北海道東トレイル2泊3日の旅!屈斜路湖のまわりをぐるりと歩くのだ | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

山・ハイキング・クライミング

2025.09.16

北海道東トレイル2泊3日の旅!屈斜路湖のまわりをぐるりと歩くのだ

北海道東トレイル2泊3日の旅!屈斜路湖のまわりをぐるりと歩くのだ
童心に還ってはしゃぐ"プチ冒険"もいいけれど、せっかく行く北海道。雄大な自然に身を包まれながら、この足で大地を踏みしめて存分に味わいたい──。そんな本格派には、少々ハード……でも満足度が高いガチスタイルをご案内!

北の大地に誕生したロングトレイル

行ってきた人

ライター 高橋庄太郎
自宅に大小の木彫りのヒグマが5頭飾られているほどの北海道好き。毎年初夏になるとクルマに遊び道具と仕事道具を満載して現地へ移動し、2〜3週間も過ごしている。

大変なのはわかっていたが、これは予想以上だ! その日の約39 ㎞という超長距離に加え、北海道とはいえ真夏。僕の体はヘロヘロになるほどダメージをくらい、2日目の夕方前、標高ちょうど1000mの藻琴山にたどり着いたときは放心状態。山頂からの絶景を堪能できたのは、ひと息ついて余裕が生まれてからなのであった……。
 
さて、全国でさまざまな個性を持つ「ロングトレイル」が整備されているなか、注目すべきトレイルが北の大地に登場した。それが昨年10月に開通した「北海道東トレイル」。北は知床半島の羅臼町、南は釧路市を起終点に、全長なんと約410㎞だ。
 
これだけ長いのだから1回で歩き切るのは非現実的。まずは自分好みの区間を探し、そこから歩き始めればいい。とはいえ、世界自然遺産の知床や日本最大の釧路湿原など見どころが多すぎて、心底迷ってしまう。
 
結局、僕が選んだのはトレイル中央部、屈斜路湖エリアだ。このトレイルは車道を歩く区間が長いのだが、屈斜路湖付近ならば登山道が中心で自然がより濃厚なうえ、標高差もあるので見晴らしバツグンのはずである。
 
フェリーで大洗から苫小牧に上陸した僕はクルマを走らせ弟子屈町に。クルマをJR摩周駅近くに停めて歩き始めた。なぜクルマで来たのに駅出発なのかといえば、最終日は川湯温泉駅まで歩き、鉄道を使ってクルマを回収する“作戦”だったからだ。
 
歩き始めるとトレイルはすぐに畑と牧草地に入っていく。あれはジャガイモだな、それは小麦だな。ここはまさに日本の食材庫。北海道の農地のデカさはクルマで走ってもわかるが、歩くとダイレクトに牧草のにおいが感じられ、青々とした緑が目に飛び込んできて、より新鮮だ。
 
初日はのんびりと歩いているうちに屈斜路湖に到着した。湖に突き出た和琴半島のキャンプ場にテントを張り、露天風呂に入りに行く。湖水でほど良い湯温になっていて、ああ極楽だ。
 
一方で、僕の頭は明日のルートへの大きな期待と不安でいっぱいだった。間違いなく絶景が待っているが、この日のキャンプ場と次のキャンプ場の間はなんと約39 ㎞! 中間地点の美幌峠で途中下山でもしなければ、どうしても一気に行くしかない。
 
この区間をテント泊で歩くのはキツすぎる。それはトレイルの関係者も理解していて、実際、その美幌峠付近に新しいキャンプ場を作れないかという話になっているようだ。現時点ではテント泊の人は僕のように歩くしかないが、無理はせずに旅館泊などを組み合わせ、美幌峠で一回区切ったほうがいいだろう。
 
2日目は早朝4時に出発。はじめに標高754mの津別峠へ13 ㎞以上を歩き、そこから屈斜路カルデラの外輪山の稜線を美幌峠へ約11 ㎞進んでいく。
 
僕の右側にはいつもブルーの屈斜路湖。前方にはグリーンの笹原が広がり、遠くには2泊目のキャンプ場がある藻琴山。いやはや、この景色、すばらしすぎるなあ! とはいうものの、やはり距離が長くて疲れるし、晴れすぎて登山道は灼熱。だが、頑張るしかない。
 
なんとか美幌峠にたどり着き、道の駅の涼しい屋内でたっぷり休養。アイスがうまい! 30分後には再び出発し、さらに約14 ㎞先にある藻琴山を目指す。
 
相変わらず見事な景色が続く。歩くにつれて屈斜路湖が見える角度が変わり、同じ湖でも見飽きない。ただ、藻琴山がぜんぜん近付いてこない……。
 
それでも冒頭に書いたように山頂へたどり着き、夕方前にキャンプ場へ。いやはや、疲れ切った! 夕飯を食い、すぐに寝る。
 
最終3日目。僕は屈斜路湖畔へ下り、川湯の街に出た。そして最後のお目当て、硫黄山に。
ここは何度来てもスゴイ! “地球のエネルギー”って、こんな場所のことだよな? ただ、硫黄山の噴気は熱すぎて怖かった。
 
やはりロングトレイルの疲れを癒やすのは激しい噴気ではなく、優しい温泉だ。ゴールの川湯温泉駅の足湯を思い浮かべつつ、硫黄山を後にしたのだった。

今回は北海道東トレイルの中央部に位置する屈斜路湖を中心に、JR釧網本線摩周駅から川湯温泉駅までの85㎞程度。キャンプ場以外にホテルや民宿に宿泊して歩くこともできる。

往復はフェリーで!

image

今年1月に就航開始した新造船「さんふらわあ かむい」で茨城県大洗港から苫小牧港へ! いちばん安価な「コンフォートSシングル」でも個室だ

image

DAY1

JR摩周駅~屈斜路湖・和琴湖畔キャンプ場

12:00

屈斜路湖を目指してさあ、出発!

image

スタートはJR釧網本線摩周駅。駅の外には足湯もあり、歩き始める前から気が緩んでしまう。

image

13:45

どこまで続く? まっすぐな道

image

弟子屈の街中を過ぎると、トレイルは森と農地に入っていく。牧草地には真っ黒なシートにくるまれた牧草ロール。これぞ北海道的風景!

image

image
川下りもしたいな~。

屈斜路湖から釧路川が流れ出すポイントが眺湖橋。僕は川を眺めてしまったが。

16:45

初日は余裕! 温泉で寛ぐ

image

夕方前に和琴湖畔キャンプフィールドに到着。ソロ専用区画は僕ひとりで、その裏に屈斜路湖! 徒歩数分の露天温泉(無料/混浴)も独り占めでした!

image

DAY2

屈斜路湖・和琴半島~津別峠~美幌峠~藻琴山~ハイランド小清水キャンプ場

04:00

image

朝もやで幻想的な屈斜路湖を出発! 他のキャンパーはみんなまだ寝ていた。

image

今日もまっすぐな道。道路標識によれば、差し当たっての目標の津別峠まで8㎞。

image

延々と続く津別峠への登り坂。この時点で屈斜路湖との標高差は300mほどだ。

08:15

やっと津別峠! ここからは外輪山歩きだ!

image
キツい登りはこれで終わり?

津別峠の展望施設の標高は947m。湖が121mだから、一気に826mも登ったことになる。しかも車道を! ここからようやく自然の登山道に入っていく。

09:45

近付いているのか!? 目標地の藻琴山

image

クマザサのなかに大木が立ち並ぶ北海道らしい森。遠くに見えるのが2泊目のキャンプ地がある藻琴山だ。本当にあそこまで歩ける?

11:00

"時計回り"で少しずつ表情を変えていく屈斜路湖

image
全身の汗が止まらない!

ここは「屈斜路カルデラトレイル」と重複する区間で、ありがたいほど整備はバッチリ。だが、この日の最高気温は軽く30度Cを超えており、暑さでバテ気味に……。

11:50

ここは天国か! 美幌峠

image
image

image
これが名物、熊笹アイス
image

車道と交差し、道の駅がある美幌峠は、外輪山の区間の中間地点。アイスを食べて体を冷やし、エネルギーをチャージした。

image

こんなトレイルでもヒグマ出没の可能性はあり。少し緊張しながら進む。

image

奥にはいまだ遠い藻琴山。僕の遠近感が少し狂っているのかも。

16:10

image

ついにこの区間のハイライトのひとつ、藻琴山に到着! 屈斜路湖のいちばん奥には今日の出発地の和琴半島が見えた。


17:15

歩き疲れた体で何とかテント設営

image

2泊目はハイランド小清水キャンプ場。シャワーも使える施設なのに、あまりにクタクタで僕はすぐに寝てしまった。

DAY3

ハイランド小清水キャンプ場~川湯ビジターセンター~硫黄山~JR川湯温泉駅

06:40

外輪山を下り、もう一度、屈斜路湖へ

image
早くも最終日か~

この日は急ぐ必要はないのだが、朝から暑いテントのなかでは寝ていられず。外輪山から湖畔へ下りる道では涼しい風が吹き、ひと息つけた。

image

意外なことにこのトレイルで湖畔を長く歩くのはこの区間くらい。やはり水辺はいいね!

image

屈斜路湖では珍しく、きれいな石の湖岸の碁石浜で涼をとる。少ししたらまた道路歩きだ。

image

山腹から噴煙を上げる硫黄山が見えてきた。つまり、ゴール地点の川湯温泉駅も近い。

image

川湯温泉の商店街。お土産屋で木彫りのヒグマを探したくなるが、時間を食いそうなので先にビジターセンターを目指す。

image

北海道東トレイルの拠点にもなっている川湯ビジターセンター。"トレイルの歩き方"に迷ったら、ここで相談しよう。

11:30

これぞ大地のエネルギー! 熱気がすごい硫黄山

image
アチッ!
やけどしそう

大観光地の硫黄山。屈斜路湖を含む大火山地帯のなかで、もっともダイナミックな活動が間近に見られるのが、ここだ。

12:45

ついにゴール! JR川湯温泉駅

image

古びた駅舎がかわいい川湯温泉駅。ここにも足湯があり、ちょうどいい温度。列車が来るまでいくらでも時間をつぶせる。

image
最後もやっぱ足湯よ

※構成/高橋庄太郎 撮影/國分知貴 地図/MORISON

(BE-PAL 2025年9月号より)

NEW ARTICLES

『 山・ハイキング・クライミング 』新着編集部記事

温泉や絶景を楽しめる!栃木県のおすすめ山登りスポット7選

2026.01.31

足で登って出会った絶景。熊のいない千葉県鋸山で気軽に楽しむ産業遺産ハイキング

2026.01.22

【ヨーロッパ各国の最高峰チャレンジ】ブルガリアの頂上「ムサラ山」へ。白銀のてっぺんにいた“山の主”とは?

2026.01.21

初心者も楽しいスノーシューハイクに出かけよう♪おすすめポイントとギアも解説!

2026.01.18

【神奈川県のおすすめ低山5選!】透き通った景色を愛でながらハイキングしよう

2026.01.15

【ヨーロッパ各国の最高峰チャレンジ】拍子抜けするほど“ゆるい”!?ハンガリーのてっぺん・標高1,014mの「ケーケシュ山」へ

2026.01.12

東野登山隊が奥穂高岳・ジャンダルムにアタック!東野幸治さんと庄司智春さんに聞く登山の面白さ

2026.01.09

大菩薩峠と大菩薩嶺の違いとは?初心者におすすめの登山ルートとアクセス案内

2025.12.30

年末を山で過ごすなら「トレイルそば」で年越しを!

2025.12.24