こんにちは、ライターのB子です。 BE-PAL4月号から新連載「The Mountain Table」を担当しています。
おしゃれなタイトルですが、この連載、いったいどんな内容かと言いますと、 舞台は山梨県北杜市にあるレストラン「DILL eat, life.」でございます。
料理家の山戸ユカさんと元アウトドア輸入メーカー勤務の山戸浩介さん夫妻が営むお店なのですが、
2013年のオープン以来、東京からおしゃれ感度の高い人達がこぞってランチに訪れるという、
北杜市のホットスポットなのです。
お店の名前からお察しのとおり、お店のコンセプトは「食べることは、生きること」ということで、健やかに食べて、健やかに生きようというもの。玄米菜食を中心に、体もココロも元気になれるお料理が日替わりで食べられます。
で、連載ですよ、連載。何をやるかというと、毎月1回、季節ごとの食材を使って、私達のようなずぶの素人でもまねできる健やか料理をご紹介するというものです。家ではもちろん、アウトドアでも作れる料理なので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
1回目の料理は、自家製ケチャップを使ったチキンのグリルです。
え〜! ケチャップって家で作れるの?
(なんか初回からめんどくさそうだな…… *カッコ内はB子の心の声で周囲には聞こえていません)。
ユカさんいわく、「B子ちゃんみたいに砂糖や添加物たっぷりのケチャップを食べてる人は感動するよ〜!」とのこと。へー。(半信半疑…)。
まあなにを隠そうわたくし、好物が添加物といっていいほどのジャンクフード好きなんですよね〜。都内からここに来る途中も、小淵沢ICで唐揚げ&ポテト食べちゃったしー。まあケチャップはポテトにも合うし、やってみるか!
使うのは冷凍しておいた加熱調理用のトマト。柔らかく煮て、つぶしていきます。
種が入らないように丁寧にこしていきます(めんどくせーーー!!)
手順をざっくり説明すると、どっさりのトマトを煮て柔らかくし、果肉だけを濾しとります。続いてパプリカ(お好みでハラペーニョ)を炒めて柔らかくし、こちらはミキサーでピューレ状に。これらを一緒にして大鍋でぐつぐつ、水分が3分の2くらいになるまで煮込みます。最後に塩やスパイスを好みで入れて完成です。時間にすると3時間くらいですかね?
煮えてる煮えてる! 魔女みたいな感じでおもしろいです。水分が減って、ややとろっとしたらいい感じです。
熱湯消毒した瓶に詰めて完成! 開封しなければ半年くらい持ちます。
で、汗だくになって作ったこのケチャップですが、市販のデル●ンテなどに比べると断然水分が多くて、ケチャップというよりトマトソースみたいな感じです。「今回のようにチキンを漬け込んで焼いてもいいし、そのままオムレツにかけてたべてもおいしいよ」とユカさん。ためしにごくフツーのオムレツ(というか適当に作ったスクランブルエッグ)にかけて食べてみました。
ん? むむむッ!?
なにこの「トマトをまるごと閉じ込めました」感! デル●ンテ的な甘ったるさがなくて、でも酸味というほどの刺激もなくて、でもどことな〜くトマトのアノ爽やかさがあって……。ちょっとなにこれ、オイシイんですけどッ!!
ケチャップって、どこか子ども用の調味料というイメージがあって。だってケチャップライスとか、暴力的にケチャップ味に支配されちゃうじゃないですか。でも自家製のやつは違うんですね。ちゃんとトマトのままでいてくれて、ほかの食材の味を邪魔しないんです。(それどころか引き立ててるし!)
ソーセージにつけてもウマし、トーストに塗ってもなかなか、ナポリタンも最高。お土産に1瓶もらったのですが、2日で完食してしまいました。
チキンを漬け込んで焼くと旨味がアップ! 子どもも喜ぶ味だな、これは。
まあ確かに時間も手間もかかるので、都会暮らしの方はなかなか作る機会がないかもしれませんが、だまされたと思って作ってみてください。今年のゴールデンウィークは最大10日間くらいあるらしいので、連休にでも、ぜひ!
「これまで食べていたケチャップはケチャップじゃない、うおぉぉぉ〜!」
自家製ケチャップを食べた後、きっとあなたはそう叫ぶでしょう。
(つづく)
◎文=小林百合子 撮影=野川かさね
★「BE-PAL」4月号の新連載「The Mountain Table」で、自家製ケチャップとBBQチキングリルの詳しいレシピを紹介しています。ぜひご一読ください。(立ち読みですますんじゃね~ぞ~!! by B子)