いよいよ夏の登山シーズンが本格化してきました。九州で登山といえば「くじゅう連山」を外せません。登山口も複数あり、アプローチや縦走ルートによっては、さまざまな楽しみ方ができます。今回は、日帰り登山にピッタリな約10キロのコース距離プランをご紹介します。

くじゅう連山ってどんな山?
日本百名山の一つ、九重(くじゅう)連山は大分県に位置し、北は玖珠郡九重町(ここのえまち)、南は竹田市久住町(くじゅうまち)にかけて広がる、九州の代表的な山です。
九州本土最高峰中岳(1,791m)をはじめ、久住山、大船山、星生山など1,700m級の山々が連なり、“九州の屋根”とも呼ばれています。
今回は、1,700m級の2座、天狗ヶ城と中岳、そして青い水をたたえる御池を見に行きましょう。夏の登山はやはり暑いため、早朝の出発をおすすめします。

スタートは一番人気の「牧ノ戸峠」から
くじゅう連山は、さまざまなルートがありますが、「牧ノ戸峠」から登り始めるコースで今回は歩いていきましょう。駐車場、トイレ、売店があることから人気の登山口になります。スタートするとしばらくは舗装路を上っていきますが、ウォーミングアップも兼ねてゆっくり歩くのがポイント。
15分ほどで第一展望台に到着します。三俣山、タデ原湿原、由布岳などが見えてくるでしょう。暑くなってきたら衣類を脱いだり、荷物を調整するなどして、水分補給も忘れずに、美しい景色を眺めましょう。舗装路はしばらく続きますが、第二展望台に着けば、阿蘇山、星生山や久住山が見えてきます。
その先へ進むと、本日の登山の1座目の沓掛山(くつかけやま)へ到着します。ここからの展望も抜群! 山頂付近は岩場なので注意して歩きましょう。

変化に富んだ景色を楽しみましょう
沓掛山を通過し、展望や鳥の声などを楽しみながら進んでいきます。扇ヶ鼻分岐(おうぎがはなぶんき)で一息ついたら、平坦で歩きやすい西千里ヶ浜へ。しばらく歩くと目の前に、尖っていて美しい久住山が姿を現します。
北側は星生山の稜線が続いており、歩く人の姿が小さく見えるかもしれません。岩場を越えたら久住分れに到着。トイレ(清掃協力金100円)、避難小屋があるので一息つくと良いでしょう。阿蘇山の眺めも素晴らしい分岐点になります。

天狗ヶ城へ
久住分れで一息ついたら、いよいよ天狗ヶ城を目指します。山頂直下はゴロゴロの岩場歩きなので、浮石に注意しながら一歩一歩慎重に上って行きましょう。眼下に青い水をたたえた御池が見えてきます。
山頂では、360度の大パノラマがお出迎え! 疲れも一気に吹き飛ぶことでしょう。天狗ヶ城から降りる際は、大きな岩を通過する箇所があるので、注意しながら歩いてください。鞍部に降りたら、次に登る中岳が目の前に見えてきます。

くじゅう連山最高峰 中岳へ
中岳直下も岩場になっています。なかなかハードな道が続くため、ゆっくり確実に歩いていきましょう。たどり着いた山頂からはまた絶景が広がり、ゆっくりとランチタイムを取るのにぴったりです。
休憩後は鞍部におりて、御池方面へ。池の側を通ることもできるし、少し高巻きをして池を見下ろしながら歩く事もできます。この夏の季節は、青い空と池、緑がとても美しいです。

来た道をのんびりと戻りましょう
ふたたび久住分かれへ戻って、来た道を歩いて行きます。下りは特にゴロゴロした岩に注意しつつ、もう一度沓掛山を通過し、舗装路を下れば牧ノ戸峠へゴール。今回もお疲れ様でした!
下山後は、牧ノ戸峠レストハウスでソフトクリームやブルーベリージュースはいかが? お土産のおすすめはオーナー手づくりブルーベリージャム。つい、何個も買ってしまいそうになります。いろんな山々のピンバッジもゲットできます。近くには温泉もたくさんあるので、立ち寄り汗を流してから帰りましょう。

プラスで楽しむ
タデ原湿原
くじゅう連山の登山口のひとつの「長者原登山口」。ここに「長者原ビジターセンター」があり、くじゅう連山に関する情報をゲットできる。そこからすぐに位置する、「タデ原湿原」を散策しよう。春から秋にかけてたくさんの花が楽しめる。8月頃は、まん丸のかわいいヒゴタイを見る事ができる。
長者原ビジターセンター 電話 0973-79-2154
温泉
高原テラス
長者原登山口から徒歩5分ほどにあり、立ち寄り湯として利用可能。鉄分を多く含む泉質は、疲労回復に最適。もちろん前泊、後泊もおすすめ。
住所:大分県玖珠郡九重町田野260-1
電話:0973-79-2230
時間:11:00~19:00(※冬季12月~2月/11:00~18:00 受付は17:00まで)
料金:500円
HP:http://hokkein-hana.jp/
星生ホテル 山恵の湯
4種類の泉質と、くじゅう連山を一望する景色を多彩な湯舟で楽しめる。特に露天風呂から眺める事ができる三俣山の景色は圧巻。
住所:大分県玖珠郡九重町大字田野230番地
電話:0973-79-3111
時間:【平日】10:00~19:30(受付は18:30まで)
【火・金 】14:30~19:30(受付は18:30まで)
【土・日】10:00~19:30(受付は18:30まで)
料金:1,000円
HP:https://hosshouhotel.co.jp/
アクセス情報
公共交通機関
九重町コミュニティバス 「豊後中村駅」―「牧ノ戸峠」
九州産交バス「別府駅前本町」ー「牧ノ戸峠」(要予約)
車
九州大分自動車道九重I Cで下車。飯田高原中村線県道40号、621号、牧ノ戸峠へ。約40分
登山ウェアや持ち物について
夏の暑い時期なので日が昇るとやはり暑い。昼からは積乱雲が発達し天候が崩れる可能性が高いため、早い時間の出発をおすすめする。水分は1.5リットル以上、塩分、冷たい飲み物なども持っていこう。暑い時期は無理をしない登山スタイルで。きついと思ったら引き返す勇気を。
くじゅう連山 天狗ヶ城、中岳データ
所在地 大分県
山域 くじゅう
標高 中岳 1796m ・ 天狗ヶ城 1780m
今回のコース
コースの距離:約10キロ
コース:
牧ノ戸峠登山口(40分)沓掛山(50分)扇ヶ鼻分岐(30分)久住分かれ (30分)天狗ヶ城(20分)中岳(40分)久住分かれ(30分)扇ヶ鼻分岐(80分)牧ノ戸峠登山口(合計6時間20分休憩なし)
問い合わせ
九重町観光協会 0973-73-5505
長者原ビジターセンター 0973-79-2154
コミュニティバス 九重町 未来デザイン推進課 0973-76-3874
九州産交バス 096-354-4845