素材から完全に脱却するなど、企業として積極的に環境的負荷を考慮した取り組みを進めている。

    UPストックホルム ¥12,000

    大きな開口部とPCスリーブを備えたデイパック。コットンのような素材はペットボトルが原料の100%リサイクル素材。

    THE NORTH FACE

    愛着のアイテム以外は再生してまた着る

    現在進める「グリーンサイクル」は、使用後の製品を回収・再生し、エンドレスで新しい製品を作ることができる循環型リサイクルシステム。化石燃料に頼らず、エネルギー使用量やCO2排出量を大幅に削減。ほか、都心を中心に直営店では100%自然エネルギーで電力を賄うなどの試みも行なう。

    エンジニアードトラックパンツ ¥18,000

    素材を再資源化し循環させるプロジェクト「エクスプローラーソース」の一例。着心地よいニットのスリムパンツ。

    icebreaker

    自然にも羊にも優しいウェア

    高品質メリノウールを使ったニュージーランドのウェアブランド。オークションが素材の取り引きの主だった中、同社は1997年に世界で初めてメリノ種の羊を飼育する農場と長期的に契約し、環境に配慮したウール製品の製作を開始。牧場の収入を保証し、羊に充分な栄養を届けるなど、飼育環境も大幅に改善した。

    WネイチャーダイLSクルー ¥16,500

    天然繊維のメリノウールを植物由来の染料で染めたシリーズ。写真は「つくし」がベースの染料を使用。

    FJALL RAVEN

    素材は環境への影響まで徹底検証

    スウェーデン王室からも愛されるブランド、フェールラーベン。環境問題に敏感な国らしく、リサイクルやオーガニック素材はもちろん、PFCの使用も禁止に。動物由来の素材はその動物が一生のうちに不必要な痛みにさらされず尊厳をもって扱われたものに限定した。天然・化学繊維問わず素材は成分構成まで徹底的に検証し、ブランド哲学に合致することをモットーとしている。

    ラップランドハイク15 ¥26,000

    100%追跡可能で、EU産の使われず保管されていたローデンウールを圧縮して背面部分を作っている。

    MERRELL

    製品の性能と環境配慮を模索

    アメリカ・ミシガン州に拠点を置くメレル。海洋汚染問題のひとつ、廃棄ペットボトルのリサイクル素材を裏地へ用いたり、湖の水質改善で採取される藻からソールを製造するなど、シューズメーカーらしい取り組みを進める。30%以上の再生素材を配合した「ECODURA」はヴィブラム社が作ったメレル専用ソール。

    トレイルグローブ5 エコ ¥12,800

    動物由来の原料を使わない「ビーガンフレンドリー」シリーズの新作。リサイクル素材で構成。

    撥水剤にもサステナブルな新製品が登場!

    グランジャーズ/パフォーマンスリペルプラス ¥1,600

    イギリスのメンテナンスケア専門ブランド・グランジャーズも自然に優しい新開発の透湿シリコンを採用した製品を2020年に発表。「ブルーサイン」「ISO14001」を取得し環境配慮の太鼓判をもらう。

    アウトドア産業界が連帯しフィールドを守る動きも

    「CAJは、日本のアウトドア関連企業が利益の一部を会費として拠出し、フィールドの保全活動に取り組むグループに資金援助という形で還元する団体です。

    ここ数年、会員企業が増えてきたのは、日本のアウトドアフィールドがさまざまな意味で危機に直面している、という現実かもしれません。とくに日本は気候変動の影響が深刻で、台風や集中豪雨、温暖化による雪不足、生態系の変化などにより、フィールドに直接的な被害や影響が出ています。そんな現実に世界では、スノーボーダーたちが連帯して環境保全に取り組む、活動「POW(Protect Our Winters)」など、フィールドの最前線にいるプレーヤーたちが、この地球規模の環境危機に対し、具体的なアクションを模索しています。近い将来、日本でもアウトドア業界がひとつとなって社会的影響力を高め、政策提言や法整備など大きなアクションにつながっていければいいですね」

    コンサベーションアライアンスジャパン事務局長 滝沢守生さん

    「コンサベーション・アライアンス・ジャパン(CAJ)」事務局長。CAJは現在25ブランドが参画し、これまで172の活動に総額8千万円以上を助成。滝沢氏は2000年の発足から関わる。

    ※構成/福瀧智子 撮影/小倉雄一郎

    (BE-PAL  2020年5月号より)

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