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セグウェイは公道NG!その理由は?

セグウェイは、なぜ公道を走れないのでしょうか。詳しい事情や公道を走るための条件について、電動キックボードの状況も併せて見ていきましょう。
セグウェイの構造が法律に適合しないため
セグウェイが公道を走れない理由は、以下の2点です。
- 法律上の二輪車に該当しない
- 保安部品が足りない
法律では、前後に車輪が付いている車両が二輪車と定義されています。車輪が左右に配置されているセグウェイは、法的には二輪車と呼べません。
また、公道を走行するには、ブレーキや警音器などの保安装置が必要です。しかし、セグウェイは構造上、必要十分な保安装置を搭載できないため公道を走れません。
ただし、私有地であれば走行できます。2021年の東京オリンピックや、2023年の広島サミットに向けた警備強化の一環として、羽田空港の国際線ターミナル内を警察官がセグウェイに乗って巡回したなどの活用実績があります。
セグウェイで公道を走る条件
セグウェイで私有地・施設の敷地内を走行するのであれば、特に免許などの条件はありません。しかし、ツアーでセグウェイに乗車する際は、主催者の判断で最低でも16歳以上でないと参加を認めていないケースが多くなっています。
ツアーでは、初めに乗り方のレクチャーを受けられるので、自動車・バイクの免許を持っていない人でも挑戦しやすいでしょう。
公道を走る場合は、普通自動車免許または普通自動二輪免許が必要です。ただし、公道走行は自治体の協議や国の許可を得たツアーでのみ可能なため、自由な走行はできません。
電動キックボードは公道走行OK
似たモビリティとして、電動キックボードは公道走行ができます。電動キックボードは、モーターの出力によって『特定小型原付』または『通常の原付(1種・2種)』に分類され、保安装置も取り付けられます。
特定小型原付であれば16歳以上なら免許不要で運転でき、シェアモビリティとしても人気です。保安装置の装着やモーターの出力などの条件を満たせば、ナンバープレートを取得して自己所有もできます。
自転車よりも楽に移動でき、自動車・バイクよりもライトな乗り物という意味では、セグウェイに代わるモビリティとして検討する価値はあるでしょう。
関東でセグウェイが乗れるツアー

現在の日本でセグウェイに乗るには、ツアーに参加するのが現実的です。ここでは、関東でセグウェイに乗れるツアーを四つ紹介します。
昭和記念公園セグウェイツアー
東京都立川市にある昭和記念公園では、ガイドの案内のもと園内をセグウェイで1周するツアーが開催されています。
所要時間は約2時間半で、午前と午後に各2~3回ずつ開催しています。各回の定員は6名なので、予約が埋まる前に申し込みましょう。
秋には、通常とは異なるコースを走る限定ツアーも開催されています。9~10月はコスモスをはじめ秋の花が盛りであり、11月には名物のイチョウ並木をセグウェイで駆け抜けられます。通常コースに参加したことのある人も、新鮮な気分で楽しめるでしょう。
武蔵丘陵森林公園セグウェイツアー
埼玉県比企郡と熊谷市にまたがる武蔵丘陵森林公園は、日本初の国営公園です。敷地は東京ドーム約65個分と広大で、歩いてまわるのは骨が折れますが、セグウェイに乗って快適に園内を周れるツアーが開催されています。
四季折々の植物はもちろん、敷地内に住む野生動物も見られるかもしれません。知識豊富なガイドが、スポットごとの豆知識や魅力を教えてくれるだけでなく、途中でセグウェイを降りて気になる動植物の観察も可能です。
広い園内を効率よくまわりたい人は、ぜひ参加してみましょう。
横浜セグウェイツアー
横浜セグウェイツアーは、複数回にわたる実証実験やモニターツアーを経て、都市部で唯一セグウェイで公道を走れるツアーとして認められています。
赤レンガ倉庫やみなとみらいの湾岸沿いの道など、横浜の定番観光スポットをいつもと違った角度から楽しめます。
平日限定で開催されるプライベートツアーや、3回以上参加経験のある人が申し込めるアドバンスツアーもあり、1人でもグループでも楽しみやすいでしょう。
なお、本ツアーは公道を走るため、普通自動車または普通自動二輪の免許が必要です。
箱根芦ノ湖セグウェイツアー
箱根芦ノ湖セグウェイツアーは、富士山を望む絶景の湖畔をセグウェイで巡れます。セグウェイの高い視点から眺める芦ノ湖の景色は格別で、普段とは違った角度から箱根の大自然を満喫できます。
専門ガイドが丁寧に操作方法を指導するため、初心者でも安心して参加できるでしょう。ツアーには、縁結びで有名な九頭龍神社への参拝も含まれ、箱根の歴史と文化にも触れられます。
四季折々の自然の変化を肌で感じながら、風を切って進む爽快感はほかでは味わえません。箱根の新しい観光スタイルとして、温泉に出かけた際にはセグウェイで散策してみてはいかがでしょうか。
地方でセグウェイが乗れるツアー
地方でも、セグウェイを体験できるツアーが開催されています。最後に、静岡県と北海道、福岡県のツアーを紹介します。
三島スカイウォーク
三島スカイウォークは、静岡県三島市にある全長約400mの巨大つり橋を含むレジャー施設です。アスレチックやバギーコース、小動物との触れ合いコーナーなどもあり、1日中遊べます。
セグウェイガイドツアーでは、オフロード仕様のセグウェイに乗って敷地内を散策できます。森の中の砂利道を進む部分もあり、スリルを楽しみたい人にもおすすめです。
セグウェイの乗車経験のある人は、より手応えを感じられる中級者コースに参加できます。中級者コースでは、坂の上り下りや不整地の走行など、少々難易度が高く設定されているため、経験者は挑戦してみましょう。
セグウェイガイドツアー | 絶景と発散。 富士山を望む大吊橋 三島スカイウォーク
札幌滝野すずらんセグウェイツアー
北海道唯一の国営公園である、国営滝野すずらん丘陵公園をセグウェイで散策するツアーです。ツアーでは、約400haの広大な敷地の中にある『滝野の森ゾーン』を散策します。
『野生の王国』の別名を持つだけあり、滝を含む起伏の美しいエリアや約400種類以上の植物、エゾシカやユキウサギなどの野生動物を、セグウェイに乗りながら見てまわれます。
園内には子どもが遊べる大型遊具やキャンプ場があり、1日中遊べる見どころ満載の公園です。また、平日限定のプライベートツアーも申し込めます。
海の中道セグウェイツアー
福岡市近郊にある、海の中道海浜公園内を散策するツアーです。歩きでまわるのが大変な見どころも、セグウェイで快適に見てまわれるでしょう。
園内には、四季折々の植物が生息しており、1年のうちいつ参加しても美しい景色が楽しめます。海沿いを走るコース内には、アップダウンや異なる路面もあり、走り応えは抜群です。
海の中道海浜公園には、動物園や夏期に開放されているサンシャインプールなどがあり、隣接したマリンワールドではイルカ・アシカショーが見られるなど、セグウェイ以外にも楽しめるスポットが満載です。
まとめ

セグウェイは、構造上の理由と保安部品の取り付けができない点から、現行の法律では公道走行が認められていません。日常的な移動のために自由に公道を走りたい人は、電動キックボードに乗る選択肢もあります。
ただし、自治体の許可を得たツアーなら、運転免許を持っている人に限りセグウェイでの公道走行が可能です。国立公園内や有名観光地では、免許がなくてもセグウェイに乗れるツアーが開催されています。
気軽にセグウェイを体験してみたい人は、ツアーに参加してみましょう。