どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
- Text
ビギナーでも「最高の景色」が楽しめます!(雪遊び王国オーストリア旅・その1)
訪れたのはオーストリアの東部、チロル州にあるツィラータール地方の「マイヤーホーフェン(Mayrhofen)」というリゾートタウンです。このマイヤーホーフェンエリア、日本ではそれほど知られていないかもしれませんが、オーストリアでは一、二を争うくらいに人気のスキーリゾートです。
スキー場に行くゴンドラもマイヤーホーフェンの街外れから出ています。私たちが泊まったホテルは街の逆端にあったのですが、それでもゴンドラまでは徒歩10分です。
さてここは「アルペンスキーの本場」ですから、もちろんスキーを楽しみましたよ。
ともに参加した、私もフォトグラファー氏(田所優季さん)もビギナーレベル。てなわけでゲレンデでいきなり鮮やかなスロープを描く…というわけにはいかず、ここでもスキースクールでのレッスンに参加。

このマイヤーホーフェンをはじめとするツィラータール地方のゲレンデは、基本的にはゴンドラで山の上のほうに上がって降りたところにあります(そしてさらに上に行く上級者向けのゴンドラやリフトもあります。逆にゴンドラ山麓駅まで降りる「林間コース」もあります)。
つまりリゾートタウンであるマイヤーホーフェンの街は標高600メートルなのですが、私たちがビギナー向けレッスンを受けた場所は標高1800メートル! 風景は上級者が見るのとほぼ同じ「完全無欠なヨーロピアンアルプス」なのです!

上級者はもちろんビギナーでも「アルペンスキーの本場ヨーロピアンアルプスでスキーをしたぞ~感」が充分すぎるほど味わえます!
ちなみにほぼビギナーの私、ちゃんとしたゲレンデでもすべりましたよ。

「トボガン」というそりでの超爽快なすべり!
スキーを終えた私たち。別の日に挑戦したのはトボガンという「そり」の一種です。
今回はマイヤーホーフェンの街にある駅前のバス停からバスで1本約45分のヒンタートゥックスというスキー場に向かいます。マイヤーホーフェンの街はツィラータール地方の中心地なので、どこに行くにもバス1本。慣れない外国ではこの乗り換え要らずの手軽さが助かります。


フィンランドのヒモスでやったのはトラックのタイヤチューブのような巨大なチューブで雪の坂をすべる「スノーチューブ」でしたが、今回のそりは「トボガン」。「座席の下と足置きはの下にそれぞれ左右2対、計4つのちっちゃなスキー板状のものがつっついている」という形状です。

普通のそりでもスノーチューブでも、基本的には「すべり始めたら、行き先はそりに聞いてくれ」状態。まあ熟練者になれば体重移動などで多少方向は変えられるのかもしれませんが、それでも限度があるでしょう。でもこのトボガンは足で前輪ならぬ前スキー板を動かして方向修正できるのです! 「自分が思うままに行き先を変えられるそり」なのです!

トボガンの注意点を聞きます
最初に操縦の説明を聞きます。

これはストッパー兼ブレーキ。手を触れないでいれば、アイゼンの爪のようにガシッと雪をつかみます。でもこのバーを上げればそのガシッとつかむ爪の部分が地面の雪から離れるのでストッパーにはならず、坂の上をすべりはじめます。
つまり滑るときにはバーを上げ、速度を落としたり止まったりしたいときにはバーを押し下げる。というわけでトボガンに乗っている間、基本的にずっとこのバーを両手で持っていることになります。


トボガンは広いゲレンデではなく決められた「コース」を進みます。ゲレンデを好きにすべるのもいいのかもしれませんが、決まったコースをいかに早く爽快にすべるか。言ってみれば車やバイクのレースコースを走るようなもので、頭の中ではフジテレビF1中継のテーマであるT-SQUAREの「TRUTH」が鳴り響きます。

スキー同様に爽快なすべり心地でどんどん加速していきます。ゴーカートレベルで着座位置が低いのでスピード感もたまりません。
コースの全長1キロメートルくらいで、走行時間は3分くらいでしょうか。もっともっと長く続けたい。10キロメートルとかそんなコースがあったら最高なのになあと思いました。
じつはあるところでこのトボガンの存在を知って「ああ、ヨーロッパのアルプスでこれをやってみたい」と思ったのが、そもそものこの旅の始まりだったのですが…直感は正しかったです! これをやりにオーストリアまで来て良かったです。

トボガンを長く続けられない事情が
走行中もそうなのですが、特にバーを下げてブレーキをかけるときに砕かれた氷がはねて、手にあたります。ところがその日は気温は0度とかそんな感じだったのでしょうが日が照って雪の反射もあってのぽかぽか陽気だったため、フォトグラファー氏も私も素手だったのです。
いくらぽかぽか陽気でも数分間両手に砕けた氷を浴び続ければかじかみます。てなわけで防水系の手袋は絶対に必要! それに袖口からも砕けた氷が入ってきて中に着ているものが濡れます。袖口をギュッと締められるタイプの服を着ることがおすすめというか必須です!
それと思ったよりずっとスピードが出ます。最初の説明のときに「スピードが速いと思ったらブレーキを」とまるで「場合によって使用も」的に言われたのですが…「ブレーキは最初からある程度使うもの」と考えた方がいいと思います。特に慣れないうちは。




オーストリアはシンプルにおいしいものが多いです、マジで。
玄関口としてはドイツのミュンヘン空港が便利
さてオーストリア旅シリーズの1回目ということで、拠点にしたマイヤーホーフェンへの行き方についてお伝えしておきましょう。
オーストリアの西のほうに位置するため、東の端にある首都のウィーンからはかなり遠いです。というわけでインスブルック国際空港または、じつは近いドイツのミュンヘン国際空港から、事前予約した乗り合いタクシーを利用するのがオススメです(マイヤーホーフェン観光局でもこれがオススメとされています)。
私たちもヘルシンキからフィンエアーでミュンヘンに飛びました。
乗り合いタクシーなので途中で下ろす人がどれくらいいるかで変わってきますが、所要時間は2~3時間。空港で乗車して、滞在するホテルの目の前で降ろしてくれるのもうれしいところ。
そういえばヘルシンキ空港からミュンヘン空港に向かうでフィンエアーの中で1つ感動することがあったので、サクッと紹介させてください。
離陸前なにげなく窓の外を見ていると、高所恐怖症ってほどではないけれども高いところがあまり得意ではない私は絶対にいられないような操縦席がある重機が停まっていました。

「ええっと臨時管制塔? なわけないよな~」と思ってみていたら、操縦席が主翼のほうに向き…。

あとでフライトアテンダントの人に「あれって解凍するための液ですか?」と聞くと、その通りとのこと。
この機材は一晩中ヘルシンキ空港に停まっていたので翼が凍結。そこで解凍用の液の噴射をパイロットが指示したそうです。こんなふうにいろいろな形で安全は守られているんですね。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
取材協力:MOUNTOPOLIS (THE MAYRHOFNER BERGBAHNEN WORLD OF ADVENTURE)
https://www.mayrhofen.at/en/pages/mountopolis-starting-page-winter
マイヤーホーフェンエリアの「冬のアクティビティ」に特化したサイト。
Mayrhofen-Hippach holiday region
https://www.mayrhofen.at/en/
「夏のアクティビティ」も含むマイヤーホーフェンエリアの総合サイト。
オーストリア観光公式(冬のオーストリア旅行について)
https://www.austria.info/ja/inspiration/skiing-and-winter/
フィンエアー/Finnair
https://www.finnair.com/jp-ja
「日本から一番近いヨーロッパ」であるヘルシンキ経由で、欧州約70都市へ。羽田・成田・中部・関空の4空港就航。
写真/田所優季
旅行写真家、トラベル・ライフスタイルライター、ファッションデザイナー。








