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スポーツの秋来る!9月13日(日)、群馬県吾妻郡長野原町にある八ッ場(やんば)ダムでユニークなスポーツイベントが開催されました。その名は『やんばスカイラン』。普段は立ち入ることのできない管理用階段を特別に開放したステアクライミングのレースで、段数316、高さは79メートル。オフィスビルの約20階分、マンションの約26階分を一気に駆け抜けるのです!私も60代以上男性の部門で参加してきました。
いざ、八ッ場ダムへ!同志と遭遇
大会当日、八ッ場ダムへと向かいます。現在、私は草津温泉に住んでいるのですが、車を持っていません。でも、大丈夫!八ッ場ダムと周辺にある観光スポット、草津温泉を周遊する『やんばぐるりん』という便利なバスがあるのです。

バスターミナルで待っていると、そこに2人の男女。声をかけてみました。
「八ッ場ダムに行かれるのですか?」
「ええ、そこで開催される階段アタックのイベントに出るんです」
「私もなんです!」
鈴木さん夫妻(仮名)は神奈川からやって来て、草津で温泉を楽しんだ後、ご主人が50代の部門に参加するそうです。
「マラソンは10年以上やっているのですが、階段アタックは初めて。今回、結婚記念のイベントを兼ねた旅行なんです。妻の前で恥をかかないようにしないと」
「頑張って走ってくれればいいわよ」
仲良しご夫婦なのでした。

水陸両用バス乗り場や道の駅を通り、約50分後、ついに八ッ場ダムが見えてきました。
迫力の巨大ダムを体感する!
今回のイベントの舞台である八ッ場ダムは高さ116メートルの重力式コンクリートダムです。

まずは長い堤体の上を歩いてみます。手すりから下を見ると…高い!ダムの下にいる人々が正に点のような大きさ。

一般に開放されたエレベーターに乗って下へ降りてみます。ウワ~オ、圧倒的迫力!巨大なコンクリートのダムが目の前に聳え立っています。

そして、中央部を流れ落ちる大量の水。それが下部の左にある放出口から虹のようにアーチを描いています。
”すごいなああ~”

再びエレベーターで上へ戻り、なるほど!やんば資料館で八ッ場ダムの歴史や仕組みを勉強(入館無料)。少し離れた展望スペースのやんば見放台に登り、ダムとそれによって造られた八ッ場あがつま湖を含めた雄大な景色を眺めました。
雲が上がり青空が見え始め、八ッ場あがつま湖がエメラルドグリーンに輝きビューティフル!季節や水位によって湖面の色合いや周辺の景色の印象が大きく変化するそうで、これはまた訪れてみたい場所ですね~。

『やんばスカイラン』とは?

さて、本題の『やんばスカイラン』です。先述したように特別開放された管理用階段の316段を一気に駆け上がるタイムトライアル。“ダムと真正面から勝負する”というキャッチコピーの通りのレースです。
部門は男女別で、小学生低学年から60代以上までのシングルアタックと、中学生以上を対象とした2本の合計タイムで競うダブルアタックの2種類です。今回、老若男女229名が参加しました。
開会式に引き続き、シングルアタックがスタート。小学生の子たちが身軽く階段を登っていきます。途中でスピードが落ちていくものの、堤体の上からの観衆からの声援でみんな最後まで頑張って登り切って行きます。パチパチ!


小中学生の部門が終わり表彰式。今回、実は、新記録が樹立されました。中学生女子部門の優勝者である千葉恭子さんのタイム、何と2分44秒。これまでの記録より5秒短縮しました!(*その後、ダブルアタック部門で今西麗菜さんが2分43秒で更新)。
「埼玉から参加しました。学校では陸上部に所属しています。楽しんで走り切ることができました」
千葉さん、昨年(2026年)10月に滋賀県東近江市にある太郎坊宮(正式名称/ 阿賀神社)で行われたステアクライミングの『太郎坊チャレンジ』でも優勝を果たしている逸材です。将来が楽しみですね~。

自分も挑戦!足がゴムのようにへにゃへにゃ

大人部門レースが進んでいき、私の参加する60代部門の開始が近づいてきました。階段の近くに設けられたゲートの前に列を作り、その時を待ちます。参加者は30秒ごとにスタート、前の方が出走し、私の名前が呼ばれました。
「頑張ってください!」
進行の方たちが笑顔で励ましてくれます。緊張をほぐそうと、各参加者にいろいろ声をかけて下さっていているのです。
「5秒前…スタート!」
まずスタート地点から階段下まで走って行きます。階段にたどり着きましたが、意外と段差が高い!ルール上で手すりを使って良いこととになっていて、腕と足をフルに使い、とにかく夢中で登って行きます。
”良い感じ!これはイケるか?”
などと思っていたら、すぐに足に疲れが出てきて減速。前に進むものの、もう最初の勢いはありません。すると、「はい!」と下から声が。
この競技のルールで、後ろの選手に追いつかれたときは、踊り場で順番を譲ることになっています。それに従い踊り場で、後の参加者の方と順番を交代しました。
ダム上からの皆さんの声援を聞きながら、何とか階段部分をフィニッシュ! そこからゴール地点までの数メートルが長いこと。足がゴムのようになってもつれ、真っ直ぐ歩くことができません。その後、道路に突っ伏したまま10分くらい動けませんでした。

60代部門のすべての参加者が完走、結果が掲示板に発表されました。私のタイムは4分59秒、順位は参加者19人で16人、この部門、優勝の方のタイムは何と3分6秒でした! ガ~ン、凄すぎる!
階段アタックのプエリート集団の走りに脱帽!
一般部門が終わると、後半のエリート部門が始まります。黒と赤の恰好良いユニフォームに身を包んだ選手たちがスタート地点付近でウオーミングアップをしています。彼らは国内最高峰のステアクライミング公式シリーズ戦『SJC(ステアクライミング・ジャパン・サーキット)」の選手たちなのです!
今回の八ッ場ダムを始め、東京都庁や大阪のツイン21MIDタワーなど国内の超高層ビルや巨大建築物の階段を駆け登ります。前年の公式戦成績などから厳選された男子20名・女子10名が各地を転戦、年間の階段王と階段女王が決まります。

そして、エリート部門がスタート。一般部門と同じく30秒毎に出走しますが、もう速いこと速いこと!先程、私がゼイゼイ息を切らしながら登った階段を、足に羽根を持っているように難なく登って行きます。さすが、日本ステアクライミング界上位のエリートたちです!

「いやあ、参りますね…」
一緒に観戦していたバスで同乗の鈴木さん(仮名)が呆然と呟きました。
「自分自身で体験したから分かりますが、あのスピードは尋常じゃないですよ」
ちなみに、今回のエリート部門の優勝者の記録は男性部門は中嶋純太選手が 4分6秒(1本目2分2秒、2本目 2分4秒)、女性部門は立石ゆう子選手が 5分50秒(1本目2分56秒、2本目2分53秒)でした。

今回の大会のため、在住する草津温泉の坂道を駆け上ったり、早朝人のいない神社の石段などを登ったりして練習していたのですが、だいぶ残念な結果になってしまいました…。しかし、とても楽しく過ごせたイベントでした。また精進して、挑戦してみたいと思います!

取材協力:やんばSKYRUN実行委員会




