木製の3本脚ベンチを手作りしてみた!里山で"自由木工"してみませんか? - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.05.15

    木製の3本脚ベンチを手作りしてみた!里山で"自由木工"してみませんか?

    木製の3本脚ベンチを手作りしてみた!里山で"自由木工"してみませんか?
    電動工具や高価な大工道具がそろった工房でないと家具はつくれない?いえ、そんなことはありません!キャンプのついでにできちゃうのが、手と頭の連携でつくる"自由木工"なのです。

    設計図なし、電動工具も使わない"自由木工"でつくる3本脚ベンチ

    丸太運びからスタート!

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    オモテ

    置いてもガタつかない

    ウラ

    4本脚よりカンタン!

    3本脚の椅子は、4本脚の椅子に比べると安定性にやや欠けるが、置いたときにガタつかず、つくりやすいというメリットがある。木の枝を脚にそのまま利用すれば、穴あけは手回しドリルだけで済む。穴数も3つでよい。2股になった枝を使えば、2穴で自立する。

    ヒトとはホモ・ファーベル(工作する人類)である―アンリ・ベルクソン(フランスの哲学者)―

    師匠・鹿熊(以下鹿):ハラボーは、ヒトの学名「ホモ・サピエンス」の意味を知ってるよね?

    編集・ハラボー(以下ハ):もちろんですとも。「賢い人類」っていう意味でしょ?

    鹿:じゃあさ、「ホモ・ルーデンス」はわかるかな。

    :えっ、なんですかそれ。絶滅した旧人類かなにか?

    鹿:ヨハン・ホイジンガという人が提唱した言葉で、意味は「遊ぶ人類」。ヒトの文化は遊びにより高められたという説だよ。

    :あら素敵。ビーパルの編集者としては深く賛同します!

    鹿:ヒトの定義にはほかにもあるよ。たとえば「ホモ・ファーベル」。アンリ・ベルクソンという哲学者の考えた人間観で、意味は「工作する人類」。人間の本質はモノづくり、つまり創造力だという意味だね。

    :知性・遊び心・モノづくり。この3つが人間の人間たるゆえんというわけですね。

    鹿:そのとおり! というわけで、今日は間伐丸太と雑木の枝で工作を楽しんでもらおうと思うんだ。テーマは3本脚ベンチ。使っていいのは素朴な手工具だけ。木工といえばミリメートル単位の設計図が付きものだけど、それもなし。機械にも数字にも頼らず、直感で仕上げてもらいます。題して自由木工!

    :へえ、楽しそう~。丸太と木の枝を組み合わせたベンチなんて、想像したこともなかったです。ところでなんで3本脚?

    鹿:4本脚よりバランスを取りやすいし、脚をはめ込む穴がひとつ少ないから楽でしょ。2股になった枝を使えば、2穴で自立させることも可能だよ。

    :なるほど! でも、丸太じゃ座りにくいですよね。どうやって平らにするんです?

    鹿:割り木工といって、鋸で引くんじゃなく楔とハンマーでコツコツ割って板にするんだ。縄文時代からある技術だよ。

    :21世紀のホモ・サピエンスであるハラボー、いろいろ試されている気がします!

    鹿:その心意気が大事。ホモ・ファーベルの先輩に笑われないくらいのものをつくろうね。

    割る道具

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    丸太を割る鋼製の楔は小1本、大2本ほど用意。長く太い材ほど数が必要になる。片手ハンマーは2㎏以上のものを。薪割りでも活躍するので、備品としてもおすすめ。

    削る道具

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    大工道具の鋸や台鉋が普及する前、木材は楔で割ってから刃物で削って仕上げた。右から、鉈、セン(ドローイングナイフ)、小刀。

    穿つ道具

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    脚部の穴あけに便利なリングオーガー(木工用手回しドリル)。今回は直径2~3㎝を使用。右は脚部(枝材)の直径を調節する鋸。

    作り方を紹介!

    STEP 1 割る

    木の筋目を読みクサビを打ち込む

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    針葉樹なら乾いた丸太でも良いが、堅い広葉樹は半乾きのときが割りやすい。小口(切り口)の自然にできたひびに小さな楔を打ち込む。

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    ひびが亀裂になったら、大きな楔を打ち込む。成長した亀裂に沿ってさらに楔を打ち、縦に2分割するイメージで割れ目を広げる。

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    ひびが反対の小口に達すると、メリメリッという亀裂音が大きくなる。ここまでくればもうひと息。最後のひと振りでパカンと割れる。

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    メリメリ~ッ、パカン!
    クセになる感覚です

    中心から2等分するように楔を打ち込むときれいに割れやすい。長さは60㎝くらいまでが手頃。風倒木や小径木など、薪にしかならないような材を活用する。

    STEP 2 削る

    半分割してささくれを取る

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    2つに割ったら、厚い板をつくるイメージでもう半分割しよう。最初のようにはきれいには割れにくいので、鉈やセンで削りながら、ざっくりとした平面に仕上げる。

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    サクサク削れる感覚が楽しい!

    STEP 3 組む

    脚は木の枝の個性を活かそう

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    脚部の枝は乾燥したものを。差し込み外周に鋸で切り目を入れ、径に合わせて鉈で削る。

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    穴の角度は、板に対して直角よりやや開く。脚に使う枝の曲がりも見ながら決める。

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    枝の差し込み部分は削りすぎないようにし、最後に穴の奥まで力強く叩き込む。板が半生であれば、乾くにつれ穴が締まり強度が増す。組み上がったら脚の長さを鋸で微調整。

    Complete!

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    気持ちイイっす
    (椅子だけに)

    完成したベンチでさっそく読書を楽しんだ。強度に不安があるときは、脚を差し込む際に木工用ボンドを入れておこう。

    里山で使っても良し、持ち帰っても良し

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    直線・直角・きれいな曲線ばかりが木工ではない。自然素材に勘と目見当で向き合い、当意即妙の感覚で気軽に楽しむのが自由木工だ。

    ※構成/鹿熊 勤 撮影/藤田修平

    (BE-PAL 2025年5月号より)

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