
大きな鍋でカレーを作ったり、飯ごうでご飯を炊いたり。アウトドア料理はキャンプの大きな楽しみのひとつですよね。
料理に欠かせないものといえば包丁ですが、どうやってキャンプ場へ持っていきますか?家庭用の包丁を新聞紙やタオルでぐるぐる巻きにする方も多いのではないでしょうか。
今回はレザークラフトで包丁の鞘を作る方法をご紹介します。DIYならお手元の包丁にぴったりのサイズが作れますよ。包丁が意図しない時に飛び出すと危険なので、固定するホックつきの作り方をご紹介します。
バネホックをつけるのは一見難しそうですが、道具さえ揃っていれば簡単です。ぜひ挑戦してみてください。
材料
- 本体用の革(2mm厚)(包丁の大きさの2倍より少し大きいくらい)
- ホック用の革(1mm厚)(4.5cm×1cm)
- バネホック(今回は#2を使用)
道具
- 革包丁
- 二本菱目
- 四本菱目(あれば)
- ホック打ち
- ポンチ(2mmの穴が開けられるもの)
- 木槌または金槌
- 革用縫針と麻糸
- 溝掘り
- 銀ペン
- ハサミ
- 厚紙(型紙作り用)
- ペン(型紙作り用のボールペン、サインペンなど)
- 紙やすり
- コバ磨き剤(今回はトコノールを使用)
- コバ磨き
今回使う包丁

ごく普通の包丁です。
今回はこの刃渡り16cmの三徳包丁に鞘を作ります。
作り方

手を切らないよう注意!
1.型紙を作ります。厚紙の上に包丁を置いて形をとり、その通りにハサミで切り抜きます。

表裏2枚の型紙にするより、1枚を折って作る方が丈夫で壊れにくくなります。
2.工程1でとった型紙を使い、型紙を作ります。表面の型をとったら、裏返し、包丁の刃の面ができるだけ接するようにして裏面の型紙を取ります。

型紙ができました。
3.工程2で作った表面・裏面の隙間を滑らかな線でつなぎます。5mm外側に縫い代の線をひき、その線にそって型紙をカットします。
型紙ができたら、この型を使って革をカットしておきます。

この部品だけ色を変えても面白いですよ。お好みのデザインにしてくださいね。
4.ホックを作ります。4.5cm×1cmの革の端から8mmのところにポンチで穴を開けます。反対側の端に二本菱目を2回使って、3つの穴を2列あけます。

大きい穴は銀ペンで、小さい穴は針や目打ちなど尖ったものでつついて印をつけます。
5.工程3で作った本体の革に、工程4で作った部品をガイドにして穴を開けておきます。それぞれの部品を包丁に巻きつけ、穴の位置に印をつけておきます。裏側も同様に印をつけ、穴を開けておきます。

ホックは1枚の革を2つの部品で挟む形でつけます。部品の向きさえ間違えなければ大丈夫!
6.ホックをつけます。4つの金具の表裏を間違えないようセットし、ホック打ちを金具の溝に合わせ、上から木槌や金槌で叩いて固定します。

裏が見えないので、縫い方はどんなものでも大丈夫。今回は8の字に糸を通し、2枚の革の間で固結びしました。
7.ホックの部品を本体に縫い付けます。

溝を切っておくと、溝の中に縫い糸が埋まるので、丈夫で綺麗になります。
8.外周に沿って溝切りで溝を切ります。

長い直線は四本菱目、カーブは二本菱目を使うときれいに開けられます。
9.溝切りで掘った溝に沿って菱目で穴を開けます。

ここで完成にしてもOK。ここから先はこだわり派さん向けの工程です。
10.糸で縫い合わせます。糸の両端に1本ずつ針をつけ、穴の中で針を交差させるようにしながら縫っていきます。縫い終わりは1目返し縫いをして、穴の近くで糸を切るだけ。最後に糸端にボンドを少しつけておけば、結ばなくてもほつれてきません。

「コバ磨き」と呼ばれる工程です。見た目を美しくするほか、革の断面から水分が入るのを防いで劣化を防ぐ効果も。
11.革の断面を磨きます。まずは紙やすりで断面を滑らかに磨きます。

続けるともっときれいになりますが、きりがないので今回はここまで。こだわり始めると時間を忘れてしまう工程です。
12.紙やすりである程度磨いたら、次はトコノールをつけ、表面がきれいになるまでコバ磨きで磨いたら、完成です。
キャンプ場に包丁を持っていこう!

鋭い切れ味の包丁も安心して持ち運べる鞘ができました。
キャンプ場で出したとき、なんだか家庭感が出てしまう普通の包丁。かっこいい鞘がつくだけで一気に特別感が出ますよ。
果物ナイフや鉈など他の刃物にも応用がきくので、鞘が欲しい、あるいは鞘をなくしてしまった刃物があれば、ぜひチャレンジしてみてくださいね。