
激ウマ料理を食べながらの旅
私が紹介します!

鉄道旅をこよなく愛する「元祖・鉄子」。JR全線完乗・私鉄乗車率96%ほど。写真集に『汽車通学』(メディアファクトリー)、著書に『おんなひとりの鉄道旅』(小学館)など。
趣のある木造無人駅を利用した駅舎喫茶が点在する釧網本線。オホーツク海に一番近い北浜駅には「停車場」、止別駅には「えきばしゃ」、川湯温泉駅には「オーチャードグラス」が入居。
まずはオホーツク沿岸の車窓をながめ、止別でラーメンに舌鼓。田園など緑の風景を楽しみながら川湯温泉へ。川湯温泉は星空が美しい静かな温泉地。
2日目は温泉周辺を探索後、駅舎喫茶で昼食を。普通列車と観光列車を活用して釧路湿原を堪能し、釧路に宿泊。
3日目は花咲線で釧路から最東端の駅・根室へ。車窓に広がるのは海岸や原野、野鳥が飛び交う湿原。まさに別天地といった風景を見ながらきっと思うはず。
北海道は、果てしない。
DAY1
飴色スープ+白髪ネギが病みつき

網走からオホーツク沿岸を駆け抜け、止別駅へ。大正時代からの木造駅舎に入居する「らーめん喫茶 えきばしゃ」。11時~16時(ラストオーダー15時30分)。木曜休。

名物は、細切りチャーシューと白髪ネギが山盛りになった塩味の「ツーラーメン」。

昭和初期に建てられた木造駅舎に入居するのは、かつての駅事務所と迎賓室を改造したシックな駅舎喫茶「オーチャードグラス」。10時~17時(ラストオーダー16時)。不定休。

名物は味わい豊かな地元産の牛肉を使った、トロトロとろけるビーフシチューセット。
DAY2
湿原のど真ん中をゆっくり走行

日本一大きな湿原・釧路湿原を列車は走る。季節臨時列車「くしろ湿原ノロッコ号」は文字どおり、見どころにさしかかるとノロノロゆっくり走ってくれる。
DAY3
海岸を見渡しながらゴール駅へ

花咲線の海岸では「昆布干し」の様子が見られる。マンガ「ルパン三世」のラッピング列車も走り、窓には登場人物の名前が。

ラムサール登録湿地・別寒辺牛湿原の車窓。カモ類やサギ類、運が良ければタンチョウやオジロワシを目にすることも。

合計料金
普通列車乗車券 6,600円
JR釧網本線・JR花咲線利用
「くしろ湿原ノロッコ号」は全席指定で乗車券のほかに指定席券¥840が必要。「くしろ湿原ノロッコ号」の運行は釧路~塘路、10月5日まで(10月4日は釧路~川湯温泉、9月8日〜10日は除く)。
所要時間:2泊3日
スタート駅→ゴール駅:JR網走駅~JR根室駅
おすすめスポット
一番早く日の出を拝める納沙布岬

せっかくなら最東端の岬・納沙布までたどり着きたい。途中に広がる風景も最果ての旅情がある。
アクセス:JR根室駅前バスターミナルより路線バス「納沙布線」で約40分
※構成・撮影/矢野直美
(BE-PAL 2025年9月号より)