憧れのタイニーハウスに泊まる!東京・福生を親子で巡るプチ冒険旅行

2020.02.26PR

私が旅しました!
アウトドアライター/エディター/フォトグラファー
三田正明・犀(さい)親子
気鋭のアウトドアメーカー『山と道』でも ウェブサイトの編集や構成、撮影を手がけている。個人的にもバックパッキングやバイクパッキングの旅多数。息子の犀(さい)は、神奈川県在住の小学三年生。何事もあまり深く考えないタイプで、体は軽いけど勉強は少し苦手。スケートボードとガンプラが大好きな妹にやさしいお兄ちゃん。

若い頃から旅が好きで、気がつくとアウトドアのライターを仕事にしていた。僕に人生哲学のようなものがあるとしたら、その多くは旅の経験から学んだものなので、いま9歳の息子にもできるだけ旅をさせたいと思っている。

なので、5歳の頃に東京の西の自宅から秋川渓谷のキャンプ場までプチ自転車旅行をしたことを皮切りに、北アルプスに登ったり、三浦半島一周のバイクパッキングをしたり、丹沢の麓まで自転車で行って塔ノ岳に登ったり、これまでもちょっとした冒険旅行に連れ出してきた。

今回、東京都福生市に新しくできた『The TINY INN』というアメリカで話題のタイニーハウスを活用したモバイルホテルに泊まってみようと、彼とのプチ冒険旅行の行き先を福生に決めた。

出発は東京都の東大和市と埼玉県の所沢市に挟まれた多摩湖。その駐車場にクルマを置いて、サイクリングロードを繋いで福生を目指す。

多摩湖畔のワイディングロードは爽快なライディングが楽しめるし、そこから少し下るとトロッコ列車の線路跡に作られた自転車トンネル群があったり、 福生の横田基地周辺では独特のヌケの良さや異国情緒が味わえたり、短いながらもバラエティに富んだルートのはずだ。息子も楽しんでもらえるとよいけど。

多摩湖を出発して、福生をめざす!

出発前に多摩湖畔で記念撮影。エイエイオー!

多摩湖に隣接する狭山公園の駐車場にクルマを置き、朝の9時半に出発した。多摩湖沿いのサイクリングロードには息子の犀(さい)も何度か連れて来ているので、勝手を知っているせいか調子に乗っていきなりビュンビュン飛ばしている。何年か前とはペダリングや操縦も見違えるようで、子供の成長の早さをあらためて思う。

多摩湖と狭山湖を周遊するサイクリングロードは1周約12km。なだらかなアップダウンで気持ちよく走れる。

多摩湖のサイクリングロードを数キロほど快調に走り、青梅街道に下った。東京都とは思えないのどかな風景の生活道路に入ってしばらく行くと、小さなトンネルの入り口が見えてきた。ここから始まる「野山北公園自転車道」はダム湖である多摩湖・狭山湖を建造する際に敷かれた資材や土砂を運ぶトロッコ列車の線路跡に作られたサイクリングロードで、とくに武蔵野の面影を残す谷戸を縫うように通されたこのトンネル群は、知る人ぞ知る奇景スポットなのだ。

谷戸を縫うように「赤坂トンネル」「御岳トンネル」「赤堀トンネル」「横田トンネル」の4つのトンネルが連続する。

元トロッコ列車用トンネルなので、道幅は自転車がすれ違う程度しかない。

トンネルに入った瞬間、犀は「ワー!」っと大声をあげて反響を楽しんでいる。ひとつトンネ ルを抜けるとまたトンネルが現れ、抜けるとまたトンネルが現れた。トンネルで谷戸を越えると雰囲気も変わり、小さなトンネルは異世界への入り口みたいで、思わず気分が盛り上がる。

武蔵野の里山的な雰囲気を残す住宅街に伸びる野川北公園自転車道。

トンネルを抜けるとはあたりは閑静な住宅地に変わり、しばらく行くとサイクリングロードの終点に辿り着いた。住宅街の向こうに横田基地の施設が見えたのでそちらに向かうと、基地沿いの道には望遠レンズを抱えたおじさんたちが鈴なりになっていた。どうやらこれから米軍機が離陸するらしい。「これからあの輸送機が離陸するよ!」とひとりのおじさん。さっそくフェンスに張り付く犀。

横田基地の柵に張り付いて輸送機の離陸を待つ。

大型旅客機よりも巨大な鼠色の軍用輸送機が滑走路をゆっくりと旋回しながらやって来た。目の前で一瞬、力を貯めるように止まると、ジェットエンジンの轟音を響かせながら離陸していった。 思わずふたりで「おおー!」と叫ぶ。この興奮、ママと妹にはわかるまい。

福生に到着!国道16号線沿いの商店街は個性的なスポットばかり

基地の周囲をぐるりとまわり、いよいよ福生市に足を踏み入れた。横田基地に沿ってのびる国道16号線には異国情緒を感じさせる雑多で多種多様なお店が立ち並んでいて、いつも通るたびにワクワクする。そういえば、このあたりに住んでみようかと物件を探してみたこともあったな。 この街でひと夏を過ごしたらどんな気分なのか、いまでもすこし気になる。

横田基地に沿って伸びる国道16号線には多くの個性的な店が軒を並べている。

16号沿いの家具屋『DECO DEMODE』も広々とした店内にアメリカ製のパブリックファニチャーやメディカルファニチャー、リノベーション用の建材までが並ぶ老舗店だ。

DECO DEMODE

【住所】東京都福生市福生2351
【電話番号】042-552-6274
【営業時間】11:00~20:00(年中無休)
https://www.demode-furniture.net/deco/shop/

16号線沿いには『フレンドシップパーク』という名の公園もあり、公園に差し掛かると、「ちょっととまっていい?」と犀。遊具で遊びたいらしい。朝から自転車でずっと走っていても、面白そうなものを見つけると思わず体が動いてしまう年頃なのだ。

公園にたたずむ像と記念撮影したり、ロープジャングルジムでスパイダーマンの真似をしたり。

個性派揃いの16号線沿いの店のなかでも、ひと際雑多な雰囲気を放つ『夕陽のTシャツ』というセレクトショップに入ってみた。店内には古着やアンティーク、アメカジやストリートスタイルのアパレルや雑貨が所狭しと並び、すこし懐かしい気分になる。

そういえば10代の頃、僕にとってこういう店は音楽や文学や映画など、様々なカルチャーへの 入り口だった。僕が旅に出たいと思ったのも、そこで出会ったものに植え付けられた影響が大きかったのかもしれない。物珍しそうに店内を見てまわる犀も今年で10歳だから、だんだんそんな多感な時代が始まるというわけだ。彼もこれから様々なカルチャーに出会い、たくさんの何かに夢中になっていくんだろう。

『夕陽のTシャツ』店内。様々な時代のカルチャーやファッションのアイテムが所狭しと並ぶ。

夕陽のTシャツ

【住所】東京都福生市福生2215-1F
【電話番号】042-530-3005
【営業時間】12:00~21:00(土・日11:00~20:00)(年中無休)
http://yuhitee.com/

日本で初めてピザを出したという名店『ニコラ』に到着。

お昼は『ニコラ』のピザと決めていた。かつて六本木にあった一号店が日本最初のピッツェリアだったという『ニコラ』は福生の老舗的な存在で、広々とした店内は多くの客で賑わい、地域でこの店がずっと愛され続けていることがよくわかる。

六本木にあった一号店は戦後、東京の裏社会の社交場だったというが、現在の横田本店には多くの家族連れや常連客で賑わう。

ゴーダチーズがたっぷり乗ったピザはシンプルだけど他では食べたことのない味で、犀はシーフードのピザを夢中で頬張りながら「シーフードが生まれてはじめておいしいと思った!」と言っていた。

シーフードピザは犀も夢中で頬張るおいしさ。

ニコラ横田本店

【住所】東京都福生市福生2402
【電話番号】042-551-0707
【営業時間】 11:00~23:00(火曜定休)
http://pizza-nicola.com/

有形文化財「田村酒造場」で武蔵野の原風景を見る

午後は16号線から少し足を伸ばして多摩川へと向かうと、古めかしい煙突の下に大きな蔵がいくつも立つ酒蔵が見えてきた。1822年創業の田村酒造場は多摩の者なら知らぬモノはいない (?)「まぼろしの酒」と呼ばれる『嘉泉』の蔵元で、僕自身の趣味としてここで酒蔵見学を旅の計画に入れ込んでいたのである。

酒蔵の前に飾られた「酒林」と呼ばれる杉玉は、その年の新酒が完成した印なのだとか。

はじめはまったく興味のなさそうだった犀も、それぞれ200年前や100年前に建てられた酒蔵の静謐な雰囲気に飲まれて、なぜか僕のスマートホンであたりの写真を撮りまくっている。それもそのはずで、田村酒造場の酒蔵や石垣は国の有形文化財に指定されているのだという。

田村酒造場の吉原さんにお話をうかがった。製法は近代化しつつも、酒造りは酵母や発酵といった自然界の力と繋がった作業であることにいまも昔も変わりはないのだとか。

蔵の柱に耳を傾ける犀。「いま昔の人と繋がってたよ!」

かつての水車小屋や雑蔵が立ち並び、まさに武蔵野の原風景といった趣を持つ庭を案内してくれながら、田村酒造場の吉原さんはこんなふうに言っていた。

玉川上水から引かれた小川の流れる広い敷地。

「この景色も酒づくりも、先人から受け継いできたものを守ってゆくことはうちの大事な仕事だと思っています」

敷地内に立つ推定樹齢800年ほどのケヤキ。冬で葉は落ちてしまっていたものの、幹はさすがに存在感たっぷり。

自分用のお土産を物色する父。

このとき選んだ田村酒造場の 『純米吟醸』は味も香りもとても豊かだった。

田村酒造場

【住所】東京都福生市福生626
【電話番号】042-551-0003 
【営業時間】8:30~17:00 (日・祝・月曜定休)
蔵見学は12月・1月以外、随時開催(要予約・10名以上)
http://www.seishu-kasen.com/

自然豊かな多摩川サイクリングロードを堪能

多摩川のサイクリングロードを行く。

田村酒造場をあとにして、多摩川のサイクリングロードを経由して福生市街へと帰ろうとすると、またも「ちょっとストップ!」と犀。河原で遊んでいきたいらしい。引っ越ししてしまったけれど以前は多摩川が流れる街に住んでいたので、僕にとっても犀にとっても多摩川は馴染みの場所だった。

河原の公園でひとしきり遊んで休憩。

堤防の上に立つと、多摩地区でもなかなか拝めない広々とした景色が見渡せて、やっぱり気分が清々する。僕のように多摩で生まれ育った人間の心の川ナンバーワンは、やっぱり多摩川だ。

親子にとっても多摩川は幾度となく訪れている馴染み深い場所だ。この機会に好きな女の子の名前を聞き出そうとするも失敗。

まるでアメリカ西海岸の街角のような『DELTA EAST』と『The TINY INN』

横田基地から至近ということもあり、外国人のお客さんも多い『DELTA EAST』。まるでアメリカの西海岸の街角のような雰囲気。

午後の3時過ぎ、ようやく目的地の『The TINY INN』に到着した。フードトラックやデッキ、ミニスケートランプなどを設置した『DELTA EAST』と呼ばれる新施設の一角にあり、『The TINY INN』はアメリカのトレーラーを「モバイルホテル」としてデザインしたものだった。

『The TINY INN』外観。小さいながらもシャワーとトイレを完備。

ついにこの日の宿に到着!キャビン内はセミダブルベッドでいっぱいながら、窓が多く圧迫感はない。

『DELTA EAST』全景。

フードトラックにはアメリカンスタイルのピザやクラフトビール、ハンドドリップコーヒーやバインミーを提供するものもあり、グラフィカルなサインペインティングが施されたフードトラックが立ち並ぶ姿は、まさにアメリカそのもの。基地が近いこともあり、このときも基地関係者と思わしき外国人が次々とやって来ては、デッキのテーブルで談笑しながらピザやビールを楽しんでいた。

『Delta Brewing & Co』では地元多摩をはじめ、世界中から選んだローカルクラフトビールが楽しめる。

さまざまなソースのチキンオーバーライスを販売している『THE MUST CHIKEN』。

ハンドドリップのエチオピアンコーヒーをいただく。

犀はといえばミニスケートランプに大興奮して、ボードもないのにグルグルまわったりジャンプしたり、ずっと走り回っていた。『The TINY INN』もすっかり気に入った様子で、「ここに住みたい」と言いだす始末。

最近スケボーを始めたばかりの犀はスケートランプに大興奮。

ベトナムのサンドウィッチ「バインミー」やスイーツ、ジュースなども販売している。

アメリカスライスピザが楽しめる、名前もユニークな『DOSUKOI PIZZA』。

『The TINY INN」の窓から見える『DELTA EAST』の非日常感に犀もご満悦の様子だった。それを見つめる父もニンマリ。

夜になると『DELTA EAST』はライトアップされ、いっそう異国情緒……というか異世界感が増した。ふたりで散歩に出かけると、自宅からそう遠くない福生とはいえ泊まっているという事実が感覚を変えるのか、何度も来たことのある福生もいつもとまったく違く見えた。モバイルホテルで父と過ごした風変わりな夜を、犀はどんなふうに思い出すのだろう?

『DELTA EAST』のネオンサイン。

The TINY INN

【住所】東京都福生市福生1990-1 DELTA EAST
【宿泊料金】(宿泊のみ)※一人あたりの料金
■通常料金(最大2名まで) 平日・3,500円/人 休日・15,000円/人
■ハイシーズン料金(最大2名まで) 平日・5,500円/人 休日・20,000円/人
https://www.tinyinn.jp

 

翌日も同じ道を辿って多摩湖まで帰り、1泊2日のプチ旅行は終わった。東京都内でのたった 30kmの自転車旅とはいえ、湖あり、里山あり、トンネルあり、異国情緒あり、酒蔵ありと、バラエティに富んだ景色に触れることができて、我ながら驚いた。

感想を犀にたずねると、「ひとことで言うとね、最高だった!」という答え。もっと気の利いた表現はないのかと文章を生業とする父などは思うが、まあ仕方ない。今日の経験が彼のなかでつぼみとなり、ある日あるとき何かの形で咲いてくれたなら、父はとても嬉しい。

撮影/sumi☆photo

~NATURE TOKYO EXPERIENCEとは~

豊かな山々に囲まれた多摩、青空と海が広がる島々。日本の中心都市の顔とはちがった、“東京の自然”という今までにない魅力を感じることができる多摩・島しょエリアに着目し、体験型・交流型の新たなツーリズムを開発する事業を応援するプロジェクト。https://www.naturetokyoexperience.com/

協力/公益財団法人東京観光財団

 

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